2/7
1
最愛の人を残して逝くのと
最愛の人に先に逝かれてしまうのと
どちらが悲しいのだろうか。
友達が居ない訳じゃないけど、ずっと前から決めていた。
『可哀想な子』
そんなレッテルをずっと貼られて来た私には、偏見のない自由な場所に行きたかったから。
「梓と別の高校なんてヤダよ」
そう泣いている友達をありがたく思う。
「梓だけ遠くなるね……」
淋しい顔で俯く友達をありがたく思う。
「ずっと友達だよ」
そう言う友達の言葉は真実だけど、真実じゃないってことぐらい知っている。
今はそう思っていてくれても、共有するものが少なくなって行けば、自然と距離も生まれてくる。
「淋しくなるけど……」
私の言葉も真実だけど、真実じゃない。
そう思う私はある意味『可哀想な子』なのかもしれない。