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第10話 君と気づくには

第10話です!!ついに三角関係が決定的になった前回に続き、天斗の気持ちには悩みや、変化が。だんだん終わりが近づいていますね。さて天斗たちは幸せになれるのでしょうか??最後まで応援よろしくお願いします!!是非、評価、レビュー、感想お願いします!!ブックマークの登録も忘れずに!!


 

 天斗はその夜、寝付けなかった。

 

 カーテンから差し込む月の光。その空間だけは落ち着いた世界だった。


 何が正しいのか、何が違うのか、僕は考えても答えは見つからない。時間は過ぎていくばかりで不公平である。と深く感じた夜だった。


 

 次の日になっても、昨日の雪は残っていた。晴れてはいたがかなり冷え込んでいた。


 健太と美加と学校にいつも通り、学校に向かった。


 自分の気持ちや、想いは、日に日に分からなくなっていた。学校についても気が入らなかった。


「おい天斗、ジュース買いに行こうぜ 」


「あ、うん、いいよ 」


 2人は自動販売機がある下の階に向かった。


「何にしよーかなーーー、おい天斗、奢ってやるから選んでいいぜ! 」


「あ、ありがとう 」


 僕はお茶を買ってもらった。天斗はコーラを買った。


「で、お前は何を悩んでんだよ 」


「ん、別に悩んでないよ 」


「嘘はいいよ、おれにはわかるから 」


「うん、でも… 」


「まぁ、だいたいわかるけど、お前の口からおれは聞くまで聞かないことにするよ 」


「うん、ありがと 」


「元気だせよ!! 」


「うん 」


 健太は気付いているのだろうか。僕の想い、そしてあの2人のこと。そんなことはどうでもいい。この気持ちをはっきりさせたかった。


 2人は教室に戻り、授業も始まった。


 授業にも全く身が入らなかった。こんな自分が僕は嫌になった。


 その日の放課後、恵梨香に誘われて一緒に課題をやることになった。


 教室で放課後課題をやるのなんてひさしだった。


「ねぇ、そらとー! ここ分かるー? 」


「うん!分かるよ! 」


 僕は彼女に丁寧に問題の解き方を教えた。


「すごい、、そらと頭もそれなりにいいのねー! 」


「まぁそれなりにね(笑) 」


「で、元気ないみたいだけど、なにか悩み事があるのかな? 」


「うん、まぁでも大丈夫だよ 」


 こんな問題を恵梨香に話せるわけがない。


「私で良かったらいつでも聞くからね! そらとには本当にたくさん助かってもらったし、いつも優しくしてくれる!私すごい嬉しいよ!! 」


「うん、こちらこそだよ 」


 恵梨香には恵梨香のいいところがたくさんある。彼女のこと僕は…


 課題も順調に終わり、暗くなった夕方、2人は一緒に帰った。


 昨日の雪で遊びながら帰る彼女。僕に雪を笑顔で投げつけてくる彼女。笑顔が絶えない彼女。僕は彼女のいろいろな面を見てきた。ダメなところもいいところもそれなりに理解できている。なんで恵梨香のことはこんなにわかっているのに。七海のことはまだ分からないことがあるんだ。僕は本当は…


 それからの日々も毎日が淡い日々だった。こんなでは、僕はいけないことくらいとっくに分かっている。



 1月の下旬のある日だった。天斗が珍しく学校を休んだ。健太と恵梨香と七海はお見舞いに行くことになったのだが、美加は用事があって来れなかった。


 3人は天斗の家につき、天斗のお母さんに連れられ天斗の部屋に入った。


 健太が部屋に最初入り言った。


「おーい大丈夫かー! 天斗ー!」


「みんな来てくれたのか、ありがとう 」


「天斗くん、大丈夫ー? 」


「七海、ありがとう大丈夫だよ 」


「なんで体調なんて崩してんのよ〜 ちゃんとしてよね〜 ほんとー! 」


「ごめんごめん 」


 恵梨香は本当に心配してるのか分からない、恵梨香らしい言い方だった。


「まぁとりあえず学校からのプリントとポカリとか食べれるもの買ってきたからここに置いておくから、しっかり食べろよ! 」


「ありがとう 」


「おう!全然いいってことよ! じゃ帰るけど、早く治して学校こいよ!! 」


「うん!ありがと! 」


「じゃそらと!明日は来れるね?(笑) 」


「それはわからないけど頑張るよ 」


「じゃあお大事にね、天斗くん 」


「うんありがとう 」


 3人は天斗の家から出た。それぞれの方向に向かってみんな帰った。


 しかし、七海だけは途中で折り返し天斗の家まで戻ってきた。


 玄関のチャイムを鳴らして天斗のお母さんが出てきた。


「あら、七海ちゃん、どうしたの?? 」


「あの、渡し忘れたものがあったので! 」


「あらー、ありがとうね! どうぞ、上がっていって」


「はい! 」


 七海は天斗の部屋に向かった。


「天斗くん、またごめんね 」


「七海、どうしたの?? 」


「さっき渡そうと思ったんだけど、どうしてもみんないたから無理だったの 」


「う、うん 」


「はいこれ! 」


 七海から渡されたの手作りのクッキーと手紙だった。


「ありがとう七海、これで元気になれるよ 」


「うん! それなら良かった! じゃあね! お大事に」


「うん! ありがとう 」


 七海は部屋から出て、再び帰っていった。


 七海が帰って天斗は中に入っているクッキーを少し食べながら手紙を読んだ。


 そこには七海の優しさが包まれてる優しい言葉がたくさん並んでいた。最近の悩んでいる様子を見てのことだろう。何かは分かってはいないと思うのだが、優しい言葉に僕は心を打たれた。


「やっぱり七海は優しいなあ 」


 彼女のことがやはり好きだと理解できた。でももうひとつ同時に大事なことをしっかりと理解できたこともあった。七海のことはもちろん好きだ。でも、僕はいつからか恵梨香のことも、好きになっていた。2人のことを同時に今、好きになってしまっている。


 こんなことは絶対違う。おかしい。違っているとわかっている。それでも僕は彼女たち2人とも大事で、2人が好きである。そう理解し、僕のモヤモヤした気持ちが少しずつなくなり、前を向き始めた。


 でもやはり、どちらかに決めなければそれは良くない。それだけはしっかりと決めると心に誓ったのだった。





  2人を想う簡単に片付けられない気持ち。これがどんなに難しくて、大変なのかはこの時の天斗はまだ知らない……






第10話ありがとうございました!天斗の気持ちがはっきりしましたね。このはっきりの仕方が良いのか悪いのか、わかりませんが(笑)。第11話もお楽しみに!!感想、レビューお願いします!!


Twitter→ @m_itukimi

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― 新着の感想 ―
[良い点]  素敵です。 「青春」そのものを実感できるストーリーに、ドキドキしちゃいます。 [一言]  みんな良い子で、でも、だからといって葛藤や軋轢が生まれないわけじゃないんですよね。  恋の行方は…
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