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希望

どチープな三文小説。地下鉄のフリーペーパーの寄稿欄にも載せられない、小学生の文学大賞、佳作受賞。AIが書いた小説の方がまだ読める。


※同性愛、死ネタあります。苦手な人はすぐブラウザバックだ!

2人の若い女性が乗り込んできた。


とりあえず未来へ行きたいと言う。いるんだよなこういう客、たいていは未来の自分がどうなってんのかみたい〜とか期待してんだろうけど、お前の人生結局しょうもねぇから、見るだけ損だよと、連勤明けで疲れていたMは若くて学生風の彼らの自由さに僻みつつ思った。


運転中、どうやらこの2人は単なる友達ではないらしい。交わされる視線の熱っぽさ、くっついた膝の上にで握られる手。おいおい車の中でなにやっとんねん。


失礼ですがお客さんたちはなにをしに?Mは、最低限の自分の存在を忘れてないか確認するための口上として質問をした、本来どうでもいいことだが、答えは突拍子もないことだった。

「私たちには今がないんです。」

「は?」

「現在は私たちが愛する者同士として一緒に暮らすことは認められてない。役所にも戸籍を届けようとしてつっぱねられた。だから未来にいけばきっと、許されてるはずだからとこの子が言ったので。そうしようと思って。」

「それならどこかそういうのが可能なとこへ引っ越す選択肢はなかったんですか?」

「それができなかったんです。時間遡行が可能なサーバーの圏内で同性間恋愛が認められているのはどの地域もなかったんです。他サーバーへのビザ発給も考えましたが、前の大戦でたくさんスタン国から難民が出たじゃないですか。あれで移動許可証の発給が難しくなって、賄賂を積んでも3ヶ月も待たないといけないんです。住所はここのみ、国外には行けない、だから未来に託すしかないんです。」

話を聞くと、相手の子は余命半年らしい。


前の大戦は3回あり、多くのタイムパラドックスを起こしたからな。私が今住んでいる日本からは遠く離れた話だったが、免許の取得試験の時苦戦したことを覚えている。世界時間保護協定ができて、今までバラバラだったサーバーを、国の他に地域ごとにサーバーを統一して設けることとしたんだよな。それで他地域にいくには、ビザの他にサーバー移動許可証が必要になった。


その30年後、彼女が言っているのはこれだが、つい15年前も三次大戦が起こり、スタン国からたくさんの難民が出た。近隣の主要先進国はこの受け入れに必死になり、と、歴史は何度か繰り返されたわけである。


もう1人の女性が口を開いた「こういう形だけでもわたしたちがいきていた証を残したい。人の繋がりなんて所詮は薄いものなのです。どんなに愛し合うふたりでも何か形がないといつかは忘れてしまうかもしれない。この人にあたらしくいい人ができたらわたしといた時のしあわせを忘れてしまう。だから、普通のカップルのように結婚式をあげて、婚姻届を提出したいんです。彼女が死ぬまでそこで生活したいんです。」


「運転手さん、帰りの便も予約していいですか?わたしが死ぬまで、そしてわたしたちが生きた証を刻み終わるまで、それまで未来にいたいんです。」


何年進んだだろう。メーターを見れば数字的にはわかるかもしれないが、Mが適当な時間軸で彼らを下ろした。時間遡行にも許可証は必要だが、時間犯罪を犯さない限り、特に未来は過去よりも可変的なのでそれほど厳しくなかったりするが、国際線の飛行機の航空券みたいに帰りの予定を聞かなくてもよかったりする。


「わかりました。では、この番号に連絡してください。」Mは電話番号を書いた紙を一方にわたした。

「いつでも向かえに行きますよ。」


それから、現在に戻って一年が経ったが、いまだに彼女達から連絡は来ていない。

別のタクシーを捕まえたのか、それとも...

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