出会い
「えっ·····」
僕の目の前に広がっていたのは城や神様のいる白い部屋ではなく、よくテレビなどで見かけるゴミ屋敷と呼ばれるものであった。
なんで?
あまりにも予想と離れすぎていて、僕の思考は停止した。
ようやく動けるようになったのは、それから3分くらいたったあとだった。
とりあえず周りを見渡してみる。そこにあるのは見慣れた菓子類の空き袋や空き缶、使い終わったティッシュなどで床が覆い尽くされている。
ここは本当に異世界なのか?
どうしてもそう思わざる負えなかった。
元いた世界の菓子類やよくドラッグストアで売ってるティッシュなどがあったら誰でもそう思うだろう。
まあここで考えても拉致があかなさそうなので、 この部屋から脱出しようと扉を目指していると
コンコン
誰かがこの部屋の扉をノックした音が聞こえた。
不味い、このままでは泥棒扱いされて友達づくりが出来なくなってしまう。
急いで身を隠せる場所を探したが、既に遅かった。
ガチャリ
扉が開き外から人が入ってきた。
「可愛い」
思わず口に出してしまった。
その人は 艶のある黒髪のポニーテールで肌は白く、身長も175センチメートルくらいの女性だった。一番衝撃を受けたのは、服装がメイド服だったということだ。
今まで生きてきてメイドなど見たことがなかったので、
もっと見たいと思ったが、僕はコミュ障だった。
一瞬見るだけでも限界がきてしまった。
とりあえず顔を伏せてその場でしゃがみこんだ。
彼女はそんな僕を見てクスリと笑った。
恥ずかしい
「お嬢様、お客様がおいでですよ。起きてください」
声もかわいいな。
というかお嬢様って誰だ?ここには人なんていなかったはずだが。
「うーん、客なんていなかったはずだが?」
突然ゴミの山から腕が生えてきて、そこから妙に幼い少女のような声が聞こえてきた。
「なっ·····」
人って驚きすぎると声が出ないのは本当らしい。
さっきまでいなかったはずの人がゴミの山から出てきた。
「何を言ってるのですか、ついさっき召喚したばかりじゃないですか。」
「あー、そういえばそんなことしたなぁ。で、そいつはどこだ?」
ゴミの山にいたのは可憐な少女だった。キラキラ輝く銀髪と褐色の肌が目立つ健康的な少女だ。
年齢は9歳前後だろうか。
「お客様ならそこにおいでですよ」
メイドの人はそういいながら僕の方を指した。
「ふーん、そこか〜。じゃあもうちょっと待ってくれるように言っておいてくれ」
いや、だからここにいるよ、ここに。
あ、目があった。
「なんで早く起こしてくれないんだー!!!」
少女は目を見開いてそう叫んだ。
アオバです。なかなか空いてる時間がなく投稿が遅くなってしまいました。すいません。
とりあえず休日には投稿したいと思ってますので、よろしくお願いします。