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真新しい制服に袖を通し、鏡に映っている自分を見つめニコッと笑ってみる。
当たり障りのないようにと鏡の中の自分に言い聞かせた。
「よし!」
気合いを入れ「おばあちゃん、行ってくるね」と台所に居るおばあちゃんに声をかけ玄関へ向かった。
「気を付けてね」
おばあちゃんが玄関に居る私に声をかけてくれた。
「うん」
ローファーを履きおばあちゃんへと向き直して「行ってきます」と言うと「緊張しないでも大丈夫よ」と目元に優しいシワをよせ笑った。
「分かってるよ」
緊張しているのを見透かされ、少し照れくさくて早口で言うと「はい、はい」とまた笑う。