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死期近き王国  作者: まっちゃ
創る者・壊す者・観る者
14/20

第12話 第零宇宙創成神話

こんにちは、まっちゃです。

またも更新が遅くなってしまった..





何で完成した時に限って消えるんだよ~~~!!!!!!

ディ■・!>トピ?。古代を生きた人々が恐れ、記憶の中に封印した空間。名を呼ぶことも禁じられ、現在では大多数の神すらその存在を知らない。当時を生き、今もなお存在する者は“第零者(だいぜろしゃ)”と呼ばれ、彼ら以外にこの空間を知る者はいない。


デ?ス・ユ<■ピ★。かつて二人の魔導士が作り上げた空間。一人は現在の最高神となっている。もう一人の行方は―――――――。


調査書を一通り読み終え、さらに奥へと進む。ルシウスはこの空間の始まりであり、中心である遺跡へと出向いていた。歩を一歩進めるたびに空間の密度がわずかに捻じれ、足音が遅れて返ってくる。時差のある反響。この空間では“時間”すらまともに機能していなかった。


淡い光を放つ壁面には古代の魔導式が彫られていたが、見ようとするほどぼやけ、字を読み取ることはできなかった。

「……これは――――。」

言葉を途切れさせ、ルシウスは視線を前方へ向ける。


階段を下った先には円形の部屋が広がっていた。ここまでの壁や仕掛けからは想像もできないほど近未来的な空間であった。しかし、天井には裂け目が開き、一筋の光が柱となり、中央には円盤が浮かんでいる。

“原初観測装置”。薄く、確かに円盤にはそう刻まれていた。もっとも、古代文字であるが。


かつて二人の魔導士が“宇宙”という概念を作り上げた場所。ルシウスはゆっくりと円盤に近づき、調査書の内容を思い出す。


――創成は二人で行われたこと。

――片方は最高神へと成り、片方は行方不明であること。


これだけが確かな事実であった。円盤の表面は黒く、水晶のように透明であった。覗き込むと、光の粒子が回転していた。触れてはいけないと直感しながらも、“触れなくてはならない”とも感じる。


手を伸ばす。その瞬間、


―――バチッ。


指先に稲妻のような刺激が走り、視界の端が白く弾けた。

「っ……!」

円盤は微かに震え、中枢には影が浮かび上がる。それは二人の魔導士――のはずだった。


「――どういうことだ。記録には確かに“二人”と……」


現れた()()()()()は、円盤の奥、誰もいない闇の一角を指し示した。だが、その先には“存在”という概念すらない虚無が広がっていた。まるで最初から一人はいなかったと告げるように。



30XX年06月03日、同時刻。地上。


アリアは食材の買い出しに出ていた。

「今日の夜ご飯、何にしましょう……? 何だったらルプスさんは喜んでくれるでしょうか……」

彼、いっつも料理の感想を言ってくれませんし。


村の八百屋についたその瞬間。アリアの胸の中に微かな音が響いた。それは稲妻のような音をしていた。視界の端が白く弾ける。

「うっ……」

直後、脳内には()()()()()が現れた。何かを話しているが、認識することはできなかった。頭痛がする。目の前がぼやけ、気が付くと倒れていた。



―――虚無を指すその指はわずかに揺らいでいた。先ほどとは逆に、「本来はここに一人いた」と言っているようにも感じられた。


引き返し、書物をあさる。


読んだ冊数より残りの冊数を数えたほうが早くなった頃。


「これか……!!」


そこにはこう綴られていた。


“二人の魔導士は、光のようなローブに身を包む謎の人物とともに空間を生んだ。執筆時点では、そんな彼は『第零者(だいぜろしゃ)』と呼ばれている。”

“強力な力を持った第零者は、その強さ故に魔導士によって存在を分割され、封印されてしまった。”


思い出した。かつて読んだ書には、その片割れが悪魔として。片割れはオーブとしてこの世界に存在するようになったと。オーブはいつしかその魔力で体を作り上げ、魔族として生活するようになったと。そう、書いてあった。


書を閉じた手が震えているのがわかる。


(――第零者。存在を分割され、片方は“悪魔”に。もう片方は“オーブ”として、そして“魔族”となって世界に散った……)


脳裏に二つの記憶がよみがえる。


セルジオン。

アルメリア。


どちらも僕が取り込んだ魂。片方は強大な魔を宿した者。片方は魔力の結晶。


(まさか……いや、あり得るのか?)


さらに読み進める。


“第零者の魂片(ソウル・シャード)は本来、一つになることで“この宇宙の起源”に到達するとされる。しかし、分割の衝撃により数多の副産物を生み出し、この地に散らばった。それは“生命”にも“死者”にも分類されない存在となった。”


―――故に、分割後の残滓はしばし、アンデッドとして発生する。


(これが……この場所が……アンデッド発生の原因……。滅びた世界を生み出した起源の地。となると……)


―――ルプス、すまないがもう少し辛抱してくれるか?


さらに書を読み進める。


“アンデッドは人に似たものがほとんどだが、稀に異端種も発生する。それらは決まって、人の死体を好む。”

……(むご)い話だ。


ページをめくった瞬間、不自然なほどに古びた紙切れが挟まっていた。端は焦げ、文字はかすれて薄くなっている。


“第零 が作り出した空間はディ ・?ート<*と呼ばれたが、

いつしかその 憶は封印され、第  宙という名に変   。

もっとも、現在知  者は  んどいないが。”


読み終わった途端、違和感を感じた。視界が歪んでいる……? すべてが歪な形をしている。遺跡が崩壊し始める。間違いない。この理想郷、

第零宇宙(ディス・ユートピア)は壊れ始めている。

今月はあまり投稿できないかもしれません。

ではまた、第#話で。

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