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第15話 君と君からすれば

第15話です。ついに最終話です。これまで沢山の応援本当にありがとうございました。天斗たちの恋最後まで見届けてください。お願いします。

レビュー、感想、ブックマーク登録、是非よろしくお願いします!!

 

 春の桜が咲き、心地よい風が流れる。


 天斗と七海は屋上にいた。陽が長くなり、放課後はまだ明るかった。




  


 数日前……



「いい加減にしろよ!! 」


「痛った…なにすんだよ…… 」


 ………


 僕は健太と言い合いをした。恵梨香のことや七海のこと。自分の優柔不断な甘さや、適当なところ。全て見直すことができた。やはり持つべきものは友だと思った。健太と幼馴染みでよかったと心から思えた瞬間だった。


 健太のおかげもあって、僕は恵梨香に自分の気持ちをしっかり伝えることができた。


 そして、僕は七海に必ず伝えると決めた。僕のこの気持ちを。画面越しじゃなくて、電話でもなくて、必ず目を見て直接言うと。


 


 

 あの日のことがあってから数日間は春休みに入っていて学校がなかった。


 

 





 そんな春休みのある日のこと……


 


 恵梨香は七海をカフェに呼び出した。


「久しぶり〜! 」


「恵梨ちゃん久しぶり〜 」


2人は3月の最後の学校の日のこともあってか、少し気まずい様子だった。


「話ってのはね、私告白したよちゃんと 」


「うん、付き合ったって報告かな…?? 」


「ううん…… 私振られちゃったよ… 」


「え? 」


「そらとは他に好きな人がいるんだって 」


「そうなんだ… 」


「七海も諦めちゃだめ!ちゃんと想い伝えなきゃ! 」


「うん、わかってるよ、私決めたから! 」


「私にはそらとは無理だけど、七海なら大丈夫だから! 」


「わからないよそんなのは…でも私もちゃんと想い伝えなきゃだね 」


「大丈夫!七海とそらとなら絶対幸せになれるよ! 」


「うん、頑張るね! 」


「うんうん!! 」


 恵梨香は辛そうな顔だった。自分は振られて、目の前には好きな人の好きな人。どうもできない感情は涙が表した。


「恵梨ちゃん……? 」


「ごめん… 私、本当に… 」


 恵梨香は2人を応援すると、ちゃんと自分で決めていたのに。それは難しいことだった。


 想いを寄せる相手のことを考えるだけで胸が苦しくなる。青春を過ごす高校生にとって好きな人と、好きな人の好きな人を応援するということがどれだけ辛いか。そんなこと分かってたはずだったのに、涙が自然と溢れる。



「私、2人のことちゃんと応援するって決めたのに…

でも辛いね。やっぱり…… 」


「恵梨ちゃん…… 」


 恵梨香の涙に七海も泣くのを耐えられなかった。


「私の大好きな、七海とそらとなら大丈夫!だから絶対幸せになってね! 」


「恵梨ちゃん私も大好きだよ!! 私頑張るよ… 本当に… 」


 七海は想いを伝える決心がさらに強まった。天斗が自分のことを好きとは知らずに…


「そらとの相手が七海で良かったほんと… 」


「うん??どうかしたの?? 」


「ううん!なんでもない! 」


「うん… 」


 2人は泣いて泣いて顔から涙が溢れ落ちていた。


「七海、私たちずっと友達でいようね! 私にとっての唯一の親友なんだから!! 」


「もちろんだよ! こちらこそよろしくね恵梨ちゃん! 」


 2人の関係は良くない方向に進むと思いきや、逆に仲をより一層深め、親友になった。






 3年生として登校する最初の日の朝…


「七海、今日放課後話がある。屋上にきて 」


「うん、わかった 」


 天斗は朝すぐそのことを伝えたのだった。




 


 そして、放課後…


 

 屋上には天斗と七海2人きりだった。


「七海、僕は君のことが好きだ。中学の頃からずっと気になっていた。でもなんの取り柄もない僕は自分に自信もなく、クラスでも一番可愛い七海には話しかけられなかった。高校生になってクラスも一緒になって、少しずつ話すことが増えて僕は嬉しかった。恵梨香との出会いで僕たちの仲が少しずつ縮まっていたのを感じた。恵梨香のおかげだ本当に。恵梨香にはいろいろ誘ってくれたことやほかにも感謝は沢山しなきゃいけないって思ってる。いつも優しく、周りの人のことを助けようとする七海のことが好き。こんな僕に話しかけてくれて、優しくしてくれる君が好き。誰よりも可愛い君のことが好きだ。こんな僕で良ければ付き合ってください!! 」


「こんな私で良ければ、こちらこそよろしくお願いします! 」


「え?本当!?え!? 」


「うん!!私も大好きだよ!天斗!! 」


 2人はこれまでの悩み、苦労、伝えたかった気持ち、様々な想いが溢れて自然と涙を流し抱き合っていた。


「ありがとう七海 」


「ううん、こちらこそよろしくね 」


「ほんっとに、びっくりだよ!!」


「私もね、ずっと好きだったよ。ずーっと天斗のこと見てたよ(笑) いつも、なに考えるかわからない感じ出してるし、恵梨ちゃんとか健太くんとか、みんなに振り回されてるし、頼りないように見えるし…… 」


「え、なにそれ(笑) 」


「それでもね、誰かが困れば助ける。言われたこと、仕事はちゃんとやる。人には誰よりも優しい。頼りがいがないように見えるけど実は一番頼れるの。人には弱さを見せないようするけど、人が弱さを見せたら必ず優しく寄り添ってくれる。それだけじゃなくて顔もタイプで私は好きだよ…(笑) 」


「七海…… ありがとう!!!!! 僕はもう七海以外は考えられない。七海のことは僕に任せて! 」


「はい、こちらこそです(笑) 」


 

 2人がいる夕日の沈む屋上に、心地よい風が桜の花びらを運んでくる。



「前にも、屋上で夕日みたね(笑) 」


「うん、学園祭で七海が落ち込んでたときだね 」


「他にも、2人で見た別荘の浜辺の月。夜中2人で星を見たのも。全部ちゃんと覚えてるよ 」


「うん! もちろん僕もだよ! 」


 


 2人の視線は太陽が沈む景色にあった…


 




 

 その2人のことを恵梨香は外から見ていた。



「良かったね2人とも。やっぱりあの2人がお似合いだな〜… これで良かったんだね。あの2人ならずっと幸せでいられるような気がするなぁ。2人がずっとずっと幸せでいられますように…… 」


 


 そんな恵梨香の目には綺麗な涙が流れていた。


 

 それでも恵梨香の顔は夕焼けの桜よりも、美しかった……



 


 


 


 それからの学校は3年生として、勉強や、それぞれの進路に向けてみんなが頑張っていた。


 そんな日々を毎日過ごしてる中で、七海と僕は特別、恋人のようなことはできてはいないが、お互い好きなのが伝わってくる。そんな幸せな日々がずっと続いていた。恵梨香との関係も前よりも友達として仲良くなった。何かあればいつでも相談できる最高の友達になれた。七海と恵梨香はとても仲のいい親友になっていた。健太と美加ともこれまで通り仲良く幼馴染みとして過ごせた。




 


 時は経ち、卒業式…


 特になにも起こらずみんなで卒業ができた。卒業後の進路は天斗と七海や川村は大学に進学し、健太や一は就職。美加は美容の専門学校へ、恵梨香は街中でスカウトされ、駆け出しの読者モデルとなっていった。それぞれの進路にみんな自分のスピードで少しずつ走りだしたのだった………





 

 君からすれば、僕、私は1番の好きな人……



   




                    END










最終話。第15話ありがとうございました。

最後は天斗と七海良かったですね。恵梨香の気持ちも痛いほどわかります。そして恵梨香のキャラクター性には泣かされるシーンが多々ありましたね。

処女作として書き始めたこの作品ですか、皆様の応援あって、ランキングにも恋愛ジャンル最高日間26位、週間17位と本当に嬉しかったです。私のようなまだまだ駆け出しの作者に寄り添って応援してくれた皆様本当にありがとうございました。この作品をもっともっと広めて頂けると幸いです。

最後になりますが、これまで沢山の応援本当にありがとうございました。次作でお会いしましょう。では!!


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― 新着の感想 ―
[良い点] 完成おめでとうございます。 お疲れさまでした。 本当に良かったです。 [気になる点] 次回作も楽しみな作家ですね。 [一言] 本当にお疲れさまでした。
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