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パン作りタイムです

「洗い物よし!洗濯物よし!」


麻袋のまま台所に運べる量ではなかったので、ひとまず小分けにしてキッチンへ持ってきたお米と小麦粉の前で仁王立ちしています。


お米は形だけで見ると、楕円形で胚芽の部分が欠けており、今まで使っていたものと大差ないように見える。


小麦粉は少しだけ茶色がかっている…かなぁ?

小麦粉の種類によって、中力粉、薄力粉、強力粉とあるようだけど、見た目じゃわからないなぁ…こればっかりは使いながら確かめていくしかないか。

といっても普通の料理以外に、小麦粉で私が作れるものと言えば、パンかうどんくらいだけど。


「お米は普通の水加減で、炊飯器で炊いてみるとして…。問題は小麦粉だよねぇ」


マリーさんのところに行くにはまだまだ時間があるし、ベーシックにパンでも焼いてみようかな。

キリの話じゃお米はあんまり食べないみたいだし、パンなら昨日の朝食にも出てきたので、こちらの世界でも一般的なはずだ。

そういえばあのパンをしっかり食感で、少し酸味があった。

天然酵母のパンはあんな感じだって言うけど…。


「膨らみ具合も見たいから、何も入ってないやつでいいか」


パン作り、忙しくて今まであんまりできなかったけど、実は結構好きなんだよね。

お店のパンにはかなわないけど、焼きたて食べるのは断然おいしいし、捏ねてる間は無心になれるし、複雑なのはできないけど、後混ぜたり成形するのも楽しいし!


「本当は強力粉と薄力粉混ぜるんだけど、1種類しかないので全量これを使いまーす!」


測りにボウルを乗せ、そのまま小麦粉を入れていく。

昨日はずっと作る過程を説明しながらだったので、独り言が多い気がするわ…。


お砂糖入れ、塩とドライイースト離した場所に入れる。

昨今のドライイーストはさらさらっといれればそのまま使えるし、優秀だ。

どんな小麦粉であってもこの力で何とか膨らませて欲しい…!


お湯と牛乳同量混ぜて、大体人肌ぐらいの温度になったら、ドライイーストめがけて注ぎ込んでいく。


「最初は手にひっつくから、菜箸でぐるぐると〜」


粉歩さがなくなるまで混ぜる。

大体ひとまとまりになったら、まな板に出して、バターを練り込みながら手でこねる!

バターがヌルヌルしてまとまるのか不安になるけど、溶けて混ぜ込めば必ずまとまるので、根気よく叩いたりのばしたり…。


表面がつるんとしたら、丸めてボールに戻してラップをかける。

本当は温度計とかで発酵に適した温度にしたほうがいいんだろうけど…。

経験上、人が心地良い温度はパンにとっても発酵するのにちょうどいい温度だと思うので、このままキッチンに置いておけばOKだろう。

もっと寒い時は布団かけてあげたり、でっかいビニールに、カップに入ったお湯と一緒に、ボウルに入れた生地を突っ込むと言う方法もあります。


そういえば、私の世界では11月だったけど、ここは今いつ位の季節なんだろう?

外はカラッと乾燥してよく晴れている。

パジャマのままだと結構寒い感じ…体感としては私と同じ位の時期?


キリは、冬の間ほど色の量が少ないと言っていたから、やっぱりここも冬なのかしら。

真冬、と言うほど寒くもないのだけど…いかんせんこの部屋も、マオの部屋も、場内すら魔法の力なのか何なのか、むちゃくちゃちょうど良い気温なのだ。

何なら今日初めてベランダから外に出て、思いのほか寒くてびっくりしたくらい。


「一次発酵は、この気温なら50分もしたら十分かな」


タイマーをセットしてリビングへ。


「さて、ヒマである!!」


マオは事あるごとに、私が料理してるの、無理してるんじゃないかと心配してくれるけど、むしろ部屋から出れないこの状態で何もすることがないとか、それもう軟禁だから!

もともとテレビっ子ではないけれど、この環境で外からの情報が何もないのはなかなかきついわけですよ!


そう思うとオピスやキリの存在はありがたいし、マリーさんとも是非仲良くなりたい。


「昨日焼いたパウンドケーキ、喜んでくれるかなぁ」


今日使った小麦粉でパン作りが上手くいったら、今度はお菓子にもチャレンジしてみよう!


手持ち無沙汰になって、部屋を見回す。

こんなことになるんだったら、なんかしらのアナログな娯楽を用意しておくんだった…!

いやこの事態を予測できる人なんか居ないからしょうがない。

今あるもので、更に欲を言えばこちらの世界にも役立ちそうなもの…と思っていたら、リビングの隅っこに設置した本棚に視線が止まった。


「そういえば買って満足しちゃったレシピ本がこの辺にごそっと…」


2冊ほど取り出してパラパラと眺める。

この本なんか、キリが作って提供してるランチの参考になりそう。

しかし言葉は通じるのに、文字が通じないのは不思議だ…というか不便すぎる。


「この本なんか、そのままキリにあげちゃってもいいのになぁ」


今度オピスにでも相談して、どうにかしてこっちの言葉を覚えられるようにがんばろう!




お読みいただきありがとうございます。

誤字脱字、ご感想などありましたら、教えていただけると嬉しいです!

お気に入りに登録してくださった方々、本当にありがとうございます(;▽;)

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