第8話 君と君はやっぱり
第8話です!!昨日は本当に驚くほどのアクセス数とPVでした!ありがとうございます!!学園祭も終わり、冬が近づいてきます。さて、天斗と七海、恵梨香の関係にも決定的な変化が!?!?
また、健太と美加の切ない恋の行方は……?
木村天斗はその日、夢を見た。
恵梨香と初めて会った日のことや、七海との夜の海を海を眺めたあの日々を。
その夢の目に映る彼女たちも美しく、素敵な笑顔を見せていた。
起きて夢と気づいても、何も不思議なことはなかった。現実とあまり変わらない忠実に再現された日々だった。
学園祭も成功に終わり、冬が近づき少しづつ肌寒くなって来た。
それからの学校は学園祭ロスということもあり、憂鬱な日々が続いていた。いつも通りの変わらない日々。天斗はそれでも楽しく満足していた。
季節がどんどん進み、冬本番といえる12月に入った。今日も健太と美加と3人でいつも通り登校した。
教室に入れば七海たちや恵梨香はもういた。
「そらと、おはよう〜! 」
「おはよう! 」
「今日も寒いね〜 」
「うん、今日から12月だしね 」
「もう12月かぁーー!!! 」
七海が笑顔で言ってきた。
「12月はクリスマスだね笑笑 」
「そうだよー!! イルミネーションとか行きたいなぁー!! 」
恵梨香と七海はとても楽しそうに話している。
「天斗! おまえは予定とか決まってんのかー? 」
健太が言う。
「何も決まってないよ、健太は? 」
「ああもちろん!! 決まってない。 」
「なんだよ(笑) 」
「仕方ねーだろー、彼女もいないんだし 」
「じゃ、ここにいる人たちはみんな予定はなしってことなのね、よし決まった! 」
「なにが? 」
天斗が疑問を抱えて聞く。
「決まってるじゃん! みんなでイルミネーションに行こうー!! 美加ちゃんも誘って!! 」
「お! いいね!! 俺は行くぜ! 」
「うんうん! 私もいく! 天斗くんも行くよね?? 」
「え、まぁうん、行くよ 」
こんな返事をした天斗だったが、内心は最高だった。七海とイルミネーションを見れるなんて最高なことがあるなんて…と思うのだった。
「じゃ、決まりね!! 」
恵梨香はいつも僕たちをこのように誘ってくれる。僕は七海と距離が毎回このような誘いの時に、少しずつではあるが縮まっていることが嬉しかった。
それから毎日寒い日は続いた。冷え込みは増すばかりで風邪も流行っていた。
クリスマスまで1週間となった日、恵梨香は学校を休んだ。
「今日恵梨ちゃんどうしたんだろうね…」
「大丈夫かなぁー? てか、天斗お前なんか聞いてないのか?? 」
「うん、何にも聞いてないよ 」
先生から連絡があり、恵梨香は体調を崩していた。39度を超える高熱だった。
放課後、天斗たちはお見舞いに行くことになった。
七海と健太と美加もついて来たのだった。
「ここが恵梨香の家だよ 」
「うそだろ、おい、デカすぎだろ!! 」
「すごいマンションに住んでるんだねー! 」
健太と美加は驚いていた。
「てか、なんで天斗、お前が家知ってんだよ! 」
「いや、それはいろいろありまして 」
「なんだよ、いろいろって! 」
「まぁ、そんな深いことではないから大丈夫だよ 」
七海は少し悲しそうな顔をしていた。
「そんなことはいいから、とりあえず行こっか 」
天斗に続いて、みんなマンションに入った。中に入ると恵梨香のお父さんが恵梨香の部屋まで案内してくれた。
「恵梨香ー、お友達が来てくれたぞー! 」
「恵梨ちゃん、大丈夫ーー?? 」
「恵梨香、大丈夫か?? 」
「相澤さん、大丈夫かぁぁぁ! 」
「うん〜、みんなありがとうね! でも移しちゃうと悪いからすぐ帰ってね! 」
「うん、それもそうだな 」
「恵梨ちゃん、いつでも何かあったら連絡してね! 私すぐ行くから! 」
「ありがとう、七海〜! 」
「じゃまた治ったら学校で、会えるのみんな楽しみにしてるぜ! 」
「うん! 」
そう言って、部屋から健太と、美加、七海は部屋から出て行った。
「そらと、私クリスマスまでには絶対治すからね 」
「わかったけど、無理はしないで! 欲しいものあったらすぐ連絡してね 」
天斗も部屋から出て、みんな家に向かって帰った。
それからクリスマス前日になっても恵梨香は体調が良くならず、明日のクリスマスのイルミネーションの約束には行けないことも決まり、天斗たちは4人で行くことが決まった。
クリスマスの当日、4人は夕方になり暗く始めた頃に集合した。大きなクリスマスツリーのイルミネーションや、様々な花のイルミネーション、カラフルな色彩が彩る空間に4人は魅了された。
「僕、妹に何か買っておきたいんだよね 」
「あー瑠奈ちゃんか! 」
「私お腹すいた〜! 」
「俺も腹減ったなー! 」
「じゃ健太何か食べに行こうよ!! 」
「ああ!いいぜ!行くか! 」
「七海はどーするーー?? 」
「私は天斗くんと妹さんのものを買いにいこうかな 」
「おっけ〜 、じゃまたあとでね!! 」
4人は2人ずつに分かれた。これも上手く想い人がいる通しで別れることができた。健太は美加のその想いに気づいではいないのだが。
天斗と七海はお土産コーナーにいた。
「何がいいのかなー 」
「かわいいキーホルダーとかは、いいんじゃないかな?? 」
「キーホルダーいいね! 」
天斗はかわいいクリスマスツリーのキーホルダーを買った。2人はお土産コーナーを出てイルミネーションを見て回ることにした。
その頃、健太と美加は2人でレストランにいた。
「お腹いっぱいだねーーー! 」
「ふぅー食ったわーーー 」
「うん、そうだね! 」
「てかクリスマス予定ないって、好きな人とか健太はいないのー? 」
「好きな人なぁー、うーん、いないかなぁ 」
「そっか、そうだよね! 」
正直なところ、美加は健太が好きな人がいないことに対しては、恵梨香や七海が好きじゃないというのは良かったと思ったが反面、私のことも好きではないということも分かり、少し辛かった。
やっぱ、私は幼馴染みなんだね… 健太にとっての私は友達。私が君のことが好きだと分かってから、君を想えばダメな自分を変えれると思って頑張ってきた。でもね、好きな気持ちってそんな簡単に変わらないんだよ… 変わらないんじゃなくて、変われないんだよ…
こんな美加の想いは健太に届かない。こんなにも想っていても、伝えなければ届かない。言葉にしないと伝わらないとは、このことを言うのだろう。
「綺麗だね〜! 」
「うん!! 少し目が疲れるけどね!(笑) 」
「たしかにそれはあるね(笑) 」
「ねぇ天斗くん、手、繋いでもいいかな?? 」
「え、て?手!? 」
「だめ、だよね… 」
「いやいや、僕で良ければ全然!!!! 」
「じゃあ…… 」
2人は手を繋いでそのままずっと見て回った。もうこれはデートと言える。2人の距離は縮まる一方だった。
2人とも火照っていたからか、冬の夜風が少し心地よく感じていた。
「天斗くんって、恵梨ちゃんのこと今は好き?? 」
「僕は、好きな人がいる! 恵梨香ではないよ! 」
「そうなんだ…」
完全に僕は相澤七海という波にのまれていた。僕は言うんだ。ここでしっかり七海が好きだって、言うんだ。と自分に言い聞かせても、やはりまだ言えずにいた。
そんな天斗の元へ、恵梨香からの連絡がきた。
「そらと、会いたいよ… 」
もちろん七海には見せられない。見せてはいけないような気がした。
「誰からー?大丈夫ー?? 」
「うん、ちょっとお母さんから!用事ができたから、僕帰らなきゃだ!健太と美加に言っておいて!!じゃ!!! 」
「あ、ちょっと天斗くん!! 」
僕は無意識に七海と別れて走り出していた。なぜかはわからない。それでもただひたすら走った。
あの連絡が誰からだったのかはわからないが七海は薄々気づいていた。七海は無表情で唇を噛んだ。
「君は恵梨ちゃんのことがやっぱり…」
天斗は必死に走りマンションに着いた。中に入り玄関の前までたどり着いた。玄関のチャイムを押すと恵梨香のお父さんが中から出てきた。
「どうしたのかね、木村くん! 」
「恵、恵梨香は、恵梨香は大丈夫なんですか……? 」
「大丈夫だよ! 少しずつ良くなっているよ! とりあえず部屋に行ってやってくれ 」
「はい! ! 」
天斗は荒れた息を整えながら部屋に入った。
「恵梨香、大丈夫か?? 」
「うん、大丈夫だよ 」
「良かった、急にどうしたのかと思ったよ 」
「こんなにもすぐ来るとは思わなかった(笑) 」
「何かあったと思って、必死に急いで来たんだよ」
「ううん、寂しくて会いかったの…… 」
「恵梨香? お、おまえ、そ、それは体調悪すぎるだろ! 」
「そうかもね(笑) でもほんときてくれて嬉しかった 」
「うん!よかった」
2人は間違いなく現実であるのに、夢なのか現実なのかわからない時を過ごしていた。
「ねーそらと… 」
「ん?? 」
彼女の柔らかくて温かい唇が僕の頬に触れた。僕は顔を真っ赤にした。初めて触れた女の子の唇はまるでふわふわのマシュマロみたいだった。
「ど、どうしたんだよ!! 」
「私からの、ありがとうの気持ちだよ(笑) 」
「口で言ってくれ!!!!」
「ん? 口で言ったよ? あーでもちょっと違うけどね」
この時から2人の何かはしっかりと動き出していたのだった…
第8話ありがとうございました!!天斗と、七海がついに!?と思ったところへの恵梨香が。最高ですね!この三角関係もそろそろ決定的になってきましたね!第9話をお楽しみに!!また、感想、レビュー、評価、ブックマーク登録等、是非よろしくお願いします!!では第9話で会いましょう!!