日常が壊れる少し前
お久しぶりです。どこまでも亀更新で、申し訳ないと思います。
いつものように登校をする。始業式から数日が経った。正直、未だに自分が今年大学もしくは就職試験を受けなければならない受験生とはとてもじゃないけど思えない。まぁ、思いたくもないのだけれど。
「そういえば、燐。貸した乙ゲーどこまで進んだ?」
「推しは全クリ」
「どうだった?」
「天使だと思った」
そんな会話を繰り広げる。会話の内容から察せられる通り、俺たちは所謂オタクというやつだ。正直なところ、オタクとヲタクの違いはいまいちわからないけれど。まぁ、気にしない。ついでに、親もオタクである。あれです、蛙の子は蛙ってやつです。他のやつらは知らんが。少なくとも、俺は親も兄弟もオタクであるが故、オタクになったといっても過言…になるかもしれないけど過言ではない。
まぁ、類は友を呼ぶという言葉があるとおり、五人が集まったわけであった。正直、オタクはあまり受け入れられない人が多いと聞く(実際のところどうなのかはまったく知らないけど)ため、成績も上位、運動もできるほうできれいなこの幼馴染たちの唯一の欠点となりえるのは”オタクである”という点なのだった。
しかしながら、燐たちは特に何かされたわけでも言われたわけでもないのだ。それは環境がよかったのだろう。理解者がほかに比べて多くいたからに過ぎないのだと思っていた。実際、燐たちが住むところは本当にいい環境であった。それゆえに、
(今の生活が嫌いなわけではない)
(ただ、少し物足りたいというか)
(死ぬほど辛いわけじゃない)
(でも、なんとなく生き苦しい)
(なんでもいい、刺激がほしい)
生活に満足はしていないが、不満があるわけではない。当たり前の日常が当たり前のように過ぎていく。それは、きっとすばらしいこと。人生は常に死と隣り合わせ。いつどこで死ぬのかわからないそんな中で、当たり前の日常を過ごせるというのは幸せなことだろう。それは、きっと日本というひどく平和すぎる国ではとくに顕著になる。事件・事故はあるが、戦争があるわけではない。いや、燐たちも別に戦争を経験したいとかそういうことはないのだ。平和すぎるのこ生活が日常が少しだけ、ほかの人よりも退屈に感じてしまう。ただそれだけのことなのだ。でも、やっぱり………窮屈なこの日常を誰か変えてくれと燐は誰に願うでもなく、心の中でつぶやいた。
その心のつぶやきは、数日後に実現されるということを燐たちが知ることはない。…否、知る由がないのだった。
今回は、すごく短めですが…きっとこんな感じのまま続くと思います。つたない文章ではありますが、読んでいただけると幸いです。