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ガラクタの学園  作者: 夕霧湖畔
第三部 襲撃の魔女編
43/211

02.夜間開放

 防御学の補講。

 【サメ盾の発動具】を見せられた教師ナイトメアは頭を抱えた。


「いやコレ確かに欠陥品だけどさぁ……。

 あいつトコトン頭の良い馬鹿過ぎるだろ……。」

「どの辺が凄くてどの辺が欠陥なの?」

 グラトニーの問いに、深呼吸して服と姿勢を正して気持ちを必死で落ち着ける。


「あー。うん。先ず、盾としては強度低いから動かす利点はあまりねぇ。

 一撃防げれば良い方だし範囲も狭い。劣化しかしてないな。」

 が。そんな事はどうでも良いと断言する。


「先ず魔法の杖からたった一つの呪文効果を完全解明して別に作って見せた。」

 この時点でトンデモ級、三学年の主席争い参加確実と断言する。まあ元々らしいが。


「更に動く、形状を変える、しかも細かい。発動具の外見が別物。店に出せるレベル。

 止めとばかりに武器として使った際の攻撃力が『幻の剣』以上って、魔物素材を使わずに出せる出力じゃねぇよ。しかも量産型で達成しやがった。」

 量産型発動具は難易度が別格だ。具体的には魔法杖が三学年で習う卒業資格の一つ。


「後実は昨日気付いたんだけど、『生えろ石壁、大きく拡がれ』の呪文にした上で移動を諦めれば一度に複数体出せるみたいね。割とすぐ消えるけど。

 他のパターンも試したけど、そっちは全滅よ。」


「わかった。それ本人に教えとく。

 多分サメ系の魔物を素材に使えばきっと性能跳ね上がるぞコレ……。」


 探求者寮の現寮長ティーパーティ。日常呪具の開発に取り組む魔道具学のエキスパートだと言うが、グラトニーとの面識は例の一度だけだ。

 まだ顔くらいは覚えているとは思うが、部屋を知っている訳でも無いのでその辺は全部お任せだ。


「まあ二学年も基本は今教えられる範囲を高度にした呪具を扱う。

 金の問題もあるからもう進級直前に復習する程度で、他を優先しても良い位だ。

 ただ護身用に『身代わり人形』だけは欠かすな。お前さんは特に。」


「前倒しは出来ないの?」

「余り意味が無い。簡単に説明すると、お守りの次は呪具だ。

 サメ盾や他の一般呪文を使う練習でも制御力は上がるからな。今は特に数を熟せ。」


 一学年に限って言えば、基礎を高めた方が次の技術精度や速度が上がるため、前倒しは推奨されないのだ。半端な腕で先に進む方が成長が遅れる様だ。

 同じ練習なら、お金をかけない練習が一番役に立つと言う。


 三学期でも優秀な成績を維持出来るならボーナスくらいは考えておくと言質は取ったので、これ以上の要求は止めておく。


「で、だ。お前さん、夜間外出の許可が出たらしいが、何があった?」

「あら何か変かしら。」

 仕切り直しと言う形で尋ねて来たナイトメアだが、探りを入れている感じではない。


「凄く。そもそも刻限と門限は教師と用務員の仕事量削減が最大の理由だ。

 お前トラブルメーカーな自覚はあるだろ?」

 取り敢えず訓練を開始し、サメ盾の上に乗りながら話を進める。動いた。


「まあね。多分私が無能人じゃ無かったら許可下りなかったと思うわ。」

 その点には感謝ね、と告げたら深い溜め息を吐かれた。


「まあいい。けど教師が頼む形じゃなくて、学園長直々の許可だ。

 流石に皆心配……、何人かは心配していると思うぞ?」

 はて?心当たりが思い浮かばないが誰だろう。


「それは学園長から聞き出して。そういう約束?多分その類だから。」

 秘密の森の最深部の話だ、学園教師にも秘密にされている部分で合っているだろう。


 あ。何かゴーカートみたい。流石に人を載せて速度は出ない様だ。

 維持限界も実に百円での制限時間っぽい。


「……縁日みてぇだな。」

「あらこっちにもあるのね。」

 段々サメ盾から目を反らせなくなったナイトメアが呟く。


「ああ。村の中の祭りをそう呼ぶんだが、外と一緒かは分からないぞ。

 で、何か危険な役目と引き換えだったりしないか?」


「ええ大丈夫。口止め料よ。」

「……おう。大体理解シタ。その件はもう触れないでおこう。」

 手遅れだったかと小さく呟いたが、意味は分からない。

 後日、教師ドロテアとマタハリにも、微妙な顔で危ない真似をするなと注意された。


 今回短いのでもう一話投稿です。区切りは投稿量よりも話のテンポを重視してます。

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