#14 ジレムの脅威
昨日上げられなかったので
あれから、片付いたと言うのに、半年経ってもグスタークは目を覚まさない
聖獣、精霊達も、グスタークの傍を離れようとはしない
それは、まるで親の目覚めを待つかの如く常に落ち着きがない
精霊達も落ち着きがなく、グスタークの部屋は常に賑わっているが、心配されているグスタークはそれでも目を覚まさない
医者は、魔力の量も安定して一定値を保っているし、何より周囲の精霊達も聖獣達も手伝って身体自体には異常はないのだ
だが、全く目を覚まさない
夜中に目を覚ましたりするのか?なんて話もあったが、それなら聖獣王達も気付く筈
何故、どうして
気がつけば、王の為に使える医官も動員して診てもらう日々を送っていた
『リヴァスト……』
『なんだよナタリシア』
『………ジレム、のせい?』
『何でそう思う』
『………アレクの時も、ジレムのせいでしんじゃった……ジレム、魂つかまえるから、ジレムのところいってくる』
『ナタリシア、早まるな、アイツは俺達でも容赦無い化物聖獣だぞ』
『………だけど、もう、アレクみたいなこと、いやだよ……』
『………ハディレイ、ウィルナス、お前らレジムの所へ行け、気に行ったもん何でも奪うなってな』
『はぁー………こんな気はしてたよ』
ハディレイは仕方なさ気に立ち上がり、普段なら騒がしく『殺るぞ!』だの『闘いてぇ!』なんて吐かすウィルナスの腕を掴んでウィルナスを引っ張る
『起きたらいつものようにな』
『おー、魂と器との繋がりはまだ切れてねえ、まだ囲ってるだけだ、それか、グスタークが何かやってるかだ、人間を連れて行け、あれはそれの方が釣れる』
『分かった』
ハディレイは国王の部屋へとズカズカと進んでいく
グスタークの為だ
そもそも人間の仕来りなんて精霊や聖獣には微塵も関係ない
『入るぞ人間!』
「!?えっ」
『我が名は精霊王ハディレイ、貴様等にグスターク・フォン・リンディハイムの事について伝えに来た』
ざわめく国王謁見の間へ空気を読まずに入ったハディレイの顔には、やだやだ、という感情が隠しもせずありありと見て取れるほどの表情をしていたのだった…………
レジムは柱全員に嫌われてます




