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プロローグ

私が死んだのか、寝落ちしたのか、今でもよくわからない。気づいたら、天井がきらきら光っていた。

「あ、これ絶対うちの蛍光灯じゃない。まずデザインがまとも」

と、最初の感想がそれだったあたり、6社目で心を壊した元社会人としての矜持はまだ残っているらしい。


目をこすると、白衣を着た見知らぬ人たちが私を取り囲んでいた。

「……だ、誰?」

「召喚、成功した……!?」

「え、成功? これ成功なんですか!?」混乱の中、誰かが叫んだ。

「この者こそ、“幸福魔導召喚”の対象だ!」はい?

“幸福”?

どちらかといえば“災厄”寄りの人生を生きてきたんですけど!?「ちょ、ちょっと待ってください、私ただの無職です! 職探し中です!」

「よかった、就労可能だ!」

「違う違う違う! 働くとは言ってない!!」そうツッコミを入れた瞬間、床の魔法陣がぐらりと揺れた。

ぼっ、と一陣の光。「あー! また暴発だ! 明滅制御壊れる!」なんのことかわからないうちに、私は転び、その瞬間――偶然、足元のレバーを踏んだ。ドン、と部屋全体が光に包まれる。……どうやら、爆発寸前だった研究装置を止めたらしい。「……助かった……」

「奇跡だ!」

「いや、これ完全に事故だから!!」こうして、私は王立魔導研究局雑用係(仮)として採用されることになった。


まさか“お願いします”と言っただけで世界が動くようになるとは、

このときの私はまだ知らなかったのだ。

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