ざまぁの悲劇
「〇〇の悲劇」ってお題でコメディ短編小説を書いてみるってのに触発されて書いてみた。
よぉ! おれだよおれ。
おれのことなんて知らない?
野郎の自己紹介なんてどうでもいいだろ?
誰だってそうだ。おれだってそうだ。おまえだってそうだろ?
まぁいい。
おれの名前は ざまぁ だ。
アレだ。最近よくなろう小説で出てくるタグだ。
検索してみな? いっぱい出てくるぞ?
意味的にはザマァミロって意味だな。
そいつが縮まった言葉のようだ。
いつの間にそう呼ばれたかは、おれは知らない。
でも語感が良くないよな?
なんせ、濁音があるとイメージが悪い。
濁ってなければサマァだぜ? 夏だぜ? 爽やかだぜ?
〇〇サマァ、××サマァ♡って、もう如何にもかわいい女の子に呼ばれるような感じじゃないか。
それがザマァにすると
〇〇ザマァァァァァ!
一気にかわいい女の子の声から残念なダミ声に変わったよ!
お姉さんだったら、オネェな人になった感じだよ!
虚弱体質からマッチョマンになったって感じだよ!
たった濁音一個ついただけで、これほど変わるのさ。
一字違いで大違いってね。
他の字を変えてみようか。
ガマァ! それは蛙だ。
ダマァ! それは塊だ。
ゴマァ! いい味出しますよ。
マザァ! mother. ローマ字のように書くなよ?
ァマザ! 残念。発音できません。
ァマザケ! とても美味しそうですね。
まったく日本語ってのは難しいね。
おっと、濁音ありなしの格差に愕然としていたら、脱線したか?
ざまぁについてだっけ?
ほら。アレだ。
嫌な奴って誰だっているだろ?
嫌な奴だから嫌なことするんだよ。
嫌な奴が嫌なことしなけりゃそいつは嫌な奴じゃないんだよ。
嫌なことされたら、ストレス溜まるよな?
最近じゃ、ヘイトを稼ぐっていうんだっけ?
んでもって、ストレス溜まったとこで嫌な奴が、悪い目にあったらスカッと気分爽快ざまぁみろって訳だ。
そんな内容で使うわけさ。
まぁ、自業自得ってやつなんだが、他人の不幸でメシウマってことだからな?
あんまり趣味がよくない内容だぜ?
それで、最近そいつが流行っているワードのタグになっているんだな。
流行だぜ? テンプレまでなってるんだぜ?
作者的には一度は流行りものなら書いてみたいって思うわね。
誰だってそうだ。おれだってそうだ。おまえだってそうだろ?
それで少しでも読んでくれる読者がいるなら、安易に使おうって気が起きるのもわかるな?
でも書いた当初は、ポイントをたくさんもらった。感想をたくさんもらった。ブクマをたくさんもらった。ランキングに載った。彼女ができました。
なんて良いスタートを切って、良い結果が出てたようなんだが。
連載が続いていくとな?
だんだん行き詰まっていって、批判的な感想が多くなった。ブクマがどんどん外されていった。ランキングから除外された。彼女なんて幻想だった。
なんていう悪い話も多くでてきたのさ。
もちろん、面白い小説はたくさんあるさ。
でもそうでない小説もたくさんあったのさ。
みんながみんな、安易に使うからこの様ぁだよ。
まったくもって無様ぁだね。
ん? もう黙ぁれって?
OK。わかった。でも一言だけいいか?
ざwww まwww ぁwww !
ざまぁにざまぁされる小説。
みんなは、ざまぁにざまぁされてないよね?
ちょっとブラックが入ったこめでぃ?
……外様、目覚まし、膝枕、このへんは思いついても入れられなかった。
ほかにもあるかな?