第5.5話 手の平の天災
6話につなげるための話です。短いですが、重要な話でしょう(多分)。
友人が水の神へと化し、アンデッド勢力は日に日に減衰していった。今となっては常識だが、アンデッドは”水”に弱い。まあかなりの水圧じゃないと心臓の破壊はできないけど。そして、ルプスが水の神へと進化した今。アンデッドなど敵ではなかった。そして今、フォーローン政府が計画していること。それは――――。
鴉は気づいていた。たびたび現実が書き換えられていることを。そして鴉はその力を利用しようとしていた。だがもちろん、鴉が個々の意思で利用しようとしているわけではない。鴉は鴉であり、烏ではないのだ。薄暗い部屋で、彼女は笑みを浮かべていた。
「なんか最近退屈だよな。」
「お前、この間『そんなこと言ったら怒られる』とか言ってなかったか?」
「…?」
「あぁすまん。忘れてくれ。」
そうだ。こいつは自分の能力に気づいていない。おそらくだが、『現実が変わる』ことを認識しているものは1つ前の現実の記憶を引き継げるのだろう。そんな重大なことに気づいていないのか..話せるタイミングも少ない昨今。どう伝えるべきだろうか? そして怪しいのはあのカラスだ。やたらとカラスに会う気がする。あの日オーブを置いて行ったのも十中八九カラスの仕業だろう。誰がなぜ、カラスに指示を出しているのだろうか?
いやー、短い(笑) いかがでしたでしょうか。それではまた、今度こそ第6話で。




