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転生図書館その7

知ってるかい?

前回は分量的には2話分ぐらいあったのに、社会的地位が決まっていないんだぜ。

結局、決め手になりそうな項目は見当たらなかった。


「ポイント重視でスラムで行くか…」


 別にずっとスラムで暮らしていく必要は無いわけで、『装備』でポイント低めの資金を選び、速攻で冒険者登録して(登録料に銀貨3枚ほどかかるらしい)オサラバすれば問題ないはず。

 

「宿に2・3日泊まれる資金も必要か…」


 それでも魔法が使えるわけだから(あくまで予定だが)、武器や防具を用意する必要が無いのが強みだ。そこまで思考が到達して気が付く…


「あっ、そうか、俺、ハイエルフになるんだった…」


 ハイエルフで、魔導師で、スラム民…


「無いな」


 どこまで落ちぶれれば、魔法の専門家と言える存在がスラムでうらぶれるというのか?


「まだ逃亡奴隷の方が説得力があるな」


 しかし、この表記だと奴隷紋は消えていないようだし、結局は所有者ガチャを引く羽目になる。

連れ戻されて鬼畜な主人と対面したくないしなぁ。


「そういえば、義賊の項目がなかったような…」


 犯罪者の項目で、別扱いと表記のあった『義賊』は選択できないのだろうか?

そう考えたとき、転生の書が1ページめくれた。


『村落と都市で評価の違うもの』


□ 義賊(△10) 敏捷+1  潜伏+1、逃走+1、変装+1

 悪人から盗み、民に施す。弱きを助け強きを挫く。どこの誰だか知らないけれど誰もが皆知っている。

 村人からは英雄のように尊敬されているが、都市の富裕層からはガチで嫌われている。


 「光あるところに闇もまた生まれる。闇が光を飲み込もうとするとき、正義の刃が闇を裂く。人それを『天誅』と呼ぶ」

 「「「 誰だ?! 」」」

 「貴様らに名乗る名前は無い!」



□ 隠者(5) 知力又は精神力+1  知識系スキルから2つ選んで+1(上限ランク5)

 人里から離れた場所に隠棲した者。その見識から、村人からは頼りにされている。しかし市民から見れば、ただの世捨て人である。


 「先生!村の周囲に猪が増えて、作物に被害が!」

 「よしよし、冒険者ギルドに依頼したらよろしい」

 「先生!うちの息子が森の奥に入ったまま三日も戻ってきません!」

 「そりゃ良くないのう、冒険者ギルドに探索願いを出すんじゃ。急ぎでな」

 「先生!村の近くにゴブリンが巣を作ったみたいなんで!」

 「なんじゃと、それが確かなら村の危機じゃな…うむ、ここは冒険者ギルドに依頼するべきじゃろう。できればゴブリンスレイヤーを回して欲しいと、但し書きをつけてな」



□ 大道芸人(0) 敏捷+1  楽器演奏、歌唱、早業、投擲、体技の中から1つ選んで+1

 路上で芸を披露して日銭を稼ぐ流れ者。都市では数少ない娯楽として認めら得ているが、村落では流民と混同されて厄介者扱いである。


 「さあさあ、お立会い!ここなる道化師が皆様に、あっと驚く妙技を見せるよーー、さあお立会い!」

 「さあ、良く見ておくれよ、今から片手で逆立ちしながら、横笛を吹き、リンゴをお手玉しながら、歌を歌って、ナイフを投げて的にあてるよ!」

 「…いや、団長…それオイラ一人じゃ無理ですって…」

 「…馬鹿野郎、死ぬ気でやるんだよ。お前以外は夕べの晩飯で腹を下して身動できねえんだ…食事当番のお前が責任とって5人分の稼ぎをあげるんだよ…」

 「…そんな無茶な…」



 なるほど、場所によって扱いの違う項目ということか。

 義賊が罠に嵌って怪我を負い、納屋に逃げ込んだところを見つかった場合。

 村落なら黙って見過ごすか、スープの1杯でも差し入れてくれそうだ。

 しかし都市なら、衛兵に密告されるのがオチだろう。

 大道芸人も、市民なら小銭を投げてもくれるだろうが、村落にはそんな余裕はない。子供を油断させて攫おうとする輩に見えても仕方ない。


 「両方の評価が合わさってのコストということか」


 けれども、全体的にみれば悪くは無いか…

 隠者は田舎に住めば良いし、大道芸人は都会から離れなければ問題ない。

 まあ、義賊は田舎にずっと居たら商売あがったりだろうから、せめて都市内で捕縛されないように立ち回るしかないが。


 「この中なら隠者が俺にはあってるかな。」


 コストは抑え目で、能力値、スキルともにシナジーが高い。なによりハイエルフが引き篭もりするのに最適な立ち位置である。


 「むしろ隠者でいいんじゃないかな」    なんてね…



 司書のやる気が下がった。



 「うおっ、聞かれてた!」


 司書の図書館イヤーをなめてた…恥ずかしい…


 「図書館内での大声、飲食、下手な駄洒落禁止」


 

 おやじギャグは禁止らしい……



 気を取り直して…ここらで、おさらいをしておこう。



 現在のステータスが、


 筋力12 体力12 敏捷力13 知力15 精神力12 魅力13

植物知識3 動物知識3 鉱物知識3 世界知識1New 算術4 教育4 錬金術3

装備なし 所持金なし カルマ195


である。


ここに種族 ハイエルフ(50)→(10)

 筋力-2、体力-2、敏捷力-1、知力+2、精神力+2、魅力+2

元素魔法(水、風、土)+1,高位精霊魔法(光)が+1、魔法知識+2、古代知識+2、宗教知識+2、

魔力増強+2、魔力制御+1、詠唱短縮+1、聞き耳+1

■草食昆虫食のみ(△15) ■非金属武具のみ(△15) ■エルフ以外と同行しない(△20)


職業 魔導師(35)→(5)

 筋力-1、体力-1、知力+1、精神力+1、魅力+1

元素魔法x2が+1、高位精霊魔法x2が+1、古代魔法のどれか+1、魔法知識+1、古代知識+1、その他の知識から1つ+1、魔力増強+1、魔力制御+1、詠唱短縮+1

■武器は杖のみ(△15) ■防具はローブのみ(△15) ■弟子は一人のみ(△10)


社会的地位 隠者(5) 知力又は精神力+1  知識の中から2つ選んで+1


となる予定だ。


 実際、種族と職業のコストは(0)まで持って行きたかった。

 しかしハイエルフで『エルフ以外に協力しない』を選択すると、魔物に襲われて死にそうな人を助けることも出来なくなりそうで怖かったのだ。

 『草食昆虫食のみ』は良いのかって?これでも偏食には慣れているからいけるだろうと踏んでいる。

ちなみに過去の記録は、4日間カロリーメイトとポカリだけで過ごしたことがある。

 体調は悪くはならなかった。流石の栄養バランスである。少し太ったまである。


 魔導師も、従魔か使い魔を選べば(0)にできる。

 しかし弟子よりもキャッシュバックされるコストが高いということは、逆にいえば魔導師にとっては厳しいということだ。

 従魔なら一体でもいけそうな気もするが、装甲が紙で耐久が細枝な身としては、盾になってくれるモノは多いに越したことは無い。弟子を肉壁にするのは流石に躊躇するので…






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― 新着の感想 ―
[良い点] おい隠者w 全部冒険者ギルドに投げるなよw [一言] >「貴様らに名乗る名前は無い!」 ロ○兄さん!?w >司書のやる気が下がった。 何処の副会長な女帝さんですかねぇw
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