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ガラクタの学園  作者: 夕霧湖畔
第二部 平和な学園編
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02.購買祭の話

 食堂でジュリアンは、熱心に淑女の会との決闘の詳細を聞き出していた。

 アヴァロンはある意味グラトニー以上に恐れられているので、いつものメンバー以外と話すところは滅多に見ない。

 勿論本人はそれを苦にするどころか有り難がっているくらいなのだが。


「あーくっそ!すげぇ見たかった!!」

「そう言えばあなた、先駆者(パイオニア)寮では孤立してないの?私に構って。」

 グラトニーは定食を受け取って席に着いた。


 因みに只の毒程度では死なないし、何よりグラトニーは料理を汚されるのは嫌いだ。

 なので一度残飯を出された時は窒息する勢いで詰め込んだ上で厨房中を呪詛塗れにして以来、一度も彼らは逆らった事は無い。

 今も可能な限り視線を合わさず頭を下げて、必死でやり過ごしている。


「相変わらずグラトニーの分だけは値段以上に豪華だよな……。」

「そういやその時、先生方は怒らなかった~?」

 どうだったけかなと思い出す。


『あれ以降、食材管理に手を抜かなくなったからまあ良いかなって……。』

 当日は既に食べ終えていたから被害無かったと言っていた筈。


「何でも例の件の前は、何かと食材を安く抑えようと古い食材を使っていたらしいわ。

 だから給料に余裕のある教師ほど食堂を使っていなかったんですって。」

 思わず周囲を見回し、何人かの教師を見つける。その表情は妙に満ち足りた空気を漂わせていた。


「……えっと。何の話だっけか。」

「無能人に構っているのはこの世界だとタブーだったんじゃなかった?」

 ああ、とジュリアンは気まずい顔を浮かべる。


「うん。まぁ、タブーだな。どうも普通の無能人だと結構嫌がらせも受けるらしい。

 けどまぁ。前はグラトニーが受ける授業を避ける為に色々聞きたがってたし、それで単位落として堪えた連中も結構いたんだよな。

 んで。無能人を避ける方が情けないって上の方に檄を飛ばされてた。」


 要約すると、ジュリアンは勇気ある情報源扱いらしい。

 どっちを取るかでグラトニーを選んだ事は多々あったが、責められるほど反無能人側の素行が良くないので、差し引いてもやっぱり英雄の子になったらしい。

「だから問題にはされてねーな。拙そうだったら止めてくれるって。」


「てかさ、無能人の国に食文化で勝てないんだよ。魔法世界ってさ。」

 ポートガスが食べている蕎麦とうどんはここ数年で導入された新メニューらしく、地味に人気だ。グラトニーが違和感を覚えた理由が気になって調べたら、想像以上にここの料理は無能人文化を取り入れていた様子だ。

(パソコンが使える点といい、無条件で無能人を悪と呼べる訳では無いのかしら?)


 となると、金策の話は若干違う方向で気になって来た。

「そう言えば購買祭だったかしら?それってどんなの?」

 ジュリアンは改めて聞かれるとうまく説明出来ず。


「簡単に言うと、学園生徒達が合法的に開ける露店だな。

 学園の許可を得た商品なら何を売ってもいい。そして一流の職人が作る訳じゃないから悪質な詐欺以外は買った側の自己責任になる。

 期間は三日ほどで、当日は売る側で参加しても買う側で参加しても良い。

 参加さえしていれば当日は出席扱いになるから、出席日数のヤバい授業の出席日数にして貰うのがおすすめだ。」

「私は全部単位を取ってるから問題ないわ。」


「まあ一学年で売れる物作るって言ったら基本呪具か魔法薬しかないからな。

 実際魔法除去薬も消化薬も、余り数要らないだろ?」

 呪具を作れる作れないでは、収入の単価が違う訳か。


「料理とかでは誰も挑戦しないのかしら?」

「いや、料理だろ?学生が食堂で食べるより上手い料理出せるかよ。」

 ジュリアンが無い無いと手を振るが。

「グラトニーなら作れるよね~?」

「そりゃあ自信はあるわね。食材に細工されるから偶にしか作らないけど。」


 流石に故郷にない食材の目利きには限度がある。なので良い食材を確保したいなら学園街で買うしかないのが現状だ。もしくは。

「あたしが時々食材持ち込んで料理して貰っているよ~。」


「え?何そんなに美味いの?」

「具体的には例の茶菓子を再現したレベル。」

 淑女の会が持ち込んだ例のアレだ。

 一同の空気が本気で凍り付く。


「すすす、済みませんがグラトニー様。ちょっと一度味合わせて頂きたく。」

「あ!お前ずるいぞ!俺もお願いします!」

 超真顔でポートガスが姿勢を正し、ジュリアンも便乗する。

「いや。流石に手間よ?食材のランクは落とすわ。」

「味は?」

「妥協は無い。」

 絶対にだ。

「「明日学園街に行ってきますのでよろしく!!」」


「ま、まあ出店しろとか言わないなら良いけど……。」

 何か流された気がするが、まあ自分も食べるのだから良いかと溜息を吐く。

 でもまぁ、面白そうな話ではある。

 何せ詳しく聞くと、全学年が自由参加と言う。なら高学年の作品もお目にかかれる。

 実際自分も買うばかりでは無く、稼ぐ事も考えるべきか。


 グラトニーの料理の腕は作中随一です。

 違和感を感じたら正気度チェックをお願いします(白

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