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ロジハラ幼馴染がクンカーの変態で俺の衣類をオカズにしてるってマ?  作者: ミソネタ・ドザえもん


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ご飯

 駅に隣接された老舗百貨店の中を物色するように巡って、交番の前に出た。それから有名ジャンクフード店を過ぎて、橋を渡って、家電量販点を過ぎていき、行き着いた先はラーメン屋だった。どうやら、少し早めだがお昼ご飯にするそうだ。


「あんた、最近ラーメンにハマってるんでしょ?」


 加奈に聞いたのか、結衣は言った。


「ああ、そうだな」


 同意はしたものの、最近はテニスの練習に時間を費やしているためにラーメン屋にまで出向いてラーメンを食べる機会は減っていた。


「たまの休みなんだからさ。やっぱり好きなもの食べないとね」


 微笑み、結衣が言った。


「そりゃどうも。でも、お前は良いの?」


「何が?」


「ラーメン屋だなんて、女の人は入り辛いだろ?」


「あー、まあ、気にする人はいるよね」


「お前はしないの?」


「あんまり」


 返事を聞いてから、まあ確かにテニスウェアのフレーバーを布教するような人だしなあ、と思った。


「でも、食べきれるかは自信ない」


 ただまあ、一抹の不安はあるようだ。


「食べきれなかったら、残り食べてね」


「えぇ……」


 それ、残飯処理を任されたみたいで嫌だなあ。


 ……それにしても、結衣の選んだラーメン屋の盛況っぷりは中々のものだった。


 そこそこ広い歩道と店の軒先に、実に三列になってお客が並んでいた。

 結衣が説明してくれたが、いわくこのラーメン屋は有名系列の元祖店なのだそうだ。だから、休日にもなるといつも通行人の邪魔にはならないようにはするものの、このくらい混むらしい。


「電車の遅延でプランも崩壊したし、憂うものは何もないねっ」


 快活そうに意味不明なことを結衣は言った。


「いや、ずっと突っ立って待つにも限界があるぞ」


 注文が多い厄介な客は、俺。


「大丈夫大丈夫。混み入るのはいつものことだからお店も無対策なわけないから。回転率はかなり早いそうだよ」


 なんだかんだ、ちゃんとリサーチしている結衣に驚きを隠せなかった。

 それくらい俺を労ってくれる気持ちに溢れているだなんて、涙を禁じえない。


 最近はと言えば、ずっとトラブルメイカーの対処に追われていた。

 それにより大会で好成績を収めるという副産物もあったとはいえ、同じような問題児を一人追加されるような悪夢まで体験していたし……正直、とてもありがたい気持ちだ。


 結衣の言う通り、ものの三十分くらいで色付きの食券を買い、店内へと入れた。俺が頼んだのはラーメンとライス。結衣はラーメンのみ。

 ラーメンの希望を聞かれたので、麺のみかためにしてもらうことにした。


「予定より早く入れたよ」


 隣で、結衣が嬉しそうに笑っていた。


「それは良かった。電車の遅延分は取り戻せそうか?」


「うん。ただ、あんまり時間のことを気にするのもつまらなくなるだけだし、マイペースに行こうね」


「……そうですね」


 少しだけ、いつもと様子が違う彼女に気持ちがかき乱されたが、堪えた。

 少しだけ待って、まもなくラーメンが店員から運ばれてきた。


「いただきます」


 手を合わせて、ズルズルとラーメンを食し始めた。

 有名系列の元祖店。その名に恥じない、美味な味だった。一足先に、ラーメンとライスを俺は平らげた。

 ふと隣を見ると、結衣も大層美味しそうにラーメンを啜っていた。


 ただ、当初に心配をしていたように、半分くらいを食べたところで露骨なペースダウンを見せた。


「食べる?」


 結衣は、俺の視線に気付いて尋ねてきた。


「食べれない?」


「うぅん」


 微妙な様子らしい。

 結衣はもう一口、ラーメンを口に運んだ。


「……うん。残りはいいよ」


 どうやら限界らしい。

 さっきは残飯処理だなんだと思ったが、露骨に俺は食い意地を張っていた。これだけ美味なら、残飯でもなんでも喜んで平らげる所存だった。


「ありがとう」


「いいえ」


 微笑む結衣にお礼を言って、残りを食べさせてもらった。

 満腹感に満たされる中、ふと思った。

 こいつの性癖に対する対応も、この満腹感みたいなものなのかもしれないなあ、と。つまり、幸福ってことだ。


「ごちそうさまでした」


 満足した俺達は、お店を後にした。

 お店を出ると、さっきよりも伸びた列が店前に並んでいた。


 どうやら、少し早めのお昼ご飯は大正解だったらしい。


 俺の前を歩いていた結衣が、背筋を伸ばしていた。奥に覗けるランドマークタワーと一緒に写真を撮れば、映えとか狙えそうな情景だと思った。


「じゃ、歩こうか」


 後に続く俺の方を振り返って、結衣が言った。


「……歩く?」


「うん。あのランドマークタワーの方に向かって」


 特徴的なタワーを、結衣は指さした。


「食後の運動」


 なるほど。


「距離はどれくらい?」


「約三キロ」


「意外と近い」


「遠近感狂うよね」


 結衣は、苦笑して言った。

 少しだけ、内心ホッとしていた。ランドマークの方まで歩こう、だなんて、まさか運動、つまりは汗を掻かせる気かと思ってしまったのだ。

 いつも通りのフレーバー探しではなく、どうやら良心での誘いだったらしい。


 まあ確かに。

 清々しいくらいの良い天気の日に、お日様の光を浴びながら数キロの散歩をするのはとても健康的なことだよなあ。


 疑ってごめん。


「じゃあ、行こうか」


 歩き出した結衣に、俺は続いた。

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