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救世主求ム。詳細は村長へ。  作者: にしすけ
第三章 勇者カイト
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副村長ですが勇者のパーティに出稼ぎに来てます

「敵発見!北の方角20メートル!」

コルビンはその声にたたき起こされた。


ナシフ山中、シャールロット庄の少し北西に入ったところ、ミームミームという小さな沢がある。勇者カイトとその一味はそこを宿営地としていた。


「ガーゴイルだ!」

その数2体。あの人間の胴回りほどもある太い腕に捕まったが最期、人間など容易くひねりつぶされてしまうだろう。

「姉さん、コルビン、頼む!」

勇者カイトの号令のもとイシワタリが全員に速度上昇の魔法を放ち、コルビンが回復魔法を連打する。メンバーが敵の強い一撃で吹き飛ばされようが、真上からの打撃でつぶされようが、すぐに回復できる。

『何だ、こいつら!死を恐れぬのか!』

とガーゴイルも思わずびっくりである。

「私達は信じてるんだよ!姉さんとコルビンをね!」

サヤが剣を横なぎに一閃。敵の足が止まった。すかさず勇者カイトが急所めがけて刃を繰り出した。


……


「いやーコルビンさんがやってきてからいいこと尽くめですよ」

と勇者カイト。

「何より戦場で無理してでも回復してくれるし、お陰で回復薬の消費も少なくなった。戦力アップの上お金の節約にもなるんだから一石二鳥だよ」

「お役に立ててなによりです」

コルビンが勇者カイトのパーティに出向となって早一週間。とにかく回復魔法を連打する日々だった。これで日当が1,000ゴールドだから、1ケ月程度働けばなんとか村に帰れるのだ。つらいがこれも村の発展のためである。

「もう、わたしの存在価値って何ー?」

とギャルで金髪な僧侶がつぶやくが、嫌味な感じではない。単純に仲間が増えてうれしいようだ。ちなみに名前をカロナといった。

「きゃはっ!魔物掃討楽しいな」

とアニーが笑う。

「いい感じ♪さっすがコルビンさん」

エルマも負けじとはしゃいで回っている。


「この辺りも大分安全になりましたね」

「前は寝込みを襲ってくるのは10体ぐらいだったのにな。相手も数が減って苦労してるんだな」

1週間前は10分歩けばすぐ魔物にぶち当たっていた。ナシフ村とはなんと危険な場所であることか痛感したが、モンスターを殺戮して回ると遭遇頻度がだんだん少なくなっていった。


「さて、敵も減ってきたことだしいよいよあそこ行きますか」

「そうですね。行きましょう!」

「やったーっ!」

「あのーお姉さま方は以心伝心かもしれないですけど僕はさっぱりなんですが」


「おや、知らなかった?ナシフ村のそばには多数のダンジョンがあるんだよ。そこから沸いてくるモンスターも多い。1つず潰していかないと村は平和にならない」

「はあ、まあイシワタリ姉さんがそう言うなら……」

最初は借金のカタにどこかのカニ漁船で強制労働させられることを覚悟していた。それを考えるとこうして勇者のパーティで回復役として戦うのはまだましなのかもしれない。

「また魔物が来たぞ、メデューサだ!目を合わせるな!」

コルビンは黙々と回復魔法を放ち続けた。女子ばかりのパーティだが猪突猛進型が非常に多い。みんな前へ前へ出ようとする。気が強いのだ。手持ちの回復薬では回復が追いつかないくらい激しく、コルビンでもときにマジックパワー切れを起こすくらいである。

「アニーが固まったあー!」

本来後方にいるはずである魔法使いのアニーが石化しているのはどういうことなのだろう、とコルビンは一瞬思った。しかしコルビンは度重なる戦いの中でレベルアップしており、こんなこともあろうかと石化解除の魔法を習得していた。すぐに戻してやる。


「おおっ!コルビンさんがさらに成長してる!」

「これでメデューサと目を合わせ放題だね!」

アニーとエルマがハイタッチをしている。これでいいのか、この勇者パーティ、と思わずコルビンは思った。


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