18.エルナン・ジャネス
通称剣バカ、エルナン君サイド。
見ての通り、その人物のラストはその人物の名前→「」タイトルですよ。
自分が書いていると、何故かバカのテンションが低めになってしまう……。何故だ。もっと溌剌としてるはずなのに。
ていうかマグネットすごいわ。注釈って言うシステムが超便利。
注釈のせいでエッセイ書きたい病が凄い。うう。
「はぁっ……はぁっ……。……ははっ」
誰も居ないグラウンドを、ゆっくりと一定の速さで走りながら、俺、エルナンは物思いに耽っていた。
何の考えて走っているか? そんなの決まっているだろう。
プリシラの事だ!
――――プリシラが俺に最初に掛けてくれた言葉は何だったか、と思ってな。
……もう、どんな言葉だったかは、忘れてしまったんだが。
俺はあまり頭が良くないから、記憶力が無いし、それ以上に…………彼女に会う日全てが楽しいものだったからな。
……俺がそんなに沢山の事を覚えて居られるわけが無い!
わはははは!
考えていた理由? それは勿論、……多分好きだからだ! それ以外は無い! ……好きってこの良く分からないふわふわした感覚の事なんだよな? そうだよな!
俺が、恋をしている、と気付いたのは……確か、あいつが授業で走っていた姿を見た時だったはずだ。
体格、基礎能力は劣っていても、絶対に諦める事無く、一生懸命に走るその姿が……とても愛おしく思えた!
――――最初は、ただの仲の良い友人という感じだった筈なのだがな。何があるか、分からない物だ。
走り始めた時には、地平線から出かかっている状態だった太陽が、もう、完全に地平線を離れ、浮かび始めていた。
……そろそろ走るのを終わりにするか!
ゆっくりと走る速度を緩めながら荒くなった息を整える。
「良し、今日も全力でやっていくか!」
俺は、額の汗を拭いながら、約束をした、その日のことを思い出していた。
▲ ▽ ▲ ▽
「っ! ……っ!」
模擬試合用の剣を真っ直ぐに降り下ろす。 一撃一撃に集中し、剣筋をしっかりと立てて、一本の直線を描く。
稀に、会心の一振りと言えるような、気持ちの良い一撃が出ると、自然と笑顔になってしまう。
やっぱり、剣は良いものだな!
ちら、と四つ隣で剣を振る彼女に目を向ける。
最初は剣を持ち上げる事すら出来なかった彼女の実力は、今、どうなっているのだろうか。
その時、俺の脳裏に素晴らしいアイデアが浮かんで来た。
▲ ▽ ▲ ▽
授業の終わってすぐに、プリシラの所へ向かう。彼女は、グラウンドを出てすぐの所に立っていた。
すぐにそちらに駆け寄ろうとしたが、緊張で体が止まってしまった。
「ふぅ……」
緊張はするが、緊張して臆するのは、もっと悪い事だよな!
という訳で、……行くぞ!
「プリシラ! ちょっと良いか?」
そう声を掛けると、彼女は、すぐにこちらに振り向いてくれた。
それが、本当に何となく嬉しい、と思えた。
そう思うと、彼女の行動一つ一つが、何か意味を持っている様な気さえしてくる。
「はい、何でしょうか?」
一度、小さく間を取ってから、俺は用件を短くプリシラに告げた。
「今度、俺と実剣で一度手合わせをしてくれないか?」
少し、率直過ぎたか? まあいい、後は結果を聞くだけだ! 断られたらまた考えればいいさ!
「はい、私で良いなら喜んで。何時に始めるんですか?」
「じゃあ、明日の十一時に、ここで会おうじゃないか! 出来れば……」
……ついでだ。これも言っておこう。
「この前……俺が買った武器だと嬉しい!」
「……分かりました。それでは、手合わせ、楽しみにしておきますね」
そう言ってふわりと微笑むと、こちらに礼をしてから、寮の方向に向かって、走り去って行った。
よし!これで大丈夫だな!
彼女だって頑張っているんだ! ……俺も、がんばらなければ!
「よし! 当日の為に練習をするか! わはははは!」
俺は、彼女が向かった寮の方の反対側、修練所に走りながら向かった。
▲ ▽ ▲ ▽
「よし! 時間が来たな!」
時計を見て、十分前になったので、グラウンドの休憩所をを出て、待ち合わせ場所に向かう。
今日は、いつもより十周多目に走ったぞ! これで今日の準備はバッチリだ!
そして、小さい頃から使っていた馴染みの長剣を手に持ち、プリシラが来るのを待ち始めた。
ちょっと短かったけれど、次回は多分長くなるります……と言うか長くなり始めてます……
えへへ。
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追記:題名が長すぎてマグネット用の表紙に入れづらいので、題名を変えます。決まったら変えます。





