表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

間に挟まるチャラ男

作者: Wana-wana
掲載日:2026/04/07

「おのれぇぇぇぇぇぇぇ!謀ったなオタク女ああああああ!」


 チャラ男は、顔がいい男である。

 中学時代から、ほどほどに勉強しつつ、ほどほどに交友関係も持ちながら、ほどほどにオシャレに精を出して、そしてほどほどにチャラくなった。

 程よい男子高校生だった。

 そんなチャラ男にはカノジョがいる。

 カノジョは、ギャルだった。チャラ男からして、とてもかわいい女の子である。

 入学式で一目見て、この子いいな……となったチャラ男が猛アタックの末、晴れてお付き合いをすることになった。

 付き合って3ヶ月になる。

 そんな学校生活めっちゃ楽しいチャラ男が今。


「残念だったねぇぇぇぇぇ!チャラ男は今、私によって存在を抹消されることになりますぅぅぅぅぅぅ!」


 存在を抹消されようとしていた。

 オタク女のせいである。


「君たちはお付き合いをしている。そう、つまり、憎むべきリア充!それも男女でのお付き合い!ならば、間に私が割って入ることで何が起きるかは自明だよねぇぇぇぇぇ!」

 

 オタク女は、非常にやかましかった。チャラ男の声量の5倍くらいはあるだろう。

 学校の廊下に、キンキン声が響き渡る。


「そう!チャラ男!君はたった今からぁぁぁぁぁ!百合の間に挟まる男になったんだぁぁぁぁぁぁぁ!」

「クソが!何が目的だよお前!」

「何って…………」


 オタク女が、チャラ男のカノジョの腕を引いて、ぎゅっと抱きついた。


「百合の間に挟まった男を抹殺することに決まってるじゃんね」

「くそおおおおおおおおおおお!」


 チャラ男は非常に焦った。オタク女が、何を目的としているか本当に分からなかったからだ。

 否──もしかしたら、オタク女も目的なんてものはないのかもしれない。

 無意味に意味を求める。それが十代であり──それこそが青春なのだから。


「……………なんでもいいけどさ」


 それまで口を閉ざしていたギャルがしゃべった。

 声が、3オクターブほど低かった。

 チャラ男とオタク女は、動きをとめる。非常にまずい気配がした。


「百合だかなんだか知らないけどさ。お付き合いしてる2人の間に割ってはいる存在自体が、許されるわけないよね」

「え、でも、女同士なら、なんか許されたり「いま、この状況で許すかどうかを決めるのは、こいつのカノジョたるあたし。違う?」

「…………っす」


 オタク女は泣いた。

 チャラ男は笑った。


「ざまあみやがれ!!!!怒られてやんのーーー!!!!」


 ギャルが、チャラ男を一目惚れさせた笑顔を浮かべて、一息にその距離を詰めた。

 そして。


「おい。お前も黙れ。うるさい。口も臭いな。今日はキスなし、よ。映画行くよ。14時からの回見るんでしょ」


 チャラ男は、ギャルの荷物を持った。平身低頭こそが、今この状態に許された姿勢だった。

 ギャルが咳払いをする。オタク女とチャラ男はまたもや静止。いま、場を支配しているのは異論の余地なくギャルだった。


「怖かった〜♡」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ