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春休みは一回だけ、何年かぶりにおばあちゃんと一緒にお芝居を見に行っただけで、それ以外は特に何をする訳でもなく、時間はゆっくり流れて行った。
何度か友達から誘いの連絡があったけど、ノリ気になれなくて断った。
きっと彼女達は、高校生活を楽しみにしている。
そんな彼女達と、高校生活に何も期待していない私が、同じテンションで会話出来る自信がなかった。
自分から彼女達との関係を遠ざけようとしているのに、彼女達に嫌われたくないと思っている私は調子が良いのかもしれない。
縁側に座り、瞳を閉じ、温かくなった陽射しを感じながら、深く深呼吸をした。
高校生活に期待はしてなくても、私にだって不安はある。
誰も知り合いの居ない場所で、自由になりたいと思っていても、私にだって不安はある。
……あ~私って、面倒臭いヤツ
瞳を開け、う~んと背伸びをして、そのまま後ろへ倒れるように寝転んだ。