第2話 君とじゃなきゃ
第2話です。1話が好評だったので嬉しかったです。
天斗と恵梨香、そして七海の関係は…??感想や、コメント、評価お願いします。またTwitterのフォローも、お願いします!!
七海がそんな想いを抱えていることなんて、天斗は気付いていない。もちろん周りもだ。
「ねー! てんと今日放課後ひま?? 」
恵梨香は言う。
「まあ暇といえば暇だけど? 」
恵梨香の言葉や行動はまるで、晴れの日の猫のような自由な行動をする。その行動に対して迷惑などと思うことは僕はない。別に彼女にたいして嫌だと思う気持ちもいざこざがなくなってからはない。
「じゃ、私行きたいカフェがあるの! 一緒に行こうよ! 七海とか川村さんとか健太くんを誘って! 」
「おれは全然いいぜ! 行こうぜ! 」
健太は乗り気だ。
「七海もいけるよね?? 」
恵梨香は聞くが、七海はぼーっとしていた。
「七海?? 大丈夫?? 」
恵梨香は少し心配そうに聞く。
真優も七海のことが少し心配な様子を見せる。
「あ、うん! いけるよ、大丈夫! 」
「よかった! じゃ5人で行こっか!! 」
こうして放課後の約束が決まった。
授業が始まった。恵梨香は教科書も届き、なにも起こらないまま、普段通りの生活で時間は過ぎた。
授業は終わり、約束の放課後の時間になった。教室からクラスメイトがたくさん出て行く。
「じゃ、行こっか! 」
恵梨香は笑顔でみんなに言う。天斗も、健太も楽しみにしている様子が伺える。七海と川村もそれなりに楽しみにしている様子だ。そこへ、美加がやってくる。
「おー美加! 俺たち今日寄ってくとこあんだ! 」
「え? そうなのー 」
美加は天斗と健太たちが5人で仲良さそうにしているのを見て入る隙がないと少し落ち込んでいた。
「この子も一緒に誘いましょうよ! 」
恵梨香は美加に一緒にくるように誘った。
「えっ!いいの?? 」
「うん!! もちろんだよ、みんないいよね? 」
「うん!! 」
全員嫌な顔一切せずに美加も一緒に6人で行くことになった。
僕はここでメンバーを見て思った。幼馴染みの2人、健太と美加、それと転校してきた天真爛漫な恵梨香、中学からの好きな人相澤さん、それと相澤さんの友達の川村さん、すごいメンバーだなと思う。楽しそうな気がして、歩きながら期待を膨らましていた。
「なぁそのカフェってなんか有名なのか?? 」
健太が恵梨香に聞く。
「うん! 最近できたらしいんだけど、すごい美味しそうなケーキと紅茶があるらしいの! 」
「へぇ〜それは楽しみだな」
みんなで楽しくそんな会話をしながら歩いていると、店があった。
「あ! そこそこ!! 」
恵梨香は一番乗りで入って行く。
「へぇ〜すごいおしゃれだなぁ 」
天斗と健太はそのカフェを見て2人で少しびびっていた。
「七海、やっぱりどうかしたんでしょ? なんでそんないけすかない表情してるのよ! 」
「本当になんもないから! 大丈夫だよ! 」
天斗もそのやり取りを見て少し変だと思っていた。
中に入るとふかふかのソファーがたくさん並んだ、洋風な店内だった。6人で座りケーキと紅茶とみんな同じものを頼んだ。
「ねぇねぇ! 美加ちゃんと健太くんと天斗は幼馴染みなんだよね?? 」
恵梨香の質問に対して、美加は答える。
「そうそう! 七海も中学からは同じだよ!! 」
「あっ! そうなんだ! じゃみんな前からの知り合いなんだね! 」
幼馴染みの2人と僕がずっと好きな相澤さん。こんなにも楽しいメンバーでカフェにいけるなんて天斗は最高な気分だった。
ケーキや紅茶が来た。
「んわ!! おいしいーーー!! 」
「うん美味しいね!! 」
さっきまであまり良い感じではなかった七海も笑顔が溢れる。やっぱり笑顔の優しい相澤さんはかわいいなぁ、、相変わらず天斗は七海のことが好きである。そんなこんなで楽しく、美味しい、有意義な時間は過ぎた。
「んじゃまた明日ね!! 」
七海と川村は駅の方に向かって歩き出した。
天斗と健太と美加と恵梨香は逆に向かって歩き出した。
「ねぇ七海、あんたこのままだと若林さんに取られちゃうんじゃないかって心配なんでしょ? 」
「そうかもね…」
完全に図星だった。七海は想いを伝えることがなおさらできないような気がしていた。
「私は中学から見ているし、話しているのに距離がまだ縮まらない気がするのに、なんで若林さんはあんなに人の懐に入るのが上手なのよ。私だって、私だってさ…… 」
川村は七海を励ます。そんな2人は駅の方へ消えていった。
「ねぇまたみんなでこようね!! 」
恵梨香の言葉に対して、健太と美加は言う。
「もちろん!! 」
「 なによ、あんたは行かないの? てんと!! 」
「いやいやいくよ! 僕もいくよ! 」
「ふーん、そこまで言うなら、まあ仕方ないから一緒に行ってあげるよ〜 」
「なんだよその言い方は(笑)」
仲良く4人は会話が弾んでいた。ここで健太と美加とは分かれて、恵梨香と2人きりになった。
「ねえ、あなたの周りの友達はいい人たちばかりだね」
「まあそうだね、みんなほんとに良い人だよ」
「うん、私もそう思う!」
間違いがない。僕の周りはほんとに良い友達ばかりだ。恵梨香ともみんなが仲良くなれてよかったと思った。
「じゃ! 今日はありがとね! 」
「うん! また明日ね! 」
恵梨香はマンションに入っていき、ここで分かれた。
僕は一人で家に向かって歩き出す。
「ただいまー」
「あら遅かったじゃない、どこか行っていたの? 」
母さんが聞いてくる。
「ちょっと遊びに行ってただけだよ」
「えーお母さんー、やっぱりお兄ちゃん彼女できた!? 」
「それはないと思うよ(笑)」
母さんと瑠奈のいつも通りの会話が聞こえてきた。
「僕だって欲しいよ彼女は。だけどそんな簡単にできたら苦労はしないんだよ。」
聞こえるはずもない声で呟いた。
恵梨香が転校してきて、少し学校が前よりも楽しくなってきたような気がして、毎日毎日が楽しく過ごせて、充実した日々を送っていた。
だんだん暑くなってきて、汗ばむ季節となり、1学期も時が経ち、夏休みの1週間前へと時が経った。もちろんその間の七海と天斗の間には今までと変わらず、大した変化はない。
「暑いよなーーーー夏休みまであと少しだよなー!」
健太がいつも通り教室で一と天斗に向かって大きな声で言う。
「そうだなー、暑すぎるぜ! 海でも行きてぇな! 」
一も暑そうに汗を額にかきながら言う。
「天斗、夏休みは毎日遊ぼうぜ! どーせおまえも暇なんだしさ! 」
「いや、そんなことはないよ! 僕もやることはあるんだよ、それなりにね 」
「やることなんてねーだろ!!(笑) まあどーせ暇なんだから、遊びに行くわ」
「健太こそなんかやることないの?? 」
「まあバイトくらいだよな! 」
「あるじゃんやること(笑) 」
「まあ細かいことは気にするなって! 」
健太はこうやっていつも気にしないことが多い。それが他人にとって、重要でも、健太にとっては重要なことではないのかもしれない。そんな健太も友達として好きなのだ。だからこれといって、文句とかはない。
「ねえてんと! あと1週間だよーーー!! 私もう我慢できないーーーーー!! 早く遊びたい!!! 夏休み、みんなでたくさん遊ぼうね!! 」
恵梨香はいつでも元気よくこのテンションで話しかけてくる。それは良いのだが、そろそろてんとではなく、そらとということを覚えて欲しい。まあ彼女はそんなことどうでも良いって思っているだろうけど、、
恵梨香との関係は日に日に良くなっていき、仲良くなっていた。友達としてお互いのことを好きなんだと伝わってくるような関係であった。七海はそれを見て、どんどん恵梨香のことを天斗が好きになっているのだと思っている。
「木村くんにとっての私ってなんなんだろう。 考えていても仕方ないか…… 」
負けてられないと七海は自分を鼓舞して天斗とこれから距離を縮めることを微かに決めた。
天斗たちの関係はこれからどんどん変わっていくであろう。そんなことはまだ本人たちは知らない。
今日も一日が過ぎて、毎日、毎日夏休みへと近づいていく。
終業式の日になった。
「おーい明日から夏休みだ、まあ学生の夏休みは遊べる時にしっかり遊んでおけー! 勉強もしっかりやれよー! 」
担任の上田先生はクラスに向かって大きな声で言った。
「よっしゃー明日から夏休みだなあ!!!! いっぱい遊べるぜ! 」
健太と一も大きな声でクラスに聞こえ渡るように言う。
「お前らは遊んでばかりいないで、しっかり勉強もしろよな!! 」
「へいへいー」
教室は笑いに包まれる。
「てわけだからお前ら楽しめよ! 夏休み! また夏休み明けの二学期楽しみにしてるからな! 」
先生の挨拶が終わり、クラスメイトたちが夏休みに向けて楽しみな表情と、少し寂しげな様子を見せて、教室から出て行く。
「じゃーなー! 」
「また二学期!! 」
「夏休み遊ぼーなーーー! 」
「バイバーイーーーー」
みんなからどんどん出て行く。
「じゃみんなまた連絡するから集まろうぜ! 」
健太は天斗や恵梨香、七海たちに言った。
「もちろん!! じゃ! また今度ね!! 」
七海が近寄ってきた。
「木村くん! 夏休みどこかへ出かけたいんだけど、
一緒に行かない?? 」
「え、え? え? 二人で!? 」
「ダメかな、、?? 」
「いやいや!もちろんもちろんいいよ!! 」
「じゃまた後日連絡するね!! 」
「うん!じゃまた!! 」
七海と川村たちが教室から出ていき、帰っていった。
「2人でか。相澤さんにか、ほんとにか……」
まさか天斗は七海に遊びに誘われるなどと思ってもいなかった。嬉しくて嬉しくて仕方ない天斗だった。
「ねえてんと、明日ちょっと出かけたいんだけど、付き合ってくれない?? 」
恵梨香にも声をかけられる。
「あ、いいよ! 」
「やったね、また後でゆっくり時間は決めよ!」
天斗は心から嬉しかった。ずっと好きだった相澤さんにも誘われて、最初仲が良くなかった恵梨香にも誘われた。とても幸福な気持ちで満たされていた。
「おい天斗なに、にやけてんだ? 」
健太に言われる、それに美加ものってくる。
「ほんとだ、気持ち悪いーーーー」
「いや特になにもないよ(笑)」
嬉しさが込み上げて、頬が上がっているのがバレバレな天斗だった。
そのまま4人は学校から下校し、下らない話をしながら、帰っていった。健太と美加と分かれて、恵梨香と2人で歩く。
美加は唐突に聞く。
「ねえ? 健太はさ、恵梨香ちゃんのこと好き? 」
「いきなりどうしたんだよ(笑) 好きっていうか、でも可愛いよな」
「そ、そうなんだ、まぁそうだよね」
「それがどうかしたのか? 」
「いやいや、特にないよ!! 」
美加はこの時少し辛そうな顔だった。
「私は君じゃなきゃだめなのに。健太にとって私ってただの幼馴染みなんだよね。」
「なんかいったか?? 」
「ううん、なんでもないよ!! 」
健太は幼馴染みとしか思っていないのだ。そもそも美加が自分に気があるなんて思ってもいない。それはこんな態度になってしまうのも無理がない。
恵梨香と天斗は2人で歩いている。
「ねえてんと、明日のことだけどさ2人でショッピングに行きたいの! 付き合ってくれるよね? 」
「いいよ行こうか」
「じゃ明日この公園に11時に待ち合わせね! 遅れたら承知しないからね! 」
「はいはい、わかりましたよ」
「じゃまた明日ね!! 」
2人はお買い物の約束をした。急速な変化と進展、そしてアツい夏休みがやってくる。
第2話ありがとうございました。雨が毎日たくさん降っています。梅雨の季節は洗濯物が困りますね。本編でも夏休みが始まります。暑くてアツイ夏休みを楽しみに!!第3話で会いましょう!!