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ストラスレター  作者: 岩戸 勇太
ニムのタイムカプセル
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ニムタンスの手紙

「次はこっちの番ね」

 ラタリは、ニムタンスの手紙を読み始める。


 今の私はいくじなしです。

 ブロックの事が好きなのに、そうブロックに告げることができません。


「いきなり大胆な事書くね。これだって捨て置けないな……」

「だから、一時休戦だって……」

 ニムタンスがそう言うと、ラタリは続きを読み出した。


 ブロックと手をつないだりして、一緒に帰りたいです。

 私は、今の意気地なしから、少しは成長をしていますか?

 こんな、もやもやした気持ちを、ずっと抱えながら生きていたりはしないでしょうね?


「見事に、ブロックの事しか書いていないじゃない」

 ラタリはニヤリと笑いながらそう言うと、続きを読み始めた。


 あなたにノルマをかします。

 今のあなたは、ブロックと手をつなぐところまではいけているはずです。できていなかったら、針千本飲ませますよ。


「熱いねー。最後の最後まで、ブロックの事しか、書いてないじゃない」

 最後まで、読みあったニムタンスとラタリは、お互いに、手紙を返しあった。

 ニムタンスは、自分の手紙を読み返すと言う。

「ブロックが、これを読んだら、どうなっていたかな?」

 ラタリは少し考えながら言った。

「あいつの事だから、『困るなー、えへへ』で、終わったかも?」

 ニムタンスはそれを聞いて、答える。

「ありそう、あいつの事だから、結局何も変わらずに終わりそう」

「なら、見せてみる?」と、ラタリが言うが、ニムタンスは「無い無い……」と言って、手を振った。

「やっぱり、こうするのが一番」

「そうだね」

 ニムタンスとラタリは、その手紙をビリビリに破いた。

「こんなもの、消えてなくなれー」

 二人は同時にそういい、紙くずを空に向けてバラまいた。

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