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16.森で戦闘。

まだまだ……がんばる……

 

 今日も休日。今日は、街の外に行くよー。


 この周で外に行くのは初めてだね。


 まぁ、行く理由も無かったし。


 今日は、いつもと違って、防具を付けている。


 鎖帷子が中心で、腕は冷気を防ぐ為に厚めの革手袋を付けている。


 胴部分だけは、金属製のブレストプレートを付けているよ。


 勿論、六花も持ってきて、腰に下げてある。


 さて、準備も出来たし。行こうか。


 ▲ ▽ ▲ ▽


 鬱蒼とした森の中。巨大な樹木の、葉の間にわかに射し込む木漏れ日だけが、薄くこの森を照らしている。


 その森の中を、一人で歩く。


 歩く度に、足元の草がさく、っと小気味良い音を立てていた。


 ざっ。


 突然聞こえてきた、自分の足音とは違う足音。


 それに警戒すると同時に、目の前の木の影から、何かが飛び出してきた。


 ……防具と武器を持ってきたって事は、勿論戦闘をするって訳で。


 戦闘するって事は敵が出てくる事だ。


「私にとってはお久しぶりだけれど、君にとっては初めまして、だね」


 灰色のボサボサとした触り心地の良くなさそうな毛並みに、鋭い爪を持つ、しなやかな細い足。顔は、正に凶悪、といった様な風貌だった。


「グルルゥ……」


 そう薄く吠える口からは、鋭い犬歯と、チロチロと動く舌が出ている。


 ……魔獣の一種の、フォレストウルフだよ。


 実際は怖そうな見た目に反して、目茶苦茶弱い。普通に見かけ倒し。


 動きがとても分かりやすい。だから、初心者向けなんだよね。……今回は練習台になって貰おうか。


 六花を抜いて、サーベル状の氷刃を作る。


 武器を抜いたことで、こちらの戦意を感じ取ったのか、こちらに向かって飛び掛かって来た。


 飛び掛かって来るウルフの突進を氷刃の滑り易さを使って、左側に受け流す。


 攻撃したら、多分一撃で殺しちゃうからね。


 暫く受け流しの練習を続けていると、ウルフの動きが不安定になり、よろよろとふらつく様になった。


 どうやら、受け流す時の小さな切り傷が重なってきたらしい。


「…………はっ!」


 首を切り落とす。楽々と斬ることが出来てしまった。……やっぱ弱いなぁ。


 フォレストウルフだった物は、その場に崩れ落ちて、動かなくなった。


 ……うん。こんなものかな。余裕余裕。


 もっと奥、行ってみようか。




 ▲ ▽ ▲ ▽




「…………よし、これで19体目、っと」


 さっきの場所から少し奥地。大分木漏れ日が届かなく


「グギァ……」


 この情けない断末魔を漏らしているのは、ゴブリンです。


 緑の肌で、ちっさい角が生えている以外の点は比較的人型と言える様な姿の魔獣だから、対人戦に近い感覚で戦えるよ。


 とりあえずこの前作ってみた、ショートソード、サーベル、後は構想してた槍も作ってみて、全て練習してみた。


 割と対人戦でも使える様になったんじゃないかな?


 槍に関しては、色々試した結果、パルチザンの形に落ち着いた。


 普通なら槍系は、中距離だと強い代わりに近づかれたら終わり、って感じなんだけど。


 そこは汎用性に優れる術剣、氷刃の形を変えるだけではい終わり。


 便利だよねぇ。


 それで、そんな雑談をしている内に、20体目のゴブリンをサクッと。


 よーし、出現条件達成。


「という訳で、でてこーい! ゴブリンリーダー!」


 ちょっとふざけて大声で呼んでみる。


 よいこはまねしちゃいけないよ!


「ギシャアァ!!」


 おっと、ナイスタイミング。


 普通のゴブリンとは形が少し違う大きな角。

 体がひょろかったゴブリンと違って、引き締まった体つきをしている。


 持っている武器も、木の棍棒から石斧にグレードアップしていた。


 さっきも言った通り、こいつはゴブリンリーダーです。


 一定範囲内でこいつがけしかけて来る(という設定の)ゴブリンをブッ殺し続けてると、焦れちゃって自分から出てくるんだよね。


 見た目に反して可愛い性格だね、君。


「んじゃ、練習相手宜しくね」


 六花を森に合わせた、動きを阻害しない程度の短めのパルチザン型に。


 ……で、ここで変化をワンポイント。


 ……ビュォォ。


 パルチザン型の氷刃に重ねて(・・・)嵐剣を発動。


「――――名付けて、嵐氷刃、ってね!」


 そんな相変わらず安直な自分のネーミングセンスを披露しつつ、パルチザンを突き出す。


「グギギァ?!」


 突いた槍部分は避けられたが、風の刃が、ゴブリンリーダーの皮膚を軽く傷つける。刃当たっていないのに傷を負った事に驚いたのか、驚いた様子で跳び跳ねている。


 おー驚いてる驚いてる。


 ほらほら。まだまだ行くよー。


 追撃で突き出した槍を、リーダーは、前より少し大きめに避ける。どうやら、ちゃんと嵐剣部分を認識しているらしい。


 やっぱり、実践練習が一番楽しいし、為になる。


 わざわざここまで来た甲斐があったね。


「グギッ」


 おっと、間合いの不利を打開しようとしているのか、急に間合いを詰めてきた。賢い。


 という訳で、パルチザン型の六花を形態変化。ショートソードに切り替える。


 嵐剣は近くで発動すると、視界がちょっと遮られるので付与しない。


 牽制気味に切ってみると、それを躱しながら石斧を降り下ろしてきた。


 それを六花で受け止める。


 ガキン! とい音がして、氷の破片が弾け飛ぶと同時に、衝撃が……っ、力つっよ! 腕痺れた!


 とりあえず、欠けてしまった刃を元に戻す。


 この氷刃のリカバリーが早いのも氷属性に強い六花の利点だ。


 ……くっそ、力強さでは負けてしまっているらしい。てか、乙女に力強さなんて求めてくるな。


 ――――ふふ、 私は買うと決めた喧嘩は全力でやる主義なんだ。全力でやり返させて貰おう。



マグネット企画とエッセイで時間がぁ……


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