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13.これにしよう。その2。

……ブクマが2件外れた。


……ブクマ外れても、この作品の完結だけは、意地でもさせてやるからなぁ……!

 さて、私が使う武器種が決まった訳だけど。


 連れられて来たのは、貴族街の東側、『ヒックス術剣店』でした。


 別に看板が掠れてて読めない、なんて事は無かった。ていうかそんなのあの店(道具屋)だけだろうね。


 ……あの武器って、術剣って言うんだ。


 魔「術」を纏わせる「剣」、で術剣なのだろう。


 まぁ魔の方を取ると、魔力を持った剣の方の魔剣と混同しちゃうしね。


 ▲ ▽ ▲ ▽


 店内に入ると、木で出来た長い棚、様々な術剣が置いてあった。


 それぞれが、個性的な色形をしていて面白い。


 黒い木から削り出したのであろう、短剣に近い物。


 白い金属で出来ていて、長い柄の両端に芯がある物もあった。


 両方に芯があるのは、双身剣とか長弓、棍みたいになるのかな……? 扱うの目茶苦茶難しそう。


 柄や芯の長さと形。色合いも光沢も、物によって全然違う。面白いね。


「邪魔するぞ!」


「いらっしゃいま……エルナンか。久し振りだな。4ヶ月ぶりか? 相変わらず元気だな」


 剣バカと知り合いなのか。この店来た事無かったし、知らなかったな。


「多分それくらいだ! 今日は彼女に術剣を贈ろうかと思ってな! それでここに来たんだ!」


 そう言って剣バカは、私を勢い良く指差した。


「へえ。……君、術剣は扱えるのかい? ……あ、この口調のままで良かったかな?」


 おっと、こっちに質問が飛んできた。


「口調はそのままで構いませんよ。術剣に関しては、別の場所で試し切りしてみたら、むしろ、普通の剣より扱いやすかったです」


「ほうほう……因みに、得意な属性は?」


「氷属性ですね。四属性は全て扱えますが、一番苦手なのは火属性です。……土属性もそんなに使う事はありませんね」


「ふむ……一応、調べてみようか。こっちに来てくれ」


 ▲ ▽ ▲ ▽


 連れてこられた場所には、台に乗せられている透明な水晶玉の様な物があった。


 ああ、これは知ってる。『私』も良く使ってた。


「これはその人の四属性の適正を調べる道具さ。適正と言っても、その人の『才能と習熟度を合わせた物』だけどね」


 ……そういえば、『私』は火属性得意みたいだったなぁ。もしかしたら、それが、無意識の内に、火属性に苦手意識が付く原因になったのかもね。


「では……行きます」


 そーい。


 私が手のひらで、水晶玉を包み込む様に触れると、少しずつ透明だった水晶玉に色が付いてきた。


 手のひらを当てている所から、じわじわと、水色が広がっていく。


 ……やっぱ、氷の比重高そうだなぁ。


 暫く待っていると、色が混ざりあっていた水晶玉の中の光がだんだん分離して、各色の境が分かりやすくなってきた。


 それぞれの色が、属性毎に地層の様な層を作っていく。


 最終的には、


 一番底にかなりの量の水色の光(氷属性)

 二番目に少し少ない黄色(風属性)

 三番目と四番目にほぼ同じ厚みの赤色と茶色(火属性と地属性)


 になった。


挿絵(By みてみん)


 これは、氷が一番適正がある。風はそれなりで、火と地はほぼ一緒だけど、火が下にあるから微妙に火の方が適正があるって事だね。


 まあ、地属性は全然使わないしねぇ。


 色が付いてる所全体を合わせた層の厚みが、その人の魔術自体の適正になる。大体、半分ちょっと行かないくらい。ステータスが今魔法45くらいだったはずだから、そんなもんだね。


「……全体としては、まあまあといった所だけれど……君、氷属性が本当に得意なんだね」


「毎日練習をしてますからね」


 氷属性だけは自信があるよ。最近は、指レベルの細さの氷柱なら作れるようになったし。


「それじゃあ……これ、どうだい?」


 そう言われて渡されたのは、水晶玉で見た、氷属性の色に近い空色をした柄。明らかに氷属性寄りだね、うん。


 そこに、雪の様な白い芯を持つ、術剣だった。


 全体的にスラッとした細身で、私でも持ちやすそうだ。


「これって、使ってみても良いんですか?」


「大丈夫だよ。実際に使ってみてくれ」


 柄を持ってみる。…………意外と軽い。この術剣は軽く作られているみたいだ。


 芯の部分もちょんっと触ってみたけど、別に芯の方は冷たかったとか、そんな事は無かった。


 ……これに使われている素材は魔獣自体が魔力を使って現象を起こすタイプみたいだね。


 そういうタイプの素材は大概、術者の魔力を通しやすい、という性質がある。


 逆に、素材自体が魔力を持っているという物もあるよ。例えば、あの迷路の所の道具屋でチラッと見た魔剣とか。


 そういう素材は素材の魔力が術者の魔力と反発して魔力を通し難い。


 だから、魔法をあまり使わない人達に人気があるね。


 いつも通り、模擬棒を作る時の様に魔力を纏わせてみると、何時もの半分位の時間で剣が出来てしまった。


 ――――刃の作りやすさが格段に違う。維持に使う魔力もめっちゃ減ってる。


「この術剣は、吹雪の魔獣の素材で出来ているんだ。だから、氷と風への親和性が高い。……お勧めはこれだけど、火属性の技量を補いたいなら別の物でも良いよ?」


 うん、絶対火属性系は嫌だわ。絶対派手だもん。……これも割と派手と言えば派手だけど。でも、それ以上に、これの使い勝手が良い。


「……これにします。ええと、お代は……」


 店員の人とそう話していると、店の片隅のちょっと広い所で筋トレしてたらしい剣バカが、小走りで帰って来た。


 ……まーた汗だくだよ。キモい。今すぐこの術剣で刺し殺してやろうか。


「俺が払うぞ! 幾らだ!」


 結局、全額払って貰いました。


 いえーい。


 ――――1つ、気に食わないのは。


 買って貰った剣には、エルナンの贈り物、っていう項目が付くんだよね。本当に嫌だ。……能力値の補正が付くのでなければ、絶対に使わなかった。


 まぁ、贈って貰った武器で殺すってのは面白そうだし…………いいか。


 恩を仇でしっかり返してあげよう。


 ――――剣バカの終わりまで後ちょっとだ。


 ………………それまでに術剣を扱える様にしておかないとね。

何となくこの時間に投稿してみた。


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