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ロジハラ幼馴染がクンカーの変態で俺の衣類をオカズにしてるってマ?  作者: ミソネタ・ドザえもん


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テニスウェア料金制度

仕事が忙しく、気付けば一週間程放置してました。ごめんね?

 スポーツ用品店に入店してから三十分くらい。あの変態を置いて一人でラケットを見回っていたが、さすがにそろそろ飽きてきた。

 大きめのため息を吐いて、あの変態を迎えに向かった。壁際のラケット陳列ゾーンから回れ右。棚に陳列されたテニスシューズを見送って、ハンガーに色とりどりのテニスウェアが架けられた場所まで歩いた。


「おい、そろそろ決まったか?」


 呆れた声で、俺は結衣に尋ねた。


「え? まだだけど」


「なんで当然でしょみたいな言い振りなんだよ」


 本当こいつは、テニスウェアのことになると常識が通じない。ただよく見れば、結衣の持つカゴの中には丁寧に畳まれたテニスウェアが数着重ねられていた。


「そんなに買うの?」


「当たり前でしょ」


「当たり前なの?」


 正直、買うのは一着二着の話だと思っていた。まさかそんなに買い込むつもりだったとは。これ、俺の好みを聞く必要ある?


「なんでそんなに買う必要あるんだよ」


 まあ一先ず、言いたい文句を口にすることにした。


「あんたバカぁ?」


 ただどうやら、結衣曰くこれは当然の成り行きらしい。怒り顔のこいつから察することが出来た。


「あたしの分とユウキの分。一日二着を着回すのに、あんたの家にあるテニスウェアだけだとヘビーローテーションになっちゃうじゃない」


 ナチュラルに俺の棚に収納されたテニスウェアの種類把握してるの怖い。


「いい? テニスウェアを着回すにも、ある程度の間隔を空けた方がいいの。洗濯の回数が減ればほつれの軽減にもなる。使用する回数が減れば持ちが良くなる。だから数着買うんじゃない」


「なるほどわかった。でもさも当然だろ、みたいに胸を張るなよ」


 そう指摘したら、結衣は余計に胸を張って俺を挑発してきた。


「とにかく、だから今日は合計十着は買うから」


「十着!?」


 多い。

 思わず度肝を抜かれた。


 ……まあ、ここまで来たらその枚数の多さに辟易するのも時間の無駄だ。ただ一つ、どうしてももう一つ心配事があった。


「お前、財布の中身は大丈夫なの?」


 十着って、一枚二千円のテニスウェアを買うとしても二万円だぞ?

 ここまで結構遊んだし、そんな大金、まだ残っているのか?


「大丈夫」


 そんな俺の心配は無駄と言いたげに、結衣は微笑んでいた。


「しっかりおばちゃんにお金もらって来てるから」


 おばちゃん。

 つまり、俺の母親だ。


「なんで?」


 今日のお出掛けに際し、母は俺に一銭だって費用を提供してくれなかった。

 なのに、なんでこいつにお金を?


「テニスウェア料金制度よ」


「なるほど」


 これで大体わかってしまうのだから悲しい。


「つまり……お前が俺の着るテニスウェアを買いに行く時は、事前申請すれば俺の親からお金が下りると」


「まあね。あんたのテニスウェアを買うの、あたしだけだし」


 そりゃあ俺の部屋の棚の中のテニスウェアの種類も当然把握しているよなあ。

 お前が全部買ってたの、だなんてそんなことではもう動じない。


「ちなみに、事後申請も受け付けられるよ」


「融通が効いていいね」


「ただ第三者であるお母さんが買いすぎを咎めてくるから、そっちの方で忖度しないといけないの」


 しょぼんとする結衣に、慰める気は一切沸いてこなかった。


「……わかった。じゃあさっさと十着見繕って帰ろうぜ」


 正直、そろそろ飽きた。


「駄目駄目。まだ吟味の途中だよ」


「吟味って……俺の好みがどうの言ってたのに、俺は介入させてくれないじゃないか」


「はあ。アキラ、あんたテニスウェアに一番重要なのはデザインだと思ってるんじゃないの?」


「え、違うの?」


「違うに決まってるでしょ。テニスウェアに一番重要なのは、素材と加工方法と原産国に決まってるじゃない」


「いや知らない」


「汗をどういう風に吸収するか。香りを閉じ込めるのかどうなのか。そういうのは素材と加工方法で決まってくるの」


「……原産国が絡んでねえぞ」


「あら、気付いた?」


「気付きたくなかったけど……」


 つい。

 思わず。


 口走ってしまった。


 語りたそうに目を輝かせる結衣に、思わず大きめのため息を吐いていた。


「ま、それを語ると原稿用紙おおよそ二十枚分になるから今日は止めておくわ」


「そうして」


 この言い振り、さては論文形式で一度まとめたことがあるな?


「まあとにかく、そういうわけで今あたしはテニスウェアの素材、加工方法、原産国確認で忙しいの。あんたにデザインを見てもらうのはその後」


「タグ見てわからねえの?」


「わからない。一着一着手触りで具合を探って、それで見繕ってるんだから」


「職人技だな」


 全然羨ましくもないけど。


「今までの経験則だと、あと二十分くらいはかかるから……もうちょっと待ってて」


「じゃあ、どっかで休んでていい?」


「うん。じゃあ終わったら電話で呼ぶ」


「そうしてくれ。……なんか飲みたい物ある?」


「嗅ぎたい物ならある」


「はいはい」


 相変わらず、花より団子よりテニスウェアな女である。

 ブレないこいつについつい辟易としながら、俺は休める場所はないか店内を散策した。

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