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ガラクタの学園  作者: 夕霧湖畔
間章一 海竜湖キャンプ
88/211

03.泳ぐためには

 後日の仕切り直しを決めた一同は、気持ちを新たに水辺へと向かった。

 浮き輪が基本防水性を付与された普通の布だったりと細かな差異はあれど、水遊びの光景は驚くほど向こうの世界と相違無い。

 尤も、それを知っている者はこの場にいなかったりするのだが。


 グラトニーの隣にはジュリアンがおり、彼を真っ先に誘うと思われたパトリシアは今、サンドライトと近くで営業中の出張水着売店に向かっている。

 理由は先陣を切って泳ごうとしたララバイの水着が男物のホットパンツに晒しと云う、明らかにモロ出しになる未来しか見えない代物だったからだ。


『いや、女物の水着とか分かんないし。元男に女物の水着買うのは、ねぇ?』

『それで露出魔と泳がされる私らの身になりなさいよ!今直ぐ買いに行くわよ!』


 という遣り取りに毒気を抜かれたレイリースが、ふとグラトニーを振り向く。

「そう言えばあなた、ちゃんとジュースは両方とも飲んだ?」

「「両方?」」


 期せずジュリアンと声が重なり、あぁ向こうには無いのかと軽く空を仰ぎ見る。

「『日焼け防止ジュース』と『虫除けジュース』よ。

 水遊びに限らず夏場の必需品だから、二人とも飲んどきなさい。」


 腕輪から栄養ドリンクみたいな小瓶を二本ずつ投げ渡されて、グラトニーは繁々と瓶を透かし見る。


「塗るんじゃなくて、飲むの?」

「?ええ、魔法薬だもの。というか塗り薬だったらムラが出ない?」


「向こうでは日焼け対策は塗るか吹きかける物だったのよ。

 虫除けは煙で(いぶ)すのが普通ね。」

 へー、と面倒臭そうねと顔を(しか)めるレイリースだが、ここに居るなら丁度良い。


「あ、そうだ。レイリースって泳げるのか?

 俺水泳って初めてなんで、コツでもあったら教えてくれないか?」

「はぁッ?!いやいや、コツだけで泳げる様になったら苦労しないわよ?」

 先越された。


「私にも教えて。私も湯舟以外で水中に入った事無いの。」

「ちょ、ちょ待って?あなたそれで水辺のダンジョン行く気だったの?」

「抜かりはないと言ったでしょう?『夜遊び童よ、喉を潤せ』。」

 呪文を唱えて水着に魔力が流れ、グラトニーの顔周りを水球が包んで消える。


「これで水中でも息が出来るわ。」

「ちょ!おま!その水着、発動具だったの?!」

 いやいやいやと、ジュリアンとレイリースが揃って慌て出し、一旦散った一同も何だ何だと気になった者から集まって来る。


「そりゃダンジョン行くんだもの、発動具は必要でしょう?」

「何で水着に戦闘力求めるの!」


 思わず悲鳴を上げるレイリースだが。しかし思わぬ方向から声がかかった。

「あら?私達の近くにコテージを立てるなんて、余程の名家かと思いきや。

 まさか雑種の方々の集まりだとは思わなかったわ。」


「な!?し、淑女の会か!」

 現れた三人の水着美少女達にジュリアン含め先駆者(パイオニア)探求者(シーカー)寮の面々は一様に表情を硬くし、共にいる所を見られたピオーネは、分かり易く血の気が引いていく。


 いつもの茨の冠に合わせた黒いシンプルなレースのビキニ姿の、触れれば折れそうな小柄な四肢によって日頃以上に背徳的な妖艶(ようえん)さを漂わせるカーリーに。


 スポーツを連想する紅蓮(ぐれん)模様のハイネック、ローライズビキニな、引き締まった長身に合わせて凛とした大人の色気を主軸にしつらえたガトレス。


 メフィレスはフレアで体形を隠して清楚(せいそ)さを演出する、脱げば着痩せする水色のワンピースだ。


 男子であれば垂涎(すいぜん)ものの光景だが、それを鑑賞する余裕のある者はポートガス達三名以外いない。


挨拶(あいさつ)一つ無いのは変だと思ったけど、礼儀知らずな方々なら頷けるわ。」

 だが嘘だ。実は到着と同時にレイリースが『使い魔呪符』を飛ばしている。


「今回は私の客人だからです。

 全員で訪れるのは迷惑かと思い、私一人で行く予定でした。」

 ブックである。脚本である。

 即ち、淑女の会の面々から顔を出すための口実である。


 淑女の会は表向き純血至上主義。湖では人目がある以上、理由無き馴れ合いは立場上出来ない。

 なので取り敢えず雑談で譲歩(じょうほ)する理由を作る計画だ。


「あらあら。それなら先に連絡が欲しかったわ。そうすれば日付をずらせたのに。

(もう、遅いわよ?あと少しで滞在日数過ぎる所だったわ。)」


「いえ。無理にずらして頂かずとも、御迷惑はおかけしませんので。

(済みません、こちらも日程の調整に手間取りまして。

 今晩当たり、何とか口実を作ってそちらに参ります。)」


「そ、そんな言い方「黙ってなさい。」。」

 思わず口を挟もうとしたジュリアンを止め。グラトニーは二人が、死角で通信呪具を使っている事に気付いていた。


 実際無能人であるグラトニー自身、外は兎も角、薔薇(ばら)の園の中でなら敬語は不要と言われている間柄である。

 細かい所は兎も角、彼女達が会いに来る事は聞かされていた。


「理由も無く納得は出来ないわよ?我慢の動機って大事だと思わない?

(グラトニーと来てくれるなら何人でも構わないわ。

 理由も任せるけど、何かある?)」


 少し睨み合う様な振りで思案するレイリースに、助太刀の舌戦に加わろうとしたパトリシアはサンドライトに抑えさせる。流石に二人は察していなかった。


「消え物で良ければちょっとしたお食事などをお持ち出来ますが。

 商談であれば、我が家自慢の新作アクセサリーなどもご用意出来ますわ。

(メフィレス先輩はグラトニーに料理教えてましたよね?

 今の腕を見せて貰うのはどうでしょう。)」


「心得があるなら構わないわ。我々もダンジョン探索後の息抜きだもの。

 後輩相手に大人気無い真似も出来ないし、ね。

(悪くないけど聞いてくれるとも限らないから、仔細(しさい)は任せるわ。何か困ったら相談しなさい。)」


 小声で誰かがどの口が、と言っているが、そろそろ良いかなと口を挟む。

「ねぇ。水着の【発動具】って変なの?」


「「「……?」」」


「え?それ発動具なの?……え?ルサルカ?水中呼吸の?」

 何故か物凄い戸惑った笑顔でカーリーが質問を返して来た。他の女子全員は絶句している。


「ええ。水辺のダンジョンなんでしょ?」

「え?ちょっと待って。武器や防具を発動具にするのは魔女狩り志望だけよ?

 素材の影響を受ける場合以外、普通の発動具って装飾品か杖よ?

 ていうか重くない?身に着けて歩くのに。」


 それの何が変なのと問い返すと、震える声で呻き口元に手を当て、説明お願いとメフィレスに代わる。


「分かりました。グラトニー、あなた発動具を付けて歩く時に武装解除を要求されたらどうしますか?」

「殺すわ。敵だから。」

 メフィレスが手で顔を覆った。

「ごめんなさい、助けてガトレス。」


「あ、ああ。期待はするなよ?

 えっとだな。我々魔法使いにとって発動具は長く着けているほど良い。

 だから常に手放さない物が好まれるんだ。だが武器や防具を付けてダンスは出来ない。


 そういう場では武装解除が求められるんだ。だから武器型の発動具を持つ者は、他の発動具も持っている。そういう場でも似合う発動具をな。」


(ふむ。踊る時には不便、か。何となくは分かるけど……?)

「それとな!我々名門は基本的にお抱え職人の作品を店に卸せる数持ち込むんだ。

 そして気に入った作品を発動具にして残りを呪装化して店に売る!」

 今強引に質問を止められた?


「二学年から学園を出られないだろう?時には金銭が不足する時もある。

 我々名門は学園街にあるお抱えの店に自作の呪装を卸す。

 それが我々の学生としての、一般的な金銭の稼ぎ方だ。」

 間違っても他の学生から奪うのは一般的な稼ぎ方じゃないと、力強く頷く。


「でも、それだと服を発動具にしない理由にはならないわ。」

 というか下着を発動具にすべきでは?

「すまん。選手交代をお願い出来ないだろうか。」


 レイリース達を見回すガトレスだが、大多数が力無く首を振っている。

「ね、ねぇグラトニー。あなたそもそも下着とかどうしているの?」

 恐る恐るレイリースが後を継ぐ。


「教師マタハリから買っているわ。」

「それ医療用じゃ無いの!

 何でよりによってファッションと一番程遠い人に頼るの!」

 レイリースが思わず本気で叫んだ。


「下着が発動具だと他に着替えられないでしょ!

 高価な服は全部呪装か、社交場用なの!発動具じゃ無いの!

 確かに汚れに強いけど、女が着た切り雀にしないの!着替えるの!着飾るの!」


 思わず参戦した庶民代表パトリシアの抗議の傍ら、レイリースは顔を抱えて轟沈(ごうちん)していた。学園では友人同士中心だが、ホームパーティの類は大抵週末ごとに誰か彼か開催するものだ。


 魔法世界では理想的な人生と言えば、自分専用の《工房》を創って暮らす事だ。

 自宅同士に距離があるのが普通で、積極的に縁を結ばないと簡単に孤立し疎遠になってしまう。よってパーティが日常的な文化として定着している様だ。

――閑話休題。


 そんなにむきになる程酷いのかと、流石にちょっとグラトニーも戸惑う。

「いや。だって学園街だって去年の夏季休暇まで行った事無かったのよ?

 学園街で加工してない服屋を見つけたのも最近よ?」


 というか血の従者の伝手だし。グラトニーが単独で学園街に向かうと大抵騒ぎの方から寄って来る。その所為で昨年の冬季休暇は罰則扱いで出禁となった。


 そしてパトリシアが膝から崩れ落ちる。サンドライトは轟沈した二人のフォローに忙しく、アヴァロンは最初から浮き輪を枕代わりに波間を漂っている。


「と、取り敢えず今度あなたの買い物用に会員証を用意するから、今晩辺り私達のコテージに来なさい?


 どうせお金は余っているでしょ?下着の呪装化なら《清潔》化の術式もあるし、そっちは変じゃないから。下着は余分に持ってたって困らないわよ?

 呪装化したら店に出す分だから、全部新品よ?」


「いや、着心地以外気にした事無いし……。」

「ほ、ほら!皆に似合う奴選んで貰えば!ね!良いですよね!」

「え、ええ!勿論よ!折角お友達がこんなにいるんですもの!

 あなた達もそれで良いわよね?!」


「あ、はい!勿論!一緒に行きましょうよグラトニー!!」

 女子一同が血統の垣根を越えて団結し、トテモ居辛かった男子一同もここぞとばかりに応援する。


「ま、まぁ。今日は泳ぎを覚えたいから、夕方以降で良いなら……?」

 流石に全員に取り乱されてまで我を通す拘りも無いのだしと、グラトニーは気圧されながら頷いて、ちょっと反省した。


  ◇◆◇◆◇◆◇◆


 泳げなかったのはジュリアンと二人だけだったらしく、ジュリアンも夕方には大体支障が無い程度には泳げる様になった。

 勿論全員で二人に泳ぎを教えていた訳では無く、男子とアヴァロン以外が交代で教える側に回った。


 アヴァロンは泳ぐというより、浮くとか流れるなので論外だ。

 グラトニーも途中でボール遊びに何度か付き合わされたが、面白いかと言われれば全く分からない。

 物珍しさが先に立って、どういうモノかを理解する方に気を取られていた。


「や。しかしこんだけ女子が多いから、少しくらいナンパ男がこっち来るかと思ったけど。あれだけ来てた割には大人しかったわね。」

 コテージに戻ったサンドライトがお陰でゆっくり楽しめたと体を伸ばすが。


「いえ、来てたわよ?ただ途中でコレに気付いて引き返しただけで。」

 コテージに入る直前に回収した【卍兵】を見せると、引きつった顔をされた。


「ね、ねぇグラトニー。君、泳ぎながらそれ出してたの?

 放置しといてもずっと浮かんでる奴?」

「まあ魔石で浮かせる事も出来るけど、視覚共有の序でに維持していたわよ?」

(ああ、道理で……。)


 詰まり近付くと宙に浮かぶ顔が振り向く訳か、と決闘祭を思い出して納得する。

 ナンパで命懸けとか、怯むわ。


「ま。これでいつ行っても問題無さそうね。」

 グラトニーは水着自体が補助具になっている様で、軽く試しただけで割と簡単にコツが掴めた。

 念の為もう一度くらい、次回当たりに普通の水着でも泳いでみようと思う。


「まあ、泳げない奴は今日遠慮したと思うしね……。」

 性別による体格と体力の変化を自覚してなかった一人が今死にそうな顔で、生まれたての小鹿の様に歩いている。

 が、彼ら自身は基本アウトドア派で体力自体は十分ある様子だった。


 夕食は皆で作るという話だったが。

「今日の晩は全員私の手製よ。事前に調理済みだから選択の余地は認めないわ。

 大人しく私の魔法料理の実験台になりなさい。」

「「「いや、グラトニーがそれで良いなら……。」」」


 おや意外に抵抗が無い。もっと嫌がるかと思ったが。

 授業の応用を試したかったので強引に実験台にする心算だったが、抵抗が無いなら遠慮も不要か。


 とは言え料理自体は概ね出来ているが、魔法をかけるまでは完成では無い。

 流石に魔法をかけた状態で《携帯鞄》に封じるのは無理だ。特に動く食材は箱詰めして封印しないと《収納具》から弾かれる。


 やはり実際に調理してみると、魔法世界の料理は明らかに技術的に未熟な上に、無駄な遊びが多過ぎる。


 グラトニーは先ず『保温』と『循環(じゅんかん)』で味を浸透させて、硬い肉や野菜を『弾力』で食べ易くしておいた。

 料理を動かす『舞踏(ぶとう)』は麺などを解し続ける以外、全く活かせなかった。


 さて。魔法料理としてはどうかと思ったが、実食の結果は意外にも、普通に店で食べるのよりずっと良いと全員に高評価を得た。


(けど、魔法料理らしくは無かったようね。

 食感や味を加工出来る分、調理法と食材の変化に対する知識が発達していない気がするわね。)

 流石に毒のある部位を年単位で加工する国を、敢えて見習えとまで言わないが。



 食器の後片付けは男子に任せ、グラトニーは他の女子達に説得されて淑女の会のコテージで下着の品評会に参加した。


「やっぱりこれくらいスタイルが良いと、セクシー系が一番似合うわね。」

 腕輪の類は全部付けたまま、【三彩腰帯】だけは腕に巻いて、言われるままに色々な下着をとっかえひっかえ着替える。

 ただ似合うと言われる物ほど扱いが面倒なのは如何なものかと思う。


「淑女としてはそういう繊細な下着を着こなしてこそなのだけど。

 グラトニーはレース嫌い?」

「引っかからなければ気にしないわ。」


 身体にブラを添えるパトリシアも含め、室内にいる者は全員下着姿だ。

 それぞれ自分の下着をグラトニーの見本として見せ合い、皆が下着にどういう感想を持つのかを聞かせようという話になったからだ。


 リビング一面に並んだ下着は文字通り店を開ける数があり、それぞれ気に入った下着は自由に買って良いという話で色々試着し合っている。


 並んでいる下着は全て呪装化を期待して卸された品々だけあって、全てが肌触りを意識した高級品仕様だ。尤も敢えて手頃な素材も用いている品もある。

 だがあくまで呪装化前なので、学生の小遣いで買える額が殆どだ。


 理由は単純に学園街の店に卸すからだ。一部は学園街に持ち出されるにしても、大部分は学生の手の届く額にしておかないと金策の意味が無い。

 完全に外部にだけ卸してしまうと、相場以上の価格で買い取るという金銭支援が可能になるからだ。学園は外部からの支援に対して結構規定が細かいのだ。


「下着一つに色々な感想を持つのねぇ。

 魔法世界の水着が下着を見せ合う場から広まったって話が納得出来るわ。」

「え、それホント?初耳なんですけど。」


 サンドライトは訝し気に首を捻るが、今の水着がいつからあるのかと問われれば逆に想像一つ付かないという。

 彼女ら同世代視点では、下着扱いされる方が違和感を感じるのか。


「ホントだよ~。実は水着が出回った頃は、わざわざ発動具にして水着は下着では無いって町中で着て歩いてアピールした人もいたんだよ~。

 露出罪か公共風俗混乱罪か、はたまた内乱罪かと、当時は魔法議会で結構揉めてたんだ。最終的に下着ドロ罪だけで収監(しゅうかん)されてたね。」

 あれは笑ったとアヴァロンが思い出し笑いをするが、誰も突っ込まない。


「……まあ、おばあ様世代だと水着を痴女服と呼ぶ人が居るのは確かね。

 けど呪装下着は成金趣味と思われるかもだけど、実際便利よ?

 特にお気に入りがとても長持ちするし、多少の体形や身長の変化にも不自由無く対応するしね。」

 油断すると、体形のズレを見落としやすいけど、と補足するカーリー。


「まあ激しい運動に向くのはこの辺の生地だが、魔物素材と合成するのもアリだ。

 洗濯に手間のかかる下着は呪装化すれば、他と一緒に洗えるからな。」

 アドバイスに関してはガトレスが一番感覚的に参考になるかも知れない。


「色物じゃ無ければこれが使えるから、白いのを選ぶわ。」

 日頃活用している《濾過(ろか)式小型洗濯(そう)》を取り出すと、何故白物に拘るのかと聞かれて色々試す事になり、全員に微妙な顔をされた。


「コレ、呪装以外は本当にどんな色でも取るのね。逆に凄いわ。」

 ただ呪装で試すと色を問わず洗えないと発覚した。この際普通の、新しい洗濯槽を買っても良いかも知れない。


 最終的にグラトニーは数枚の色物と十枚近い予備の白下着を買って、全員が満足した頃合いにお開きとなった。尚、男子は全員先に寝ていた。


 細工物は余り買わなかったが、腕輪は二つ三つ購入した。これは発動具に使うための物でそこそこの値段がしたが、使い処は未だ決まっていない。

 指輪類は保留だ。実際そこまで高額品を買う価値が分からない。


 ただ発動具用の宝石商と諸々の店舗は紹介して貰ったので、後日訪れる予定だ。

「下着や私服に関しては今度学園街を連れ回すから、覚悟しておきなさいね?」

 何だか面倒臭い事になったと思ったが、まあ最初だけだろうと放置する。


 大部屋に並ぶベッドは二段重ねが幾つも並んでいて、一度に十人以上が寝られる装いとなっている。今回はグラトニーも素直にベッドに潜り込む。

 但し一刻程錬金房に籠り、諸々の研究を進めるのは忘れない。

 本日2話投稿、前編です。

 純血の中では改革派、リベラルな淑女の会の面々ですが、ジュリアン達から見ればガチガチの保守派にしか見えません。なのでグラトニーと仲が良いとは夢にも思わず裏も読めません。

 彼女達の親は文字通りの保守強硬派なので、カーリー様達としては正面切って対決するより徐々に実績を積み重ねながら若手を中心に切り崩し、発言力を増す方が確実です。


 なので表向きは保守を否定しませんが、うん。まぁ。

 水着【発動具】は普段着を甲冑にするくらいやり過ぎですw

 純金の水着とかダイヤの水着と大差無いので、丈夫だからとかそういう問題じゃないw

 発動具は生涯使う物なので、基本何処でも持ち歩ける物じゃ無いと。

 但し呪装化衣服は高級品で、事実上のブランド品扱いです。私服を下着含めてブランド物だけで固める事がどれだけ贅沢かは、現代人視点と同じでしょう。

 淑女の会の面々は大貴族、大富豪視点になります。

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