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ロジハラ幼馴染がクンカーの変態で俺の衣類をオカズにしてるってマ?  作者: ミソネタ・ドザえもん


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疑り深い男

 デート、とは。

 好意を持った男女二人が日時と場所を決めて会う行為。


 今さっき結衣にこれから俺達がするお出掛けはデート、と言われた。困惑する頭で、気付けばスマホを操作してデートの定義を調べてしまっていたのだ。


 その結果、思うこと。


「すまん、テニスウェアで来た方が良かったか?」


 色々と思うところはあったが、何より思ったことは……こいつが好意を持っているのはテニスウェアだし、テニスウェアさんと一緒に来た方が俺は良かったのではないかというこいつへの気遣いだった。


「はあ?」


 そしてそんな俺の気遣いは、結衣を困惑させたのだった。

 口をあんぐりと開けた結衣に、俺は一瞬びくっと体を揺すった。


「なんでデートにテニスウェアを着てくることになるの?」


「なんでって……」


 なんでやろなあ。

 多分、こいつに突然デートに誘われたばかりに、こいつ以上に俺は頭がおかしくなっているのだろう。


 気付けば俺は黙りこくっていた。


 呆れたようにため息を吐いたのは、結衣だった。


「デートにテニスウェアを着てくるだなんて、壊滅的なセンスね」


「いや、着てきてないけどね?」


 思わず突っ込んでしまった。

 善意で言った言葉だったのに、そんな頭ごなしに否定されるだなんて。そもそもこいつ、崇め奉るテニスウェアにそんなこと言っていいの?

 お前にとって信仰の対象のテニスウェアってその程度の存在だったの?


 文句を言いかけたが、少し考えるとこれ以上テニスウェアに執着すると本当に着て来いと言われかねないと思って、俺は再び黙ることにした。

 思えば、テニスウェアを着なくて良い、と言われている現状は俺にとってありがたい展開だった。


 ただそうなれば……こいつ、今回一切の邪念なく俺をデートに誘ったことになるんだけど。


 少しだけ、俺の顔が熱い。


「あれれぇ? 何々、何照れてるの?」


 一瞬で隣の煩わしい女に見抜かれた。そういうところ目ざといよね、この女。


「いやさあ、思えばこれまで女の子とお出掛けした記憶とかないんだよな」


「デートね、デート」


「強調すな」


 そんなに強調されると、余計照れるわ。

 

 ……しかし、不思議だ。

 テニスウェア以外のことでこいつがこれまで我を見せる機会って、これまであまりなかったんだよな。

 こいつは基本的にはロジカルハラスメントをするような正しい女。だけど、裏では私利私欲(テニスウェア)のために努力を惜しまない残念な女。


 そんなこいつは、私利私欲のために我を見せることがあっても、それ以外の場面ではここまで喧しいことも滅多にない。


 つまり、何が言いたいか。


「お前、どんな裏があるんだよ」


 邪念。

 どうにもデートを強調するこの女に、俺はどうせまた良からぬことを考えているに違いないと高を括るのだった。


「なっ!」


 目を丸くして、結衣は怒りだす。


「折角こっちが最近のあんたの頑張りを労うために一緒に出掛けようって提案したのに、その言い方はないんじゃない?」


「アハハ。またまたぁ、そんなこと言ってどうせまた好みの香りのテニスウェア生成のために俺を嵌めるんだろう?」


 いつもみたいにさ!!!


 ……はて。


 でもこいつ……思えば、今さっき俺にテニスウェア着てこなくて良いって言ってくれたんだよな。

 テニスウェアを俺が着ない。それはつまり、極上な香りのテニスウェアが手に入らないってそういうことだ。


 あれれぇ?


 もしかして、本当にテニスウェア目的じゃないのか?


 慌てて結衣を見ると、彼女はふくれっ面で俺を睨んでいた。

 乾いた笑みを俺は浮かべた。


「ま、良いけど」


 フンッと結衣がそっぽを向いた。


「……悪かったって」


「別にぃ? あんたがあたしのこと、テニスウェアしか興味のない女って思っているって、よーくわかったわ」


「おおっ、よくわかったな」


「ね。さすが数週間あたしの趣味嗜好のために振り回されただけはあるよ」


「同調すんな」


 俺が咎められる流れだったのに、気付けばこいつの異常性が際立ったんだけど。

 まあ、そこで同調する程度には俺に対して怒りの感情はなかったのだろう。


 日頃の行いがあれだもんなあ。


「まあ、安心してよ」


 明るい笑顔に戻って、結衣は続けた。



「今日は一日、あんたの日頃の疲れを労うために頑張るからさっ!」



「……おお」


 なんだかこいつが献身的な言葉を言ってくれると……テニスウェアが絡んでいない場合は、照れてしまうな。


 テニスウェアが絡んでいる場合は、こいつの強欲さに呆れ以外の感情は無くなるのだが。


 狂信的な崇拝を見せるテニスウェアそっちのけで俺に尽くす、だなんて言われると……背中がむず痒くてしょうがない。


「で?」


「はい?」


 唐突な結衣の問いかけに、俺は首を傾げた。


「折角あたしがデートであんたのこと労うって言ってるんだよ? 何か言うこと、あるんじゃない?」


 何か言うこと……ねえ。


 例えばそれは、感謝の言葉か。

 いやでも、まだデートも終えたわけでもないのにそれは早い気がする。


 であれば、ここでするべきは……。


「よろしくお願いします」


「うん。任せて」


 丁寧に頭を下げると、結衣の快活な返事が返ってきた。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 今後に期待。 [一言] 今後の展開楽しみです!待ってます。
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