それを見るザック=レイター
「くっくっく……あの二人が何かを企んでいるようだけど、どうするつもりなのかなぁ」
ザック=レイターが、家の窓から、通信機で何か話をしているラタリの事を見ながら言った。いつものように、面白そうにしており、ラタリ達が、『これから何をやるか?』を、楽しそうに見物しているのだ。
「ザック=レイターさん、のぞき見なんて趣味が悪いですよ」
ブロックがそう言う。今のブロックは、紅茶を飲んでいた。
絵のモデルの役をしていたブロックは、休憩時間をもらい、レイネンは外に出ていってしまった。
「モデルをやってもらって感謝しているよ。レイネンの絵の事もあるけど、自分としては、こっちの方がメインになるかな?」
そう言い、ラタリの様子を、ニヤニヤと笑いながら確認をする。
「ですが、一つ不安があるのですが……」
ブロックは言った。レイネンの絵に関しての疑問があるのだ。
「なんで僕は、絵を描く為に呼ばれているんでしょうか?」
ブロックの質問の意味を理解したザック=レイターは頭を掻く。
「そうだよね、それが一番の疑問だよね」
なんで、ブロックがこの屋敷に呼ばれたのか? それはレイネンがブロックの事を気に入ったからである。
「そこまではいいんだけど……大切な事を忘れているんじゃないかと思うんだよね」
ザック=レイターが言う。ブロックもそれに同意する。
「描きかけの絵を見せてもらおうって思ったんだけど、見ようとすると、レイネンさんが、
『見ちゃダメ』って言うんだよね」
「レイネン君が、わかっていればいいんだけどね」
「ちょっと、不安ですね……」
ザック=レイターと、ブロックは、頭を掻きながら、そう言い合った。
「オーケーです。作戦を開始します」
ニムタンスは通信機を使って、ラタリに返事を送った。
ラタリからの連絡で聞いていた格好をした女性を見つけると、すぐに、話しかけに行った。
「こんにちは……ここの家の人なんですか?」
ニムタンスは、レイネンに向けて言う。
「ここの人には、いつもお世話になっていて……」
それとなく、そう言うニムタンス。
「ねえ、今時間ってあります?」
ニムタンスがそう聞くと、レイネンは、コクンと頷いた。




