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初めての夜
ここは自分のいた世界じゃない。
しかし、これはあくまで予想にすぎない。自分の見た事の無いものがそこら中にたくさんあった。ただそれだけでは確信できない。
確信するためには、会話ができる原住民に会って聞き出すしかない。
「日も落ちてきたし、早く宿を探さないと」
しかし、いくら歩き回っても建物の影は見えない。
そして、遂に日が落ち、辺りはすっかり暗くなった。草原にいた獣たちは巣に帰り、夜行性の獣がちらほら目につき始めた。
「これはマズイ、宿どころか建物すら見かけなかったぞ。それに、さっきからずっと視線を感じるような…」
振り向くと、目が3つの狼のような生き物が数匹、リアを見ていた。
「あ、これはヤバいやつだ」