再認識とこれから
お待たせしました3話です。
もう少し本文長くした方がいいですかね?
「それはつまり、その学院とやらで魔力の扱いを学ばないと俺は2度とあっちに戻れないってことかよ?」
「まぁ、有り体に言えばそうなるね。」
思わず、身体中の力が抜け落ちる。手から滑り落ちた湯呑みは俺の足に当たる前に空中で動きを止めていたが、そんな異常事態にも気づかず俺は廊下の方へと倒れこむ。
「冗談キッツイだろ。いったいその魔力とやらが扱える様になる為に何年かかるんだよ。」
目の前が真っ暗になる様な錯覚を覚えながら思わず口を出た言葉に自身で後悔する。体が床に沈み込んで行く様な重みが体にかかる。そんな俺にイニーツィオは声をかける。
「何だか誤解させちゃってるみたいだけど、君なら半年もあれば魔力の扱い はできる様になると思うよ。」
「……………は?」
聞き間違いかと思い問い返す。
「だから、半年もあれば魔力は使える様になると思う。」
「じゃあ何で魔導学院なんてものがあるんだよ!」
「それは、魔法を研究してより効率の良い魔法を開発したり魔法という技術を広める為じゃ無いかな?学校の存在意義を考えると………」
「つまりあれか?魔法を使うには長い修練がいるが魔力を扱うだけならそんなかからないって事か?」
「そういう事だね。それに君は本社から派遣されてくるほど優秀みたいだし魔力量、操作技能、精神面、
どれも特に問題ないと思うよ。何だか不安にさせてしまって悪かったね。」
そう言いながらイニーツィオは俺の手を持ち体を起こさせる。
「この君の落とした湯呑みは今僕が単純な魔力操作のみで浮かばせているんだよ。わかるかい?」
俺が視線を下げると太ももの上で湯呑みがそこに透明なテーブルでもあるかの様にぴったりと静止している。思わず太ももと湯呑みの間に手を通す。
「やっぱこれ………わけのわからん魔力とやらで浮いてるのか。そんな簡単にできる事なのか?」
上から糸で釣られてないことも確認した俺はじっと湯呑みを見つめる。
「イメージ次第だよ。この場合は湯呑みを浮かせるというよりは湯呑みを固定するっていうイメージかな?詳しい話は学院でも学ぶだろうけど、この魔力っていうのは質量を自在に操れるエネルギー体みたいなものなんだよね、だからそうz…」
「ちょっと待て、一旦落ち着け、余計わけがわからないんだが?」
イニーツィオはどうやら説明するのが好きらしいが俺はおとなしく聞いているのは嫌いだ。
「それで?そんなに簡単なら今から教えてくれるのか、魔力の扱い方を?」
期待を込めながら問いかけるが答えは……
「うーん………やっぱり本職の先生方に習った方がいいかな〜。君にとっては未知のものだろうから下手に僕が教えるのは危険だと思うんだよね。基本的にこの世界は君のいた世界と常識は同じだし、学院に通うのにも問題ないと思う。だから安心して学生ライフを送ってもらってアルバイト感覚で配達の仕事をお願いする事になるかな。」
「そう、それだよ。結局俺はどうやって商品運んだり依頼受けたりすればいいんだ?」
俺の最大の疑問に対する答えはとても意外なものだった。
次回更新は多分明日