表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ワンライ投稿作品

ギブアンドテイク×2

作者: yokosa

第125回フリーワンライ

お題:

膝枕の特権


フリーワンライ企画概要

http://privatter.net/p/271257

#深夜の真剣文字書き60分一本勝負

膝枕の特権


あらすじ:

 膝枕をされる。

 膝枕をする。

 それぞれにそれぞれの思惑がある。



 後頭部に柔らかさと温かさを感じながら、品種はわからないが、何か花のような可憐な香りを嗅ぐ。

 優しさに包まれるとはこういうこと……そう確信させる。

 滅多にない経験に体を預ける。角度的に首というか顎に変な力がかかるのは仕方がない。

 目を閉じているため見えないが――物凄く恥ずかしい、にやけてないだろうか――俺は今、彼女に膝枕をしてもらっている。

 家にある、毎晩使って中央のへこんだ枕などとは比べものにならない多幸感。楽園はここにある。

 毎回頼むのは恥ずかしいし、せっかくの二人の時間を寝て過ごすというのも勿体ないし、彼女だって同じ体勢で座り続けるのもしんどいだろう。

 彼氏の特権とはいえ、なかなかやってもらえないのが残念だ。

 穏やかな風が額を撫でる。


 ……室内で?


 *


 ――とか思っているんだろうか?

 くすりと笑った拍子に、吐息が彼の前髪を撫でた。

 彼は想像しているだろうか。私が膝枕しながらずっと彼の顔を見つめていることを。

 口元が緊張している。にやけそうになるのを我慢してるんだ。二人っきりなのに体裁を気にするなんて馬鹿だなぁ。

 膝枕も申し訳ないとか思ってるんだろう。

 それは違う。

 無防備に体を預けられるのはこれ以上ないほど優越感がある。

 それよりなにより。

 彼の存在をこんなに間近で感じて、顔をじっと見つめていられる。

 世界で一番近い彼との距離。

 私だけの特権。



『ギブアンドテイク×2』了

提供してる側が提供されてないわけではないみたいな。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ