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花花  作者: 江戸川維新
7/24

はなみち⑦

「ゲームコーナー短っ。」


思わず声に出ていた。

『ゲームソフトはじめました』って散々期待をもたせやがって......いや、確かに始めてはいるわけだが、これじゃどちらかというと『初めました』って感じだ。というか初めましたにしてもゲーム......


「少なっ、って今思いませんでしたかぁ?」


「うわっ、ビックリした!思ったよ!むしろよく張り紙で宣伝しようと思ったなと、一周して感心していたところだよ!」


「いや〜それほどでもぉ。」


「褒めてないよ!皮肉だよ!頼むから春日部在住の永遠の5歳児みたいなリアクションとってないで、会話から本心をくみ取ってくれよ!」


「そんなサイコパスみたいなことできないですよぉ。」


「サイコパスは本心くみ取らないよ!いやむしろグロい方向のものをくみ取るかな、ってなんでサイコパスでてきちゃったんだよ!サイコパスの意味を間違った解釈しちゃってるよ!」


「そんなことより、ちょうどPS4のゲームが入荷したばっかりだったんですよ。お客さんついてますよー。」


「サイコパスのくだり強制終了かよ!やった!PS4持ってて良かった〜、ってx boxだったらアウトだよ!感謝しろよ!もうたぶんついてると言うか憑いてるだよ!悪霊だよちくしよう!」


「まあまあ、そんな熱くならないで。うちは1本しかソフト置いてないですけど、私がセレクトしたんで絶対に面白いです!」


「お前のせいだよ!でも、まあそんなに面白いのかそのソフト?どういうソフトなんだ?」


「『LIFE IS BEST』って言う、今海外で大流行してるソフトで、プレイヤーはゲームの世界で適当に散歩するもよし、釣りをするもよし、いい相手がいたら結婚するもよし、ゆっくり自由に暮らせるんです。」


「へー、敵とか出てこないのか?」


「出てきますけど、戦うかどうかはお客さんの自由なんです!どちらかと言うと、スローライフを楽しむのがこのゲームの醍醐味ですね!」


「なんか面白いかもな!ちょっと興味でてきたな!」


「特にお客さんみたいな、お仕事関係で疲れてる方や、嫌なことがあって現実逃避したい方にピッタリです!」


「そ、そうかな!買っちゃおうかな!」


「今買わないとラスト1本ですよ〜」


「買った!っていうか在庫少なっ!」


「売った!『ゲームソフト終わりました』」


「早っ!もうゲームソフトを売るのはやめときなさい!」


「500円になりまーす。」


「安いな!なんか不安がでてきたぞ!」


「大丈夫です!面白くなければ、いつでも返品しにきてください!」


「おお!ナイスアフターサービス!」


「いえあ!」


「......」


「失礼しました。お買い上げありがとうございまーす!またのお越しをお待ちしてまーす!」


そうしてオレはいい買い物したかな?という複雑な心境で『緑』色の本屋をあとにしたのだった。しかし、ふと立ち止まり、


「なんであのメガネっ子、オレが仕事で疲れてることや、嫌なことがあったことを知ってたんだ。」


と、一瞬だけ思ってみたりもしたが、買ったばかりのゲームがはやくやりたいと言う気持ちのほうが勝り、足早にマイホームへと帰るのだった。



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