表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/30

15.授業中の出来事。

 ……やる事が無い。どうしよう。


 もう、後は休日にある程度最終確認するだけだしね。平日は本当にすることが無い。


 んー……。偶には、もう終わらせた授業、行ってみようか。


 という訳で、……作法の授業でいいや。れっつごー。


 ▲ ▽ ▲ ▽


 席に着いて授業の開始を待つ。


 そういえば作法の教室は、他の教科と違って、予習とか復習をしている人が居ない。


 なんかね、この教室の雰囲気がそうさせてくれないんだよね。本当に。


 この教室、作法の教師が直々に物の配置と、掃除をやってるらしい。


 それがとてつもなくセンスがいいんだよ……逆らえない感じがすると言うか、なんと言うか……。


 まるで、まな板の鯉の様に縮こまってるんだよね、皆。


 それが勉強しづらいという雰囲気を作り出し、誰一人勉強しないから、皆勉強をしない方が良いんじゃないか、っていう雰囲気が強くなって、それがさらに後続を……


 って感じ。


 っと、始まるね。


 作法の女性教師が入って来たのを見て、そちらに目を向けた。


 ▲ ▽ ▲ ▽


「今日は、手紙の書き方についての作法です。相手は、自分より一つ爵位の低い相手に対してという想定で書きなさい」


 喋り方まで理路整然とした無駄の無い喋り方。


 ……手紙用の筆記用具を配る姿にも一切無駄がない。


 …………この完璧な動き、教師よりメイドが絶対に向いてると思うんだけどなぁ。……実は本職メイドやってたりしません? ……してないだろうけど。


 ええと、一つ爵位の低い相手、ね。


 じゃあ書き出しは…………


「何ですって!」


 むう。うるさい、いきなり騒がないでよ、気が散っちゃうよ。


「そういう貴女こそどうなのよ!」


 ……んー? この2人は……知らない子だ。


 もしかしたら何度か会ってるかもしれないけど、会ってたとしても回数は少ないかな。


 これはイベントじゃ無いね。見たこと無い。


 割と激しく罵り合ってる様で、周囲の生徒も大分煩そうだ。でも、多分……


 私が、暫くその光景を眺めていると、例の作法教師がやって来た。やっぱり。


 うわぁ、凄い怖い笑顔してる……。


「そうやって、何時も貴女は――」


「貴女こそ――」



「――――――ちょっと貴女達、此方へ来なさい」


 あーあ。ほら、言い争ってた子達が静まり返ってる。


 いやぁ、本当に凄いよね。


 声も佇まいをさっきと一緒で瀟洒(しょうしゃ)なままなのになぁ。


 多分、目を外してたらただの普通な感じの声にか聞こえなさそう。


 まぁ、見てるなら感想は540度は変わると思うよ、うん。


 そう思いながら、手紙を書くのを再開しようとすると、教師が、いきなりくるりとこちらを向いた。


 ………なんか、嫌な予感がするぞ。


「丁度良いですね。……クレヴァリー、着いて来なさい」


 ……………………うっそぉ。



 ▲ ▽ ▲ ▽


 んで、今、教室とは別の部屋の前で待機してるんですけど。


 二人と作法教師は部屋に入っていったよ。


 ……中で何が起こってるんですかね。


 ――お、やっと教師が出て来た。


「クレヴァリー、中へ」


「はい、失礼します」


 漸くか。さて………………。うん。


 なんか死人みたいな顔してるぞ、御二人さん。何があった。


「この二人に今日の授業の内容を教えて貰えるかしら。貴女なら出来るでしょう?」


 んー? この言葉は聞き覚えがあるぞ?


「はい、分かりました。」


「それでは、私は授業に戻ります。宜しくお願いしますね」


 …………うーん?


 これ……イベント?


 台詞はイベントだけど、本来のイベントとは、別の二人だし、場所も違う。授業内容も違うね。


 ……分からなくなってきたな。


 まあいいや、教えればいいんでしょ。


 ▲ ▽ ▲ ▽


 それで、ぱっぱっと教えて終わり。


「「ありがとうございました!」」


「どういたしまして」


 よし、これでイベント?終わりだね。帰ろっと。


「いやぁ、本当にプリシラさんの説明、分かりやすかったです!」


 おっとっと、まだ続くのか。やっぱりイベントじゃないのか……?


「……そうでしょうか? 喜んでいただけたのなら嬉しいです」


 そういや、聞いて無かった事があった。


「そう言えば、何で御二人は口論を? 何か理由が?」


「あー……それは……」


 バツが悪そうに右の子が言う。


「実は、二人ともエルナン様の事が好きで……それで一度口論になってから……」


 へぇ…………あ。


 ……もしかして。


 これ、どっちかが元チュートリアル君ファンだったりしたのかな。


 それが、消えることで、元チュートリアル君移民が、本来は無かった対立を作った。


 ……ありそうだね。


 まあ、攻略対象に影響無ければ、良いか。


「それでは、私は帰りますね」


 新しい情報が手に入ったし、今日は授業に来て良かった。まぁほとんど授業じゃなくて指導けどさ。


「ありがとうございました!」


 その言葉を背に、私は部屋を出た。


5/10に正式リリースされた、マグネット!と言う投稿サイトにも投稿を始めました。


「磁力」と言う、作者読者双方に利のある、面白いシステムが有って、結構気に入っています。


誤字報告、感想、評価、ブクマ宜しくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『マグネット!』様でも、投稿させて頂いてます!

HGvCC3mwdaIZynSIx1LCA9UbiYd25onAT4u4FXpH.jpeg
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ