表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/6

魔法使いの少年が異世界に迷い込む、そんな話6

渚は夢を見ていた。

声がする。

「……さ」

「ぇ……ぎさ」

「ねぇ渚? どこ行ってたの?」

ハッと目を覚ます。

目に映るのは見慣れない白い天井と丸い照明。

「ゆうと……」

夢で聞こえたゆうとの声。渚は少し寂しくなった。

「おはよう渚、ぐっすりだったね」

部屋に入ってくる馨の声。

渚は体を起こしリビングに向かう。

リビングに入ると馨は朝食の準備をしていた。

机に並べられるトーストと目玉焼きとソーセージ。

焼けたトーストの香ばしい香りとサイドの柔らかい香りが鼻腔をくすぐる。

「おはよう馨、朝食ありがとね」

「簡単なもので申し訳ないけどね」

そう言いながらコーヒーを注ぐ。

「お砂糖はいくついれる?」

「2つがいいな」

ぽとんぽとんとコーヒーに落ちる2つの砂糖。しゅわっと砂糖が溶け出している。

まどろんでるこの体も同時に溶けてしまいそうだった。

「食べよっか」

馨は席に着く。

「「いただきます」」

カリッとしたトーストからバターの香りが溢れだす。パリッとしたソーセージも、とろっとした黄身がとろけだす目玉焼きも、全てが溶けてしまいそうなこの空間をコーヒーの仄かな苦味が現実に戻してくれる。

「「ごちそうさまでした」」

朝食をすませ二人でゆったりとする。

何をするわけでもなく、流れているテレビをぼーっと眺める。

ふと馨が口を開いた。

「渚、昨日どんな夢見てたの?」

夢の話だった。

「夢?」

「うん、なんかいっぱい寝言言ってたからさ、ちょっと気になって」

渚は考える。

「あまり覚えてないけど、僕の世界で仲良くしてた友達に名前を呼ばれたのは覚えてる」

馨は少し寂しそうな顔をした。

「まぁそうだよね、こんなところに来たら寂しくなっちゃうよね」

馨の表情を汲み取った渚の心は複雑な感情に支配されていた。

「僕、ここで楽しんでていいのかな」

「というと?」

馨は聞き返す。

「また、昨日と同じところに行ったら帰れないかなって」

「今から行ってみる?」

まさかの反応に渚は驚く。

「いいの?」

「いいよ、確認して帰れなさそうだったら帰れるまでここにいたらいい。ただそれだけだからね」

馨は笑いながら話し、姿勢を変える。

「てっきり止められるかと思った」

なぜなら馨の目は寂しさを宿していたから。

「僕優しいんだから、ほら、準備しよ?」

「ありがとう」

そう言って二人は外に出る準備をした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ