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第5話 君と変える今

第5話です!第4話では天斗と、恵梨香が急接近しましたね!ドキドキの展開でしたが、今回は恵梨香の急な連絡からの展開です!恵梨香の相談とは……

そして、天斗たちの三角関係は??

 恵梨香からの連絡が来た日の夜、僕は眠りにあまりつけなかった。恵梨香に何かあったのかと心配で仕方なかった。


 次の日


「瑠奈、少し出かけてくる! 」


「あ、はーい!気をつけてね! 」


「うん!鍵ちゃんと閉めて、勉強頑張れよ! 」


「ありがと!お兄ちゃん! 」


「うん!じゃ行ってきます 」


「行ってらっしゃい! 」


 まだ、夏の暑さは残る8月下旬。天斗は恵梨香に会いに、約束したカフェに向かった。


 カフェには、恵梨香がもう中にいた。いつもより少し表情が硬いような気がした。


「お!てんと!きてくれてありがとね! 」


「うん、それはいいけど、どうしたの?? 」


「うん、それが大事な話なんだけどね、私また引っ越すことになったの 」


「え!?なんで?いきなりか? 」


「うん、もう何回もしてるから、なんとも思わないけどね! ! 」


「いいのかよ、恵梨香はそれで 」


「うん、私だってできることならしたくないよ、でもね、しょうがないんだよ。お父さんのお仕事の都合上、新事業を展開するときはいつもこうなるの 」


「お父さんは、恵梨香の気持ちはいいのかよ…」


「私ね、今までこんなことがある度に引っ越してたの、だからちゃんと友達とかあんまりできなくてさ……」


 そんな悲しい目するなよ。そんなの、恵梨香らしくない。恵梨香らしくないんだ。その時の彼女は僕の頭の中でいつも笑顔で太陽のような存在だったはずが、その時だけは、曇っていた。


「ほんとにそれでいいのか? 」


「良くないけど仕方ないことなんだよね 」


「仕方ないんじゃない、僕は恵梨香の気持ちを聞いてるんだよ!!! 」


「それは、初めてこんなにみんなが仲良くしてくれた。初めてちゃんとこんなに話せた。初めてBBQや泊まりだってできた、できることなら私だって、私だって、引越しなんかしたくない…… 」


 彼女が人付き合いがうまいとか、こんなにも周りの人から愛されるとか、人気があるとか、色々考えていた僕は違ったんだ。彼女は彼女なりの悩みを抱えていたんだ。僕はそんなことに気づかず、ただ毎日を楽しく過ごしていたのか。彼女はまたすぐ引っ越すかもしれないような状況で、いつもその時を楽しんでいたのか。そんなことを思うと、いくらでもいろんなことが違って思えた。


「恵梨香がそこまで思って、恵梨香が引っ越すことがほんとに、嫌だというなら僕は言うよ、お父さんに。

力になれるかはわからない、引っ越すことがなくなることになるかはわからない。僕にそんなことできるかもわからない。でも、恵梨香の気持ちは、大切にしなきゃだって!僕は思うんだ、だから、僕がお父さんを説得してみる 」


「てんと…ありがとう……」


 彼女の目には涙が垂れていた。僕はこの涙を見て決心がより固まったと思った。


 店を後にして、恵梨香のマンションに向かった。


 

 恵梨香の家のマンションに着いた。


「私の家は、このマンションの最上階のフロア。お父さんも今日は部屋で仕事をしていると思うから、いると思う。」


「わかった、とりあえず部屋まで行こう 」


「うん」


 玄関を開けて、部屋に入った。


「パパ!ただいまー! 」


「おお!おかえり! ところで、君は、木村くんだったかな? 」


「はい、そうです」


「どうしたのかね恵梨香、木村くんを家に連れてきて」


「僕から話があるので話をさせていただいてもよろしいですか?? 」


「そんな改まって、なにかな?まぁ、上がってくれ、私の部屋に行くとしよう 」


 長い廊下を抜けて恵梨香のお父さんのいる部屋に紹介された。


「私お茶入れてくる。」


 恵梨香はその場からいなくなった。恵梨香のお父さんと部屋に2人きり。天斗が緊張しないわけがない。


「単刀直入に言います。恵梨香の引越しを取りやめてもらえませんか?? 」


「おおっと引越しの話だったか…それはね残念だけど、無理なことなんだよ 」


「なんでですか?えりかの気持ち考えたことはあるんですか? 」


「恵梨香はいい子で優しい子だからね、そんなことに文句は言わないよ! 」


「何にもわかってない!恵梨香がどんな想いで今まで学校生活を過ごしてきたか! たしかにあなた、お父さんは優秀でほんとに凄い方なのかもしれない、でも娘の恵梨香の本当の気持ちにも気づかないなんて、親としてそれはどうなんですか!! 」


「なぜ赤の他人にそこまで言われる必要があるのかね? そして、君が恵梨香のことをそんなにもわかったつもりでいるのは、なぜかね? 」


「分かりますよ、2年生になって毎日学校で一緒にいて、席もとなりで、最初は色々あったけど今は大事な友達なんですよ!僕は恵梨香のことを天真爛漫で天然でほんとに元気で、たまに行き過ぎることもあるけど、大事な大事な友達なんですよ! 」


「君は彼氏にでもなったつもりかな? 悪いが君のことは私は嫌いになりそうだよ、もう出てってくれ 」


「あなたに嫌われても構いません。恵梨香はこの学校に来て僕の周りの友達やクラスメイトから人気の子になったんですよ、この明るい性格も僕の周りの親友や、友達がいてみんな仲良くなって、恵梨香は素を出せるようになったんですよ!恵梨香も今のこの学校の友達と離れるのは嫌だって、僕に相談してきて、泣いてまでしたんですよ!僕はいつもの笑顔からは想像できない彼女の涙をみて助けたいと思った!恵梨香のためになるなら、僕はいまあなたに嫌われても構いません!!! 」


「凄い熱意と物言いだね、、でもこれは残念だけど私の新事業で決まってしまったことなんだよ 」


「仕事優先なのかよ…」


「まぁ君みたいな良い友達ができて良かったな恵梨香も、またいつか、ここらに遊びに来た時に遊んでやってくれ」


 天斗と恵梨香のお父さんの会話は廊下にまで響くほどの声だった。お茶を注いだ恵梨香はコップを持ったまま、部屋の前でその会話を聞き、座り込んで泣いてしまっていた。


「どうしても無理なんですか? 」


「あぁ、残念ながらね 」


 恵梨香が部屋に勢いよく入ってきた。


「パパ!私この学校に通いたい!今まではね、学校でも引越しのせいで友達全然できなくて、1人が多かったの。でも今の友達は今までの学校の友達と違って、私とちゃんと接してくれるの!七海も!川村さんも、健太くんも!美加も!、そしてもちろん、そらとも!!!!! 」


 この時初めて彼女は僕のことをそらとと呼んだのだった。その時の彼女の表情は今までにない気迫と気持ちが固まった物言いだった。


「恵梨香…… 君がそこまで言うなら仕方ないか……わかった、しょうがない。この学校を卒業するまではその事業は展開しないことにするよ、」


「ありがとうパパ!!!!!! 」


「よかったな!恵梨香! 」


「うんありがとうね!ほんとのほんとにありがとう!

てんとのおかげだよ!! 」


 またてんと呼びか、ま、いっか。と天斗も嬉しくて涙が出そうでいた。


「君が恵梨香を変えてくれたんだね。そして私も君に変えられたのかもな……」


「パパなんか言ったーー!? 」


「ううん!なにもないぞ!木村くん恵梨香のことをよろしく頼むよ! 」


「はい!! 」


「じゃ、パパ、てんとを近くまで送ってくるね! 」


「はい、気をつけてな 」


 長い話し合いが終わって、もう外はすっかり暗かった。2人はマンションから出て、歩き出した。星が輝き、月も綺麗に2人を照らしていた。


「今日はほんとにありがとねてんと! 」


「ううん、力になれてよかったよ! 」


「なんで私のためにここまでしてくれたの? 」


「うーん、わからない、でも助けなきゃいけないって! 」


「あらそうなのね、じゃお願い一つ聞いてあげるよ!! 」


「えー、いきなり言われてもなー」


「なになに〜〜! 」


「うーん、じゃそろそろ、そらとって呼んでくれ(笑) 」


「えー、てんと呼び気に入ってたのになぁ!!でもそらとがそうやって言うなら、そらとってちゃんと呼ぶことにするよ(笑) 」


「ほんとか、ありがと!(笑) 」


「うん!!!!!! 」


 天斗を恵梨香は近くまで送り、お互いに家に帰宅した。

 

 僕は家について今日のことを振り返って、思い出して、彼女に聞かれた質問をよく考えた。なぜ僕は、恵梨香のためにあそこまでしたのか。そしてそこまでして助けたかったのか。考えてもこの時の天斗はまだ答えが見つからないのであった。

 

 そして、2人にとって、長い長い一日が終わったのだった。



 時は経ち夏休みもどんどん終わりに近づいていた。


 


 明日は始業式、ついに2学期が始まってしまう。2学期は学園祭があるシーズンだ。天斗やみんなは2学期がスタートするのが楽しみであった。



第5話ありがとうございました!徐々に沢山の人に見て頂けるようになってきました!夏休みも終わりましたね!第6話からは2学期、そして文化祭シーズンに入っていきます!どんどん関係が変わっていきます!是非目を離さず見て下さい!感想、コメント、評価よろしくお願いします!Twitterのフォローもよろしくお願いいたします!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 青春!という爽やかな風の中にいる気分でした!今は戻れないあの時代、もっと力一杯、この子達のように満喫すること、とっても記憶にのこる、大切なものですね。 [一言] とても楽しませていただきま…
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