2.料理は愛情
イタリアって空母持ってたんですね。知りませんでした。ヘタリアのイメージが強かったのでてっきり持ってないものかと...
僕は美香に頼まれた通りにスーパーで買い物をして家に帰ってきた。
「ただいまー」
「お帰り。当番お疲れ様」
そう言って僕を出迎えてくれたのは、姉の「日向野 清」僕を含め、みんな「清」を「しん」と言い換えたりして呼んでいる。
清姉は非常に頼りがいがあり、面倒見も良い。胸もある(重要)。
「ほら、重かっただろう台所まで持って行ってやる」
「サンキュー清姉」
「そういえばクラスに転校生が来たんだよ」
「おおそうか、転校生か。で、どんな奴だ?」
急に興味津々になった清姉が早速聞いてきた。
「そうだな......結構な美人だったぞ? 周りにたくさん人が集まっていたから、推測するにコミュ力も高いな」
「コミュ力が高くて容姿端麗......礼渡、お前とは大違いだな」
......だまらっしゃい
そう話しながら僕と清姉で夕食を作っていった。
メニューはサバの塩焼き。
どう見ても確実に完全無欠な安牌なこの料理、絶対に事故はおきn
「あ゛あ゛っつ」
悲鳴のほうを向くと姉が人指し指を咥えて冷やしていた。
そう、何を隠そうこの姉、非常に技術的な面で不器用なのだ。
「清姉大丈夫か!?」
「大丈夫だ、問題ない。ちょっとしたやけどだ。」
聞いたところによると、ご飯が炊きあがった直後に出来立てを少し食べようとしたところ、周りに食器具が無く、仕方なく素手でつまんだという......
将来一人で自炊したら家が燃えるな。
「清姉しっかりしてくれよ......。炊きたてのご飯は熱いに決まってんだろ?」
「いやしかし、何だか行ける気がしたんだ......この白米は手に取っても熱過ぎないというか、美味しさのパラメーターが熱さを上回っているように感じたんだ。そう思わんかね?」
「思わねーよ。何言ってんのか分からん。とりあえず清姉はテーブルに座ってくれ、頼むから......」
「そうか?まあ私がいなくてもお前は大丈夫だろう。任せた」
ということで俺一人で作る事になった。清姉の調子が良いときは一緒に作るのだが......今回は調子が悪かったな。
料理を作り終え、美香を2階の部屋から呼んで食事を始めた。
「「いただきまーす」」
「うーん、いつも通りに美味しいよ!お兄ちゃん!」
「ああ、美味いな、私が手伝わなくても美味いとは自慢の弟だ。」
「はいはい、どういたしまして」
二人が嬉しいことを言ってくれた。
あと清姉、あんたの手伝いは要らん。
「いつもお兄ちゃんと一緒に作ってるからまた一人で作っていい?」
「おういいぞ、その代わり自信のあるのを作ってくれよ、失敗すると材料が勿体ないからな」
「もー、私ももうしっかりとした高校生なんだから自信が無くてもしっかり作れるよぉ」
「それもそうだな、まあ安全に頼むぞ」
実を言うと美香もあまり料理は上手ではない。
というか当たり外れがあるのだ。2分の1の確率で......。
次の料理がアタリであることを願っておこう。
「ごちそうさま」
「やっぱり食べ終わるのが早いな、ちゃんと噛んだのか?」
「噛んだよ、それなりにな」
僕は自分の部屋に戻って行った。(歯は磨いたよ!)
「ねぇ清姉?」
「うん? どうした?」
「あのね、お兄ちゃんの席の近くに凄くかわいい娘が転校してきたの」
「ほう......あぁ、あの娘か」
「え? 清姉知ってるの?」
「礼渡が帰ってきた時に話してくれたんだよ」
「そう...やっぱり...」
「何かあったのか?」
「いや別に...」
皆様お久しぶりです。まだ2話目というのに死ぬほど遅れてすみません。やっぱり書く時間を作るのが下手でして...次からは極力早く投稿出来るように善処します。(フラグ)