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ストラスレター  作者: 岩戸 勇太
ニムのタイムカプセル
17/84

ブロックの手紙

「二人共帰ってきたか」

グレッグが言うと、ブロックは二人に向けて振り返った。

ニヤついた顔をしているグレッグは、一枚の手紙を持っていた。

「グレッグが、僕の手紙を読んでくれるそうだよ」

 『本当は、かなり不本意だけど……』と言いたそうな顔をしたブロックが言う。

「まあそうだ。一人だけフロウから降りずにサボってたんだから、これくらいの事は、当然だ」

 面白そうにそう言うグレッグ。


 僕は、本当ならば、今の友達と一緒にいたいです。

 みんな、バラバラになってしまうけど、どうにかしてみんなの事を繋げていきたいです。

 今の僕は、今が一番楽しいと思っています。

 ずっと、この時間が続くように、ずっと、楽しいままでいられるように、そういう事ができるようになりたいです。

 ニムタンスにラタリにグレッグ。ありがとう。

 何年か経って、この手紙を開ける事があるなら。その時は、みんながそろってこの手紙を見る事ができるように願っています。


「お前って、昔からこうだったんだな」

 朴念仁で、空気を読めないくせして、人からは好かれる。そのくせ、人からの好意には気づかない。

 そして、仲間をつなぐ仕事をするため、郵便配達の仕事を選んだ。

 だからこそ、ニムタンスやラタリの好意に気づかないまま、長く友人同士のままでいられるのだ。

「先は長そうね……お互いに」

 ラタリが言うのに、ニムタンスは頷いた。


 次の日、ラタリが、屋敷の絨毯を掃除している所である。

 昨日、地上に降り、土害にさらされて、体のストラを失ってしまったせいなのか? どうも体が重く、動くのがキツく感じる。

「やあ、ラタリ昨日の事を聞かせてもらおうか?」

 そのラタリに、背後から声がかけられた。

「旦那様の思うような事は、ありませんでしたよ」

 顔をザック=レイターから外したラタリは、絨毯の掃除にもどっていった。

「そうはいかないよ。さあ、話してもらおうじゃないか」

 そう言われ、ラタリは渋々話し始めた。

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