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#16 本当の……

下記試しながらしているので更新遅くなってきててすいません




『2日後に出発だ』



ハディレイは少しスッキリしたような顔をして帰ってきた



ウィルナスもそうなので、リヴァストはコイツ等なんかやらかしたな?と疑いの目でハディレイを見る



ウィルナスに言った所でそんな事何も考えていなさそうだから



『お前、何やらかした?』



『2日以内に出立の準備ができなかったらこの国の人間全部レジムに魂くれてやると』



『お前はただの阿呆か!渋られたら一応情報だけ渡して一度戻ってくれば良いのだそれだから脳筋なんだとグスタに言われるんだ!』



『ぐ、ぐぅ……』



リヴァストがなんだかんだで束ねてるんだよね、とグスタークに、彼がまだ幼かった頃にリヴァストは言われたことを思い出す



その時は、それならレティシアじゃね?と返した際、レティシアは肯定形だから違うよ、と言われたことがある



リヴァストは駄目な事は窘め止めるし、良い事には何だかんだで褒めてくれるのだ



『そもそもお前は何時も何時もグスタが注意しかしない怒らない奴だからと勘違いしているようだがグスタからしたら言う事聞けない子供だぞ貴様ぁ!只管にグスタが必死こいてお前とゴリアテやウィルナスとの喧嘩を止めてたのに微塵も気付かんのか!』



そこからも止まらないリヴァストの説教にハディレイは正座状態にされる



言っても聞いてやめるような存在ならこうなっていないとは分かっていても怒らずにはいられないのはグスタークの為だ



戻ってきた時に揉めないように



『リヴァストの調子戻ってきたねー』



ヴォザークはクスクスと笑っている



ヴォザークも少し調子が戻りつつあるらしい



『ヴォザークはレジムのところにはいかないんでしょう?』



『いや、【アレク】の事については僕も納得が行かなかったんだ、だから今回は行くかんねっ、ナタリシアはそのままグスタのこと見ててあげてよ、……起きたらごめんねって言わないといけないね』



【アレク】と言われ、ナタリシアも少し罰が悪そうな表情を浮かべる



この面々にとって、【アレク】もまたグスターク同様に大切で愛おしい存在であったのだ



『うん、皆のこと待ってる……ナタリ、おそらとぶ手伝いしかできないもん』



『僕達の事助けてくれな』



『うんっ』



ナタリシアを抱きしめたヴォザークと、抱きしめられたナタリシアはもう随分と調子が戻って笑っている



リヴァストはそれでいい、と内心安心した



『ヴォザーク』



『おー?ウィルっぴどしたんな?』



その呼び方、いや、もういいや、とリヴァストは首を振ってウィルナスの言葉を待つ



突っ込んでもあれだし、本調子に戻ってるならもういいのだ



『俺は、【アレク】とグスタが同じになるのは認めない、起きたら闘うんだ、【アレク】みたいにヤクソク守らない奴なら俺はグスタとゼッコウとやらをする』



『……あはは!グスタんの事だから【アレク】みたいに死んだりしないと思うけど、起きたら怒るくらいはいんじゃね?長く寝すぎーって!ウィルっぴ珍し過ぎ〜ッあははははっ!』



とても珍しいウィルナスの言葉



絶交なんて子供じみた言葉



約束が守られなかった、護ってやれなかった過去をウィルナスもウィルナスなりにきっとずっと抱えていたのだ



ヴォザークもうんうん、とウィルナスの頭を撫でる



「あ、あの」



ノックと同時に声が外から聞こえてきた



『んー?』



『誰だ?』



「ヘルミーナ・ロス・リフィターニャとそのパーティー、計四名、それからルーシス・フォン・リンディハイム様です」



精霊、聖獣達は目を合わせたあと頷く



リヴァストは扉の向こうへ向かって声をかける



『入れ』



『いいの?』



ナタリシアはあまり賛成的ではなかったらしい



そりゃあグスタークから離れたくないし、何よりそういえば声の主に嫉妬心向けてたな、とハディレイは思い出した



『この際構わん』



「失礼致します」



「失礼致します」



『……なんだ』



入ってきた面々にリヴァストは目を向けたりしながらグスタークの布団を正してやる



呼吸は静か



ただいつ止まってしまうか、なんて考えてしまうのはあまりしたくないけれど、考えてしまう為の行動だ



「お聞きしたいことがあります」



『……なんだ』



「………何故グスタークはあんなに乱心したのか……何故そうなるのか、それが聞きたくてまいりました」



『………お前らはあれを押さえ付ける………俺は世界も人間も嫌いだ………自分で自分を殺すグスタークも嫌いだ……』



本当の自分を出さないグスタークが嫌い



作り笑いしか出来なくなったグスタークが嫌い……



そうさせた世界が憎い



リヴァストの口から恨み言が出てくる



沢山沢山頑張って生きてきたグスタークを、グスタークが………



世界が彼を切り離して行ったのがリヴァストにとって嫌いなものだった



『それでも、ルーシスはグスタークを見捨てなかったから信用できる、ノイドも、アウブエストも、グスタークを見てるからまだ許せる……』



『リヴァストはグスタがだいすき』



『ナタリシア、ちょっと黙ろうな』



『ナタリも、グスタ、だいすき……グスタ、ずっとねてるの、おはなしできないから、さみしい……ウィルも、アーテも、ハディも、ヴォザークも………さみし……』



ヴォザークはナタリシアを抱き上げてグスタークの眠るベッドへ乗せる



ナタリシアがグスタークの頬を触ると、暖かくてまだグスタークは頑張っているのだと思ってしまう



頑張っているのだと思いたい……



『アイツは、我慢するだろう、怒るのも、笑うのも、……普段笑ってるのは社交辞令だ……』



怒るのも笑うのも耐えられなくなった時、あの様な感じの出来事が起きて自分を抑えられなくなったのが始まり



昔は、本当に幼かった頃はまだマシだった……



だが、大人になっていく周囲と自分の身体や心に



周囲に望まれるグスタークの像と自分との違いに脳が可笑しくなったんだろう



グスタークは悪くないのに



努力して、結果として、多分全部から逃げたくてリヴァストやハディレイ達を迎えに行くなんてことになったんだ



ナタリシアはグスタークを抱き締めて眠り始める

ヴォザークはナタリシアにも布団をかけてやる



どれだけ軽い話し方をしているとはいえ、どれだけ面倒だと同じ守護柱16柱の面々に言われても、ヴォザークだって、グスタークが大切なんだ



あの、今にも消えてしまいそうな程弱り切ってしまった事のあるグスタークを、二度と見たくないのは守護柱16柱、16柱中15柱の総意なのだから……













【アレク】さんのはなしもかけたらなと、

では今日はねますおやすみなさい

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