キミの写真。
朝
いつも通り起きてすぐ
【おはよう】
と、ラインをおくる。
昨日送ったメッセージに既読がついていない。
キミのことだから電源消しっぱなしにしてて、寝坊してないといいんだけどね。
朝が苦手なキミ。
携帯を目覚まし時計にしてるキミ。
ちゃんと起きれたかな?
遅刻ギリギリであわてふためいているところを想像したら、既読がついていない現実がほんわかした気持ちになった。
…………………
昼休み
友達の少なさは自覚しているが、キミからの連絡がないと俺の携帯はこんなにも静かなことにビックリした。
まだ既読になっていない。
今までにキミを何度か不機嫌にしたことはあった。
だけど、連絡をすれば返ってきていた。
昨日の出来事を思い出す。
俺は次の日にはけろっとしているタイプ。
キミは落ち込んでしまうタイプ。
些細な事でも落ち込むキミを昨日はかなりの事をしてしまった。
気の利いた言葉をかけてあげたい。
いつものキミに戻ってほしい。
何てメッセージを送ればいいか悩んだ。
タイムラインで楽しそうに笑うキミの写真を見つけ、胸の奥がキュっと締め付けられ、痛かった。
………………
帰宅
結局昼休みにはメッセージをおくることはできなかった。
まだ既読になっていない。
少しショックだ。
朝と帰宅のこれだけは日課だ。別にキミに言われたわけではないが知り合ってから毎日している。
【ただいま】
送信したら既読がすぐについた。
え?
同じタイミングで見ていたの?
ポンポンタイミングよく送りあってるならわかるが、ずっと既読にならなかったのにこのタイミングで同時に開いてるなんて。
さっきまでの気持ちが吹き飛んだ。
キミが送ってくる前に
【おつかれさま】
また、すぐに既読になる。
何て送ろうか考えていたら
一枚の写真が送られてきた。
珍しく黒渕眼鏡をかけるキミ。
ふてくされている時にする尖らせた唇。
両手に持ってる紙には
<昨日はごめんね。好きです。>
これは保存確定ですね。