透明な僕と仮面な彼女
こんにちは!
今回はホラーとは打って変わって青春感動系の小説を書いてみました。
この小説を読んで楽しんでくれたらいいです。
自分で言うのも癪ですがこの小説結構私は好きなんです。いい小説だなぁと思って読んでます。
では本編どうぞ!!
第一章【見えない孤独と戦う僕ら】
僕の学校生活は、透明人間のようだった。
朝、満員の電車に揺られながら、イヤホンから流れる音楽だけが唯一の世界と の接点。周りの生徒たちが楽しそうに話す笑い声は、僕の耳には、退屈なもの だった。学校に着いても、自分の机だけが、世界から切り離されたかのようだ った。 いじめがあるわけじゃない。ただ、誰とも深く関わらないことを選び、教室の 隅で目立たないようにすごしていた。みんなが話しているのを楽しそうでいいな、と何度思ったか分からないほどだった。自分の人生に希望なんて少しもありはしなかった。 そんな日が続いていた中のとある日、隣の席の中村陽菜が、休み時間なのに一人でうつむきながら歩いているのが目に入った。陽菜はいつもクラスの中心にいる人物でいつも周りには友人がいて、こんな僕とは似ても似 つかない人だった。そんな彼女の、一瞬見せた曇った表情が、なぜか僕の記憶 にずっと残っていた。 放課後、僕はいつもどおり図書室に向かった。静かな空間だけが、僕の唯一の 居場所だからだ。本棚の間をゆっくりと歩いていると、読みかけの本を前に、 目を赤くして泣いている陽菜を見つけた。彼女は僕に気づいて、慌てて涙を拭 っていたようだった。 「遠藤さん……」 僕は、上手く喋れなかったがその日、陽菜が授業中に忘れていったノートを 拾っていたことを思い出した。「これ、落ちてたよ」とノートを差し出す。陽菜 は警戒しながらそれを受け取った。 「勝手に……読んでないよね?」 「いや、読んでないよ。」 嘘だった。開いたノートには、プレッシャーや将来への不安がびっしりと綴ら れていた。誰もが「幸せそう」に見える彼女もまた、僕と同じように見えない 孤独と戦っていたことに、僕は衝撃を受けていた。 「ごめん……僕も同じだったから……」 僕の口から出たこの言葉は、自分でも驚くほど正直で綺麗なものだった。陽菜は目を見 開いた。僕は自分の過去を陽菜にほんの少しだけ打ち明けた。僕の 話を聞いた陽菜は、少しずつ心を開き始めたようだった。 「遠藤さんは、いつも一人だなと思ってた」 「中村さんは、いつも楽しそうに見えてたよ」 「それは……私が仮面を被っていたからだよ。本当はね、ずっと息苦しかったんだ。偽りの自分を作って、そのもう一人の自分で人と仲良くなるなんて……」 その日から、僕たちの秘密の場所は図書室となった。僕たちは放課後に図書室の隅っこの席で、互いの悩みを何度も打ち明け合った。
陽菜の存在によって、陽菜は俺の静かな
優しさによって、互いの存在が唯一の心の拠り所になっていた。
第二章【小さな勇気】
しかし学校生活は、そんなに甘くはなかった。
二人が仲良くしていることがクラス中で噂になり始めた。「あの暗い遠藤と、陽菜さんが付き合ってるらしいよー」
「えっ本当?嘘でしょー」といった心無い言葉が耳に入ってきた。
ついに陽菜の友人達までもが
「あんな陰キャが好きなのーやばー」
などと冷やかしてくるようになった。
酷い時は図書室にニ十人ほどが集まったこともあった。
陽菜は「理想の中の自分」と「本当の自分」のギャップに苦しんだ。
僕といることは心地よかったみたいだが、人前ではまだ心を開けなかった。僕も、自分の行動のせいで彼女を傷つけてしまっているのではないかと無力感に襲われていた。
僕たちは再び距離ができてしまった。
文化祭の前日。陽菜は学校を休んだ。LINEを送ったが既読がつかない。
迎えた文化祭当日。今日は陽菜は来ているようだが、一度もみんなの前に姿を現さなかった。
クラスは出し物の準備で活気づいていた。だが俺は一人、途方に暮れていた。その時、担任の田中先生が声をかけてきた。
田中先生は、「いつも生徒たちを信じているよ」と言ってくれる唯一の先生だった。
「遠藤さん、言葉にできない想いは行動で示せばいいんですよ。」
田中先生のその言葉が、僕の背中を強く押してくれた。熱血教師でもない、ごく普通の先生の一言だったからこそ、僕の心に大きく響いたのかもしれない。
僕は、クラスの出し物であるステージ発表の司会役をやることになっていたが人前で話すのは苦手だった。でもこの時だけは違った。マイクを握る手が震えたが腹の底から声を出した。
最終章【世界の片隅に出来た小さな希望】
「あの、今日はみんなに伝えたいことがあります」静まり返っている会場。
僕はどもりながらも一生懸命話し始めた。
「僕は、ずっと一人ぼっちでした。誰とも関わら
ず、この世から弾き出されているような気分でした。でも!陽菜が!……中村さんが教えてくれたんです!一人じゃないんだって!」
観客席にざわめきが起こる。
「早く出し物みたーい」や「遠藤の話とかマジでどうでもいいわ」などの声が聞こえてきた。
だけど僕はそんなの無視してまた喋り出した。
「完璧じゃなくてもいいし無理に笑ったりしなく
てもいい!全部一人で抱え込まなくてもいいんだよって!僕は、中村さんがいた事で救われました!これで話は終わりです。では出し物を披露しましょう。」
だが誰も動いたりしなかった。僕の言葉は、クラスメイトの心に響いたようだった。会場はまた静まり返る。
陽菜はその言葉を隅の方で聞いて涙を流していた。その後文化祭の出し物が始まった。
そして陽菜が出る演劇が始まろうとしていた。
彼女は仮面を外す決意をしステージへ上がった。彼女の目は光輝いていた。
陽菜はもう、あの痛々しい仮面を被っていなかった。心の底から演技をし過去最高の演劇を披露した。
そして文化祭は終わった。
ステージから降りた時、僕は陽菜と目があった。その時彼女は仮面を完全に外し心の底から笑っていた。
こんな小さな事で世界が変わる事はない。だけど、確かに僕の中にも、陽菜の中にも、そしてクラスの中にも、小さくて透き通った希望が生まれていた。僕はもう透明人間じゃない!
明日からの学校生活は希望に満ち溢れている。
(完)
透明な僕と仮面な彼女を読んで頂きありがとうございます。
初めてのジャンルなんですがどうでしたか?面白いと思ってくれていたらいいんですが。
このジャンルもいけるとなったらもうたくさんのジャンルの小説書くので楽しみにしててね!!
この小説読んでくれてありがとう!!




