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第12話 君と分かった日から

第12話です。バレンタイン編が開幕しました。ついに美加が!? そして、七海と恵梨香の2人の想いと天斗の思いは!? レビュー、感想、ブックマーク登録等、是非よろしくお願いします!!


 七海と恵梨香は天斗への想いをお互いに告白し、前に進み始めた。美加も健太への想いをしっかりと決め、バレンタインに告白する決意も固まっていた。


 バレンタインは、誰もが恋焦がれる季節。女性が好きな男の人にチョコレートで好きな気持ちを伝える。友達にあげる義理チョコや好きな男子にあげる本命チョコ、様々な形で全て含めてバレンタインと言える。男子にとって、バレンタインは喜びの1日になるのか。それとも切ない1日になるのか。


 

 そんな七海や恵梨香、美加たちのそれぞれの想いが交差するバレンタインが明日に迫っていた。



 

 

 バレンタイン前日の朝




「ねー、天斗、私決めたの。健太に明日チョコレートあげて、告白することにした! 」


「ほんとか?? 頑張れよ〜! 」


「うん! 良い結果になっても、辛い結果になっても多分後悔はしないと思うの! 」


「うん、応援してるよ 」


「ありがとうね! 頑張るね! 」


「あ、健太きたね! 」


 いつもの朝だ。学校に行くための待ち合わせ場所に美加と天斗が待つ中、健太も来た。


「おはよう〜 」


「おー、美加おはよう! 天斗も! 」


「おはようー 」


「じゃ行こうぜ! 」


 3人は学校へ向かった。


 その日の学校は、いつも通りの変わりない日だった。七海と恵梨香も普段通り。みんながいつも通りだった。


 


 バレンタイン当日




 学校に3人で向う朝。落ち着かない様子も見せるが、美加はいつもより気合の入った雰囲気だった。髪型といい、目元といい。唇もいつもより光っている。リップを塗っていた。完全に気合が入ってる様子だった。


 学校に着くと、女子たちは少し落ち着かない様子だった。やはりバレンタインは男女共に緊張するイベントだ。


 教室は甘い匂い、そしていつもより甘い雰囲気を感じる教室だった。

 

 席に座った僕に恵梨香が話しかけてきた。


「おはようそらと!今日一緒に帰らない?? 」


「うん、いいよ 」


 僕は恵梨香に誘われて2人で帰ることになった。これはもしかして…と思う自分もいた。


 健太は朝からクラスの女子からたくさんチョコレートを貰っていた。あんなにもらって返せるのだろうか、と思ってしまうほど。一に関しては全くもらっていなかった…


 友チョコや義理チョコを渡す女子たちがいる中、本命を渡す女子も少なからずいるだろうと僕は思っていた。


 そんな僕の元へ、


「天斗くん、放課後ちょっと屋上で前みたいに話さない?? 」


「あ、うん! いいよ! 」


「うん! じゃ放課後屋上で待ってるね! 」


 七海から呼び出された僕は、嬉しい感情を抑えられなかった。これはまさか七海からのチョコレート。と思っても仕方がなかった。


 周りはみんなチョコレートの話題ばかりだったからである。


 そんなフワフワした気持ちで1日を過ごしていた。


 

 時間はいつもよりも長く感じていたが、やっと放課後になった。


 七海が教室から出て行ったので、屋上に向かったのであろうと、僕も向かおうとした。


 その時、美加が教室に入ってきた。


 美加は健太に一緒に帰るように言い、2人は教室から出て行った。


 僕も屋上に向かった。




「ううぅ、寒いね」


「寒いね〜、でも私この場所好きなの、文化祭の時も、前の雪が降った日も天斗くんと2人で話せたから(笑) 」


「ほんと?嬉しいよ 」


 僕は七海の言葉に嬉しさを隠せなかった。


「それでね、私天斗くんに渡すものがあるの 」


「うん 」


「はい!どうぞ! 」


「あ、ありがとう!!!! 」


 七海からの手作りのチョコレートケーキだった。


「文化祭の時のスポンジケーキのチョコレート味だよ! あのケーキ天斗くんが美味しいって言ってくれて、そのおかげで成功したんだよ〜 」


「ありがとう!ほんっとに嬉しい! 」


「いえいえ、ちゃんと食べてね(笑) 」


「もちろん! 絶対美味しいこれは!!! 」


 天斗は七海からのバレンタインに嬉しさが溢れる。2人は途切れることなく会話が弾んだ。


 



 その頃


 美加と健太は一緒に帰っていた。美加はどうしても行きたい場所があると健太を誘い、幼い頃よく遊んだ、良い景色が見える山の上の公園に向かっていた。


「うぁーいい景色だねー! 」


「おおーー! ひさびさだなぁ!」


「うんそうだね! 」


「なんにも変わってないよな〜 」


「ねぇ、健太! 」


「ん、どうしたんだ 」


「はいこれ、チョコレート、苦手だけど手作りして頑張ったの! 」


「うぉーー、ありがとうな!! 」


「うん、それでね 」


「うん? 」


「私、健太のことが好き。私たち幼馴染みだけど私は中学の頃から好意があったよ。高校生になってどんどん大きくなるにつれて想いも大きくなってるの。健太のことずっとずっと近くで見てきたけど、いつもみんなの笑顔の中心だし、健太がいるとみんなが笑顔になる。本当に優しいし、友達想いなところも。全部本当に好き!! こんな私で良ければ、私と付き合ってください! 」


「美加、気持ち伝えてくれてありがとうな。だけど俺は美加のことはやっぱり幼馴染みだよ。好きだよ友達として。俺たちはずっと仲の良い友達でいたいんだ。だから美加の気持ちには答えれない。ごめん。 」


「うん。そうだよね。ありがとうちゃんと言ってくれて。 」


「ううん。美加こそ。ありがとうな。こんな俺だけとこれからもずっとよろしくな 」


「うん、こちらこそ 」


「うん! 」


「私、ここにまだ居たいから先に帰ってて!」


「あ、うん、分かったよ! 気をつけて帰れよ! 」


「ありがとう! 」


 美加は健太の前では必死に歯を食いしばっていた。泣くところは見せなかった。弱いとか思われたくなかった。そんな美加も健太がいなくなった途端、溢れ出す涙が抑えられなかった。


「やっぱり、私は幼馴染みだよね。本当はこうなることが分かっていたのに。でも辛い。本当に辛い。」


 美加の今までの想い、そして溢れ出す涙。健太のあの受け止めきれない言葉は涙と溺れていくのであった……



 


 その頃、天斗と七海は教室に戻って学校から出て、お互いの帰り道を帰っていた。


 天斗は思い出した。恵梨香と帰りの約束をしていたことを。


 僕は恵梨香に何も言わず、ずっと屋上で七海と話していたんだ。恵梨香は教室にもいなかった。これは恵梨香を怒らせてしまったと天斗は反省する中、今すぐ恵梨香のところへ行かなければいけないと思い立ち、恵梨香のマンションに走り出したのだった。




 走り続けていたら、あの公園に恵梨香がいた。


 僕は迷わず彼女の元へ行った。


「ごめん!ほんとにごめん! 」


「うん…いいよ」


「怒ってる、よね?? 」


「うん怒ってるよ 」


「本当にごめん。ちょっと呼ばれてて」


「七海でしょ。分かってるよ 」


「あ、うん。」


「ねー、そらとはやっぱりずっと七海が好き? 」


「う、うんいやその… 」


 僕は答えられなかった。もちろん七海のことは好き。しかし恵梨香のことも好きなんだ。2人が好きなんて言えない。


「私、決めたんだよ。負けないって。」


「え??」


「まぁいっか!! とりあえずチョコレートあげる! 」


「ほんとか! 嬉しい! ありがと!! 」


「ちゃんと食べてね 」


「うん! もちろん! 」


「今日の約束破った分は今度しっかり償ってもらうからね〜 」


「怖いな〜その言い方は 」


「あら、そう? 」


「はい… 」


「ねー、そらと、ちょっと散歩しに行こう! 」


「うん、いいよ 」




 

 天斗と、恵梨香の2人は月明かりが照らすバレンタインの夜に2人で長々と散歩をしていたのであった。




 


 



  


 

 



 

第12話ありがとうございました。美加の恋とても切ないですね… 天斗たちの恋はどうなるのでしょうか… 急スピードで物語進んでいきます。これからも応援是非よろしくお願いします。

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