ニムタンスは公園で
次の日、ニムタンスは近くにある公園にまで足を伸ばした。
そこで、遊んでいる子供たちがいる。
「メルムちゃんは……」
メルムの事を探すニムタンス。
ニムタンスは、今公園で遊んている子供達の中から、メルムの事を見つける事ができなかった。
「ねえ、ちょっといいかな?」
子供の目線に合わせるため、しゃがんで子供に話しかけるニムタンス。
普段からここに来て、子供達と遊んでいるニムタンスは、近くにいる子供から、メルムの事を聞いた。
そうしたら、子供から帰ってきた言葉はこういうものだった。
「最近遊びに来ないんだよ。いつも一緒にいたマルシェと、遊べなくなったらしいんだ」
「遊べなくなった?」
ニムタンスがそう答える。別に遊びたければ一緒に遊べばいいではないか? と、思う。
「なんか、姉ちゃんから、マルシェと一緒に遊んじゃダメだって言われているらしいよ」
「それを律儀に守ってるの?」
ニムタンスはそう言う。
メルムは、そのため、公園にも来ていない。
「マルシェは来ているんだけど、つまんなそうにしているし」
その子は、公園のブランコに座っているマルシェを見ながら言う。マルシェの兄の名は、マックスというのだろと、いう事は、ニムタンスも聞いていた。
「なんか、見えてきたな……」
メルムはマルシェと遊んではダメだと、メイネから言われている。そして、メイネの所に届いたあの手紙も、関係がある気がする。
ニムタンスは、マルシェに向けて歩いて行った。
ここはブロックの部屋である。ニムタンスは、ブロックに今日調べた事の成果を話している所だった。
「それからどうなったんだい?」
夜になり、ニムタンスは、今日調べた事をまとめ始めた。
「どうやら、メイネとマックスはケンカをしているようね」
どうやら、何かのはずみで、メルムとマルシェが、一緒に遊ぶことを禁止してしまったらしい。
そして、メルムとマルシェはそれを律儀に守っている。
「マルシェは何て言っていたんだい?」
それを、聞くと、ニムタンスは腕を組んで言った。
「メルムも、姉ちゃんと兄ちゃんが仲良くしてなきゃ嫌だって……」
「ふむ……」
これまでの事でわかったのは、メイネと、手紙の送り主のマックスという少年には、何かのトラブルがあったのだ。
そして、そのトラブルの余波で、メルムとマルシェは、兄と姉から一緒になって遊ぶのを禁止されているのだ。
「マックスなんて名前の人は、他に知らないし、多分、マルシェの兄がマックスだっていうのは、間違いはないと……」
そういう事ならば、あのメイネに届いた手紙の本当の送り主はだれだったか? その答えにも行き着く。
「マルシェ君がマックスの名前を使って手紙を送ったんだね。あの手紙の内容を考えるに、メイネちゃんと、マックス君に仲直りをして欲しかったみたいだ」
小さな子供の幼稚な考えだ。マックスの名前を騙って謝罪の手紙を出し、二人の仲を修復しようと考えたのだ。
そのマルシェの思った通りに事は進まず、メイネが手紙の意味を把握する事はなかったのだ。
「僕らは一肌脱がないとね」
「そうね。面白そうだし」
ブロックとニムタンスは、お互いに揃ってそう言い合い、次は何をすべきか? を、話し合い始めた。




