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ストラスレター  作者: 岩戸 勇太
兄弟と、姉妹の手紙
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兄弟と姉妹の手紙

 暖かい手紙を持ったブロック。

 宛先は、知っている女の子の家で、その女の子への手紙であった。

「この、文字が微笑ましいよね」

 その手紙に書かれた宛先の文字は、小さな子が書いたのがわかる感じであった。

 歪で、稚拙な、たどたどしい文字を使われていたのだ。

「メーイーネーちゃーん」

 ブロックが声をかけると、その子は振り向いた。姿を見ると、十四歳くらいの女の子だ。

 髪は短く切りそろえてあり、活発な印象のある少女である。

「ブロックさん。今日もご苦労様です」

 そう言い、ベランダにいたメイネは、ブロックから、手紙を受け取るために身を乗り出してきた。

「手紙、手紙」

 そう言い、ベランダから手を伸ばしてきたメイネに向けて、ブロックは手紙を渡した。

「身を乗り出すと危ないよ。ポストに投函してこようか?」

「いいです! 早く渡してください」

 ブロックが言うが、頑なにその手紙を受け取ろうとするメイネ。

「君に早く渡したい手紙があるんだけど……」

 そう言い、自分の懐に仕舞ってあった手紙を出した。

「これは?」

 歪な文字で、ここの住所が書かれている手紙を見て、メイネは顔をしかめた。

「ちっちゃい男の子が書いた手紙だね。何か心当たりがあるかい?」

 送り主の名前を見たメイネは、その手紙を開けてみた。

「送り主の名前は、私の友達の男の子になっていますが……」

「へー……ちっちゃい子なの?」

 ブロックが聞くと、メイネはさらに顔をしかめた。

「いえ、私と同い年です」

「どういう事?」

 ブロックは、手紙の暖かさを感じることができると同時に、どんな人物が書いた手紙なのか? も、感じることができる。

「でもこの手紙を書いたのは、どう考えても、小さい男の子だよ?」

 ブロックの能力では、そうとしか感じられないのだ。

「中身を調べてみます?」

 そう言い、メイネは封筒を開いた。

 その中には、やはり、小さな男の子が書いたと分かる拙い文字が書かれていた。


 ごめんなさい、これからもなかよくしてください


 そう一文が書いてあるだけだった。

「その子とケンカでもしたの?」

 ブロックはメイネに向けて聞いたが、メイネは怪訝な顔をしていた。

「あれは、ケンカといいますか……」

 どうも、何かがあったかのような言い方で言うメイネ。

「うーん……これはどういう事か、わかんないね」

 そう言うと、ブロックはハバタキ飛行機を動かした。

「この手紙からは、素敵な事が起こる何かを感じたんだけどね」

 ブロックは、その手紙の文面を読みながら言う。

「それじゃあ、僕は、もう行くね」

 そう言い、ブロックは空に飛んでいった。

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