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9.休日な休日。

今日もコロンビアしつつブクマを原動力に文章を生産。


正直ぶくまぱわーって凄いと思った。

かんそうぱわーとひょうかぱわーもオラに分けてくれー。(強欲)

 さて、あれだけ気にしてたステータスがほぼ飾りだったと判明したところで、今日一日でどうこうできる物でもないし、置いておく。


 軽く人が居ないのを確認してからだらしなさ全開の背伸びをぐいーっと。


 すると、いつの間にか、目の前の本棚に私の影が落ちていた事に気が付いた。


 窓から外を見てみると、もう既に空が茜色に染まっている。


 もう大分時間が経ってしまったらしい。


 そそくさと古本を棚に押し込んでから、図書館を出て寮に向かう帰路に着いた。


 ……忘れてるかもしれないが、私は筋肉痛と減魔症でかなり辛いんだ。早く休みたい。


 ▲ ▽ ▲ ▽


 部屋に着く頃には、もう大分暗くなっていた。




 寝る時用の部屋着に着替えてから、ベッドに腰掛ける。


 よーし、明日からはがんば……そういや明日休日じゃん。明日は、えーっと……何するんだっけ……?


 あー、眠気がやばい。減魔症の倦怠感との相乗効果で凄い勢いで引き摺り込まれる感じがする。


 ぽすっ、とベッドに倒れ込む。ああ、枕で更に眠気が……


 なんだか眠くなってきた。ここ最近は運動に攻略にと動いてばっかりだし……今夜はしっかり休もう。


 思考を放棄して、眠気に身を任せると、いつの間にか寝てしまっていた。



 おやすみなさい……………すぅ……ぐぅ。



 ▲ ▽ ▲ ▽


 朝日を浴びると目が覚めるって言うけどそれってあんま実感出来たことがないんだよねぇ…………朝です。


 ベッドから起きて、数分間ぼーっとする。休日限定のぼーっと出来るこの時間を楽しみつつ、眠気を追い払って行く。




 ……眠気取れて来た、よし。


 筋肉痛セットが治っているのを確認して、立ち上がる。


 今日は何するんだっけ。服もやることによって決めないといけないからなぁ。えーっと……?


 ………………ん?


 今日の予定確認しようとして、気づきました。


 今日、予定何も無いや。


 訓練はできるけどあんまり無理はしたくないし。


 攻略はステータスが足りない。


 うん。何も無い。


 予定無いのがこんな違和感があるとは思わなかった。


 私って、結構色々動いてるんだなぁ。


 ……よくよく考えたら、色々、攻略の仕込みとかで休日全部潰れてたから休める休日は今日が初めてだ。


 そりゃ違和感あるはずだよ。


 むしろ迷路みたいな面倒臭い場所にある店に行ったり、会って数日の奴とデートに行ったり、殺しをしたりが非日常のはずなんだけどなぁ。


 それじゃあ、偶には、普通に過ごしてみますか。


 お出かけだー。わっほほーい。


 ▲ ▽ ▲ ▽


 早速を注文しようとウェイトレスを呼ぶと、こちらの顔をちら、と見て、こう言った。


「前回と同じご注文でも宜しいでしょうか?」


 ……凄い。やっぱり良い店だなぁ。


 つい最近来たとはいえ、今回は前回とかなり格好も違うのに。


「今回は紅茶じゃなくてコーヒーでお願いします」


 ……ここはチュートリアル君終わったら行こうと思ってたアップルパイのお店。普通に忘れてたよ。


 今日は相手が居ないから普通の格好でも問題無いのが嬉しい。何度も言っているけど、着飾るのは嫌いだ。


 重いし邪魔だし。


 前回はチュートリアル君のせいできちんと味わって食べる時間が無かったし、ゆっくり食べてみようか。……今回は食べ物で遊ぶなんて事しないよ。


 切り分けたアップルパイを口に運ぶ。


 あれ。


 ……なんか前回より美味しくなってる。


 パイ生地のサクサク感が増していて、より美味しくなっていた。


 コーヒーも私が熱い飲み物が苦手なのを察してか、少し冷ましてあったみたいで、またびっくり。


 この店、本当に本当に凄いなぁ。ますます気に入った。


 この店の存在を教えてくれた事だけは、チュートリアル君に感謝しても良いかもしれない。


 もう本人は居ないけど。あの森の方に向かって軽く祈っとけばいいか。美味しく頂かさせてもらってるよー。ありがとねーっと。


 御馳走様でした。



 ▲ ▽ ▲ ▽


 折角だし色々回ってみようか。


 店を出た私は、大通りを歩き始めた。


 そういや、大体の貴族は馬車で移動する事が多いみたいなんだけど――


 街中では馬車で移動するのは性に合わないから嫌だ。流石に長距離では使うけどね。


 だって、街を見るんじゃなくて、街をただ移動しているという感覚が強くなるじゃん。


 やっぱり、街を歩くときはじっくりと自分の足で行って見たいよね。


 そう考えると、うちの家がかなり放任主義でよかったなぁ。


「あ、この店、結構良さそう」


 目に入ったのは、シンプルなブレスレットが店の前面に飾られている店だった。


 角が丸くなった四角い石が繋がっている物、緑色がグラデーションになっている物、様々な種類がある。


 シンプルな物って、良いよね。


 正しくは、派手な物が嫌いなんだけど。装飾ばかりの小物とかね。


 色だと、金、銀とか、黄色とか、濃い赤。そういった色が苦手だ。


 ……どうしても、『私』の記憶を思い出してしまうから。


 なんか殺意が湧いてくるんだよね、最近は大分マシになったけどさ。


 中盤の方の自由期間の時はは荒れまくってたよ。 赤なんてもう見たくない! ってね。懐かしいなぁ……。あの頃の私はまだまともだったねぇ。


 ――ふと、目を向けた所に一本のブレスレットを見つけた。


 青い四角い石と白い丸い石を繋いだブレスレット。


 白い雲の様な白い石。澄んだ夏空に似た、爽やかな青い石。見ているとなんだか、引き込まれそうな気さえする様な色合いだった。




 これ、良いね。手に取ってじっくりと眺める。


 手に一度嵌めて確認しようとした時、それに気が付いた。


「…………へぇ」


 この石を纏めているのは、赤い紐、だった。


 ちょうど、『私』の色の様な。


『私』が纏って、飾って、贈られて、好んだ色。


 ―――――そして私の、大切な、大切な、憎悪(ふくしゅう)の色。


 もしかしたら、この赤は別の意味を込められた物だったのかもしれないけれど、私にとってはそんな事はどうでもいい。


 この色があれば、私は初心を忘れること無く、目標に向かって真っ直ぐに進めるような気がした。


 まあ、曲げるつもりは毛頭無いけどさ。


 ……清らかな白と青の見た目の中に赤い激情を隠す、ってね。


 気に入った。これ、買おう。


 私は、上機嫌に歩きながらそのブレスレットをカウンターへ持っていった。



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