プロローグ
※転生しません。ざまぁでもないですがバトル物です。メカ、武器等、主の好きなものをたくさん出す予定です。途中で失踪しないようちまちま書いてこうと思います。よろしくお願いします。タイトルも変えるかもしれません。
日常と非日常。
個人において決して同時に存在することの無いこの二つの要素は人々にどのような影響を与えるのだろうか。
大半の人は生活が一定の周期を持ち、言わばルーティーン化していると言える。
だからこそ、人は非日常というものにどうしても関心が行くし、日常には退屈感を感じる。
非現実的な、ファンタジーの世界に憧れる。
このことは世に出回る数え切れないほどの創作物から容易に考えつくことだろう。
では実際にその非日常が自分の身に訪れたとすれば、どうなるのか。
「そのようなことを考えさせられる一冊であったと思う、と…」
高校二年の夏、俺こと倉崎六花は自室で読書感想文とやらに取り組んでいた。所謂夏休みの宿題というやつだ。数学や英語など他科目の方はもうケリをつけているため、残る課題はこの一つであったが、たった今書き終えることができたため晴れて自由の身となった。夏休みというのは存外すぐ終わってしまうため、ちょうど始業式まで折り返し地点というこの日に課題を片付けることが出来たのは喜ばしいことだった。
「さてと!ゲームでもするかな!」
晴れやかな気分でゲーム機の電源を入れる。
俺の真の夏休みはここから始まるのだ。
非日常などいらない。こういった生活で十分すぎるほど幸せだ。
日常よ永遠に!
そんな芝居じみたことを考えながらソフトを起動し、ロードを待っていたその時。
凄まじい爆音とともに地面が揺れた。
「うわっ」
地震かと思いすぐに机の下に隠れる。
しかし揺れはその一度きりでほんの一瞬の出来事であった。
出勤している家族や友人の安否が気になるところではあるが、スマホを別の部屋に置いてきたらしく取りに行かねばならず、そしてなによりあの大きな音の正体が気になり、机の下から出てちらりと窓を覗く。
「…おいおいなんだアレ?」
そこにあったのはテレビやネットで見た事のある、名の知れた、だがその存在すらも怪しいとされる、未確認飛行物体らしき円盤状の機械のようなものが道路のど真ん中にめり込み、煙を上げているという異様な光景だった。
「UFOとか冗談だろ…」
俺の平凡な日常に『非』という新たな一文字が付け加えられた瞬間であった。