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自分の家の探索です


「マリーさんにお願いしたら、マオの部屋も綺麗になるかなぁ」

「あー、なるんじゃないかな。…おれの部屋ってそんなに汚い…?」

「うん」


汚いっていうか古い!今夜はキリが夜ごはん食べに来るとして、オピスが戻ってきたら4人でしょ?そうするとテーブルに2人、ソファに無理やり詰めて2人でもうギリギリだし…。

マオの部屋には一応大きいテーブルも椅子もあったから、できればそっち使いたいんだよね。


うちのお掃除グッズで果たしてあの部屋が綺麗になるかどうか…と思っていたけど、こんなときこそ魔法の出番ではないのでしょうか!?

シーツはともかく、マットレスとかもうどうしたらいいか分かんないし!


「明日、マリーさんのとこ行ってお願いしてもいい?」

「マリーなら大丈夫かなぁ」


ぽりぽりと頭を掻きながらマオが答える。

お願いごとするなら、久しぶりに甘いものでも作って持っていこうかな〜。


「ていうかマオさ、部屋汚れてるの嫌じゃない?」

「そんな汚いと思ったことないけど…。そもそもあの部屋っておれとオピスくらいしか入らないからね。ここんとこ何年も寝てないし」

「魔族って寝なくても平気なの?」

「魔力切れしなきゃヘーキ」


またしても新事実。この世界ではつくづく魔力至上主義なんだなぁ…これは一刻も早くお米と小麦粉とか、主食もこっちの世界のものを使えるようにしなくては!


まぁ、いつまで居られるのか、いつ帰れるのかも分からないんだけど、一宿一飯の恩義というか、守ってもらっている立場で、なんにもお返し出来ないというのは性にあわない。


「おれ仕事に戻るけど、ハナちゃんどーする?」

「うーん、私はこの家の中いろいろ調べたいなぁ」


何ができて、できないのか。冷蔵庫の中身は勝手に補充されて、私が欲しいものが入ってるみたいだけど、例えば洋服とか日用品はどうなのかとか。


あとお風呂にも入りたいし、着替えたいし…。


「おれ部屋には居ないけど、絶対1人で外に出ちゃダメだよ。魔石も作動してるし、大丈夫だとは思うけど…まだまだハナちゃんには不確定要素が多いからね」

「うん、この部屋の中にいるよ。マオとオピスも夜ごはん一緒に食べる?」

「食べる!夜までに仕事終わらせてくるから!」


そう言うや否や、マオはマントを引っ掴んで部屋を出ていった。

魔王のお仕事って具体的になんなんだろ?世界征服とかではなさそうだし…もしかして普通に法改正とか外交とか税金の徴収とか??


「さて、キッチン以外も見てみようかな」


まずは寝室。キッチンの冷蔵庫と同じ仕組みなら、例えばこの洋服が欲しい!とお願いしながら開けば、希望のものが入ってたりするのだろうか。


以前、美容院で暇つぶしに捲っていた雑誌に載っていたコートを思い出しながらクローゼットを開けてみる。


「やっぱりそう都合良くはないかー…」


元々大して着道楽でもない私のクローゼットは、元の世界と変わらず殺風景なままだった。


なんかこう、お高いブランド物とかね?あんまり詳しくないけどね?でもこっちの世界に無いブランドなんて身につけても何の価値もないか。


乏しい私服の中から、こちらの世界でも浮かなさそうなものを見繕う。オフィスカジュアルなものは暫く着る機会がなさそうだ。


トレーナーとジョグパンツを引っ掴んでリビングへ。

テレビは付かない。スマホもダメ。時計は動いているようで、こちらの世界の正確な時間は分からないけど、日の上り方からすると概ね合っていそうだ。


「とにかく向こうの世界と繋がれそうな電化製品はダメって感じか…」


電子レンジやオーブントースターは使えるし、蛍光灯も点くから電気が通っていないわけじゃないらしい。電気代とか水道代とかどうしてるんだろ…?


キッチンはぐるっと見たけど、冷蔵庫だけじゃなく米びつや調味料、食品ストックの棚も中身が減らないのがありがたい。

それと1番嬉しかったのが…。


「いでよ!ちょっとお高いアイス!」


そう願って冷凍庫を開けると、ラクトアイスじゃない方の美味しいアイスがびっちり入っていること…!


好きなだけ食べられるみたいだけど、カロリーとか、カロリーとか、カロリーとかも気になるので乱発はできないな…これは食後の楽しみに取っておこう。


ちなみに食べたことの無い高級食材はダメでした。まぁフォアグラとか燕の巣とか出てきても調理できないしね…。

あくまで私が食べたことのあるものが出てくるようだ。


調味料と食品ストックも同じで、開いて閉じて、また開くと自分の使いたいものが入っている。


今日の夜ごはんはカレーにしようかな。いっぱい作ることになりそうだし。

鶏肉、じゃがいも、たまねぎ、にんじんとカレーの材料は全て異世界産で揃っている。


そうなると、やっぱり早くあのお米使いたいよなぁ…。精米って確か籾を外して糠を取って…昔は水車でやってたとか言うけど、仕組みもよく分かんないし、今夜キリに聞いてみよう。

備蓄とはいえ使ったこともあるはずだ。あの小麦も、粉にするところまでやってもらえば使えそうだし。


人間、便利すぎる生活に慣れるとダメなのかも…主食ですら使える状態になるまでは、どういう経緯でそうなってるのか知らなかったわけだし。

いやいやでも、いきなり自給自足なんてこと普通はないからね!?しかも異世界で!









お読みいただきありがとうございます。

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