ドールプランツ(揺蓮華人形)2
遅くなりました(;_;)
2013・3・23
内容を一部変更します。
「揺蓮華人形のことを知っているか?」
~~~~~~~~~
「はぁ?」
何なんだ急に…。
「それより、昨日のした…「知っているか?」」
言葉を遮られ、祖父がこの質問に答えるまでは俺の質問に答える気がないことがわかった。
姉に似た押しの強さに、俺はしぶしぶ質問について考えた。
…揺蓮華人形
確か、人の姿をした生き物…いや、植物に近いんだったか?
世態はまだよくわかっていないが、水と砂糖と日光で生きていて、その姿は個体によってばらばら…しかし、非常に美しい姿かたちを持ってるって噂だな。
「知ってる。実際に見たことはないけどな。」
「ほぅ…。彼らについて知っていることは?」
祖父の瞳がいたずらっぽく輝き、俺を早く話せと急かす。
「人に似た姿してるけど植物。で、綺麗ですっげー高い。」
美しい揺蓮華人形は貴族の間でとても人気があり、かなりの高値で取引される。(俺が一生喰うに困らないほど笑)
しかし、なんといってもその数が少ない。揺蓮華人形はその出生についてもわかっていないし、野生の揺蓮華人形なんてそれこそ猛獣の闊歩する森の奥深くを1ヶ月近く探して見つかるかどうかというところだ。
揺蓮華人形で一攫千金を狙う冒険者は多いが、そのほとんどは逃げ帰るか、そのまま帰ってこずに終わる。
「はっはっは!その通り!」
俺の表現の子供っぽさが面白かったのか、祖父が愉快げに笑う。
せっかく答えたのに馬鹿にされたような気がして、俺は祖父に食って掛かった。
「揺蓮華人形何てどうでもいいだろ。それより、俺の質問に答えてくれよ!」
一晩寝たおかげで頭は正常に働いている。
そのため、昨日の状況の異常性は痛い程に感じていた。
昨日見た死体は冷たかったが柔らかく、とてもではないが作り物には見えなかった。
遺体が置いてあって不思議でない場所なんて自分には葬儀所くらいしか思いつかない。
人形館に装飾された美しい死体なんてシャレにもならないじゃないか。
「まぁまぁ。落ち着けライル。
とりあえず今からお前を仕事場に連れていく。話しの続きはお前に仕事を見せてからだ。」
「なんでだよ!」
意味がわからない。死体と、仕事に関係があるとでもいうのだろうか?
まさか、昨日のあれが売り物だとでもいうつもりか!
「良いからついて来い。」
そういっておもむろに立ち上ると、先程入ってきた扉から外に出てしまった。
バレルも楽しげに後ろを付いていく。
「なっ……。」
置いていかれた俺は呆然と扉を見つめる。
結局話をはぐらかされてしまった。
っくそっ!また相手のペースじゃねぇか!!
なんなんだよもう…!
内心で悪態を吐きながらも、ライルには扉の向こうへと消えた二人を追うしかなかった。
ライルは鈍チンです(^^;;