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ストラスレター  作者: 岩戸 勇太
兄弟と、姉妹の手紙
21/84

ニムタンスは公園で

 次の日、ニムタンスは近くにある公園にまで足を伸ばした。

 そこで、遊んでいる子供たちがいる。

「メルムちゃんは……」

 メルムの事を探すニムタンス。

 ニムタンスは、今公園で遊んている子供達の中から、メルムの事を見つける事ができなかった。

「ねえ、ちょっといいかな?」

 子供の目線に合わせるため、しゃがんで子供に話しかけるニムタンス。

 普段からここに来て、子供達と遊んでいるニムタンスは、近くにいる子供から、メルムの事を聞いた。

 そうしたら、子供から帰ってきた言葉はこういうものだった。

「最近遊びに来ないんだよ。いつも一緒にいたマルシェと、遊べなくなったらしいんだ」

「遊べなくなった?」

 ニムタンスがそう答える。別に遊びたければ一緒に遊べばいいではないか? と、思う。

「なんか、姉ちゃんから、マルシェと一緒に遊んじゃダメだって言われているらしいよ」

「それを律儀に守ってるの?」

 ニムタンスはそう言う。

 メルムは、そのため、公園にも来ていない。

「マルシェは来ているんだけど、つまんなそうにしているし」

 その子は、公園のブランコに座っているマルシェを見ながら言う。マルシェの兄の名は、マックスというのだろと、いう事は、ニムタンスも聞いていた。

「なんか、見えてきたな……」

 メルムはマルシェと遊んではダメだと、メイネから言われている。そして、メイネの所に届いたあの手紙も、関係がある気がする。

 ニムタンスは、マルシェに向けて歩いて行った。


 ここはブロックの部屋である。ニムタンスは、ブロックに今日調べた事の成果を話している所だった。

「それからどうなったんだい?」

 夜になり、ニムタンスは、今日調べた事をまとめ始めた。

「どうやら、メイネとマックスはケンカをしているようね」

 どうやら、何かのはずみで、メルムとマルシェが、一緒に遊ぶことを禁止してしまったらしい。

 そして、メルムとマルシェはそれを律儀に守っている。

「マルシェは何て言っていたんだい?」

 それを、聞くと、ニムタンスは腕を組んで言った。

「メルムも、姉ちゃんと兄ちゃんが仲良くしてなきゃ嫌だって……」

「ふむ……」

 これまでの事でわかったのは、メイネと、手紙の送り主のマックスという少年には、何かのトラブルがあったのだ。

 そして、そのトラブルの余波で、メルムとマルシェは、兄と姉から一緒になって遊ぶのを禁止されているのだ。

「マックスなんて名前の人は、他に知らないし、多分、マルシェの兄がマックスだっていうのは、間違いはないと……」

 そういう事ならば、あのメイネに届いた手紙の本当の送り主はだれだったか? その答えにも行き着く。

「マルシェ君がマックスの名前を使って手紙を送ったんだね。あの手紙の内容を考えるに、メイネちゃんと、マックス君に仲直りをして欲しかったみたいだ」

 小さな子供の幼稚な考えだ。マックスの名前を騙って謝罪の手紙を出し、二人の仲を修復しようと考えたのだ。

 そのマルシェの思った通りに事は進まず、メイネが手紙の意味を把握する事はなかったのだ。

「僕らは一肌脱がないとね」

「そうね。面白そうだし」

 ブロックとニムタンスは、お互いに揃ってそう言い合い、次は何をすべきか? を、話し合い始めた。

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