知らない風景
文才が無くてダラダラした文章になってしまう…
テンポが悪くてすみません…
久々の全力疾走に足が何度ももつれそうになるが何とか堪えながら目的地へと急ぐ。ポケットには何故か交番に置き去りになっていた拳銃を突っ込んである。銃なんて持ったこともないしこれからの人生持つことなんてないと思っていた。今のこの状況が夢であることを少なからず期待しながら足を動かす。だが、肌を撫でつける夏の蒸し暑い空気や必死に仕事を全うしようと動いている心臓の存在がそれを真っ向から否定しているようだった。
「はぁ…あと、あと少しだ…」
次の角を曲がればさっきの宇宙人がいた場所だ。移動している可能性もあるがその場合は周辺の住民の救助を行えば良いだろう。自分でも驚くほど冷静な頭でこれからの行動の段取りを決め、尽きそうな体力を振り絞る。角を曲がる。
そして目に入る光景。そこには、記憶とはまるで異なる風景が広がっていた。一本通りを渡るだけで、何もかもが違っていた。住宅が並んでいた場所にはポッカリと空白だけが残っていた。少し下に目を向けると赤の模様と共に何かが落ちている。肌色。腕。足。顔。その中には見知ったものもあった。
比喩抜きで地獄だった。この世にこれ以上の惨い光景があるだろうか。
その地獄の中で嫌でも目に付くアイツ。青肌の、四本腕の人ならざる何かと、その周囲をフワフワと浮くブロックのようなもの。
そうして気付かされる。これはどうにかなるものではない、ぬるま湯の日常に全身浸かりきっていた自分如きでは何もできないと。頭の中でそう結論づけた時、途端に感情の波が押し寄せた。ごちゃ混ぜになったせいで怒りなのか悲しみなのか、はたまた他の何かなのか。ハッキリしないままただ足だけが動く。恐らく進むべき方向とは真逆に、この地獄を生み出した存在へと進む。
いつの間にか手には拳銃が握られていた。撃ったとしても当たるわけがないのに。そもそも弾が出るのかすらわからない。
気がつけば数十メートル先にはアイツがいた。例のブロックを使って破壊活動の真っ最中のようだ。
悲鳴が聞こえた。男性が四つん這いで逃げようとしていた。
そして逃げ遅れたであろうその男性にブロックが襲いかかるその瞬間、俺は空に向けて拳銃の引き金を引く。乾いた音が響く。
「おい!こっちだ宇宙人!」
間髪入れずに叫ぶ。アイツの動きに連動してブロックも止まる。
アイツがくるりとこちらを向く。
宇宙人なんて見たことないが一瞬で理解できた。
「アイツ笑ってやがる…!」
心の底から楽しんでいるのだ。この地獄を。
そして顔を歪ませたままこちらへと走り始めた。でかい分、歩幅もあるのかかなり速い。
ダメだ、逃げられない。そう死とともに悟った。
「ふざけやがって…」
そう呟きながら目を瞑り、俺は運命を受け入れようとするのであった。
読んでいただきありがとうございました<(_ _)>